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今年もトリを歌います

 声楽のレッスンの続きです。

 テノールのソロアリア「Che gelida mania/冷たい手」からです。

 このアリア、分かっていたことだけれど、簡単じゃあないですねえ…。曲の最初に出てくる、高いBですが、なかなかうまく歌えません。成功率は“1.5/4”って感じかな? つまり、4回中、ちゃんとBが歌えたのは、たったの1回だけで、「ぎりぎり歌えたかも?」が1回(これを0.5回としてカウント)、後の2回は、明らかな失敗って奴です。うむ、これでは本番では使えませんね。

 一応、高いBは私にとってギリギリ出せる音なのですが、あくまでもギリギリであって、色々と条件が揃わないと、うまく歌えない音でもあります。テクニックと言うよりも、メンタルの問題が大きいかな? 音程が高い事に加えて、大きな跳躍なので(気持ち的には全然平気なつもりなんだけれど)カラダが緊張して、固まったり、力んだりしてしまうんだよね。そうなってしまうと、出せる音も出せなくなるわけです。困ったもんだ。

 おそらく、ノドを脱力しさえすれば、ピヤ~っと歌えるはずですが、それがなかなか上手くいきませんね。

 この曲では、ピアノ伴奏も苦労していました。別に楽譜通りに弾けない…とか、歌に合わせて弾けない…とか、そういうレベルの話ではなく、楽譜に忠実であるけれど、歌手の歌にも合わせて弾けるのだけれど、でもそこから離れて、自ら歌いながらピアノを弾かないと、結果として音楽にならない…というわけで、ほんと、ピアノも難しそうです。

 またピアノの方も、楽譜通りにピアノを弾いてくれているのだけれど、気分的には、オーケストラを弾いているつもりじゃないと、音楽が軽くなりすぎてしまう…との事です。つまり、目の前にあるのは、ピアノじゃなくて、ピアノなのだけれどもオーケストラのつもりで演奏するのだそうですが、オーケストラって、ピアノとは当然鳴り方が違うわけで、そのあたりを意識して演奏しないといけないって事なんだろうと思いました。

 歌手の歌に合わせて弾くのも、実は良し悪しで、一定のテンポで流れていくような音楽ならともかく、この曲のように、テンポ・ルバートが基本な曲では、歌手の歌を聞いてピアノを弾いていくと、少しずつ音楽が重くなってしまい、結果的に歌手の足を引っ張ってしまうので、歌を聞くのではなく、自分で歌を歌って合わせていくのが良いし、場合によっては、歌の前々で合わせていく事も必要で…そうなってくると、ピアノを弾きながら、オーケストラの指揮をしているようなモンですわな。ああ、ほんと、ピアノも難しいですわ。申し訳ない。

 今回のレッスンは、Hi-Cを回避したフレーズで歌ってみました。

 気分的には、Hi-Cで歌いたいのですが、Hi-Cはあまりにリスクが高いです。今現在では、気力体力が充実していないと、ほぼHi-Cは歌えません。今の状態では、かなり厳しいし、本番とて分かりません。いつでもHi-Cを回避できるように、Hi-C回避メロディーも、たっぷり練習しておかないといけないので、今回は回避バージョンで臨んでみました。

 Hi-Cを回避すると、メロディーだけでなく、歌詞も変更になるし、何よりも耳慣れたメロディーではなくなるので、正しく歌っても、失敗した感じがしてしまうのが残念です。本当は、こちらが正規のメロディーなんですがね。

 Hi-Cは私にとって、かなり難しい音なので、おそらく本番もHi-C回避バージョンになるかな…と思ってます。それにしても、本番までに奇跡が起こって、Hi-Cを楽々と歌えるようにならないかしら?

 とにかく、歌もピアノも難しいアリアでした。さすがに先生がお薦めしないだけはある(笑)。

 次は妻のアリアなので、少し休憩をして、最後の二重唱「O soave fanciulla/ああ、うるわしの乙女よ」となりました。

 とにかく、出だしから歌とピアノが合わない(涙)。数回やってみたけれど、なんともうまくいかない。後で思い当たったのだけれど、出だしの“O soave fanciulla”は三連符を基本にしたリズムで“O-so-ave”は等間隔で、3つで1拍になっていて、ピアノはそのように弾こうとして、私の“O”を聞いて、瞬時に全体のテンポを設定して弾き始めるのだけれど、私はこの“O”を長めに歌っているため(だって“O”は間投詞でしょ! 他の言葉よりも力も入れば、発音に時間がかかるわけです)、この“O”に合わせてしまうと、音楽が遅くなってしまうのだけれど、私はもっと早く歌いたいわけで、そこで意見の齟齬が生じてしまうわけです。

 まあ、ダメなのは私なんだけれど、そこをうまくピアニストさんに伝えないとダメだよね。

 それにしても、妻が全然歌えない。本当に大丈夫かしら。

 そうそう、私と妻と先生とピアノが同時に音を出してしまうと、私の録音機では録音できない事が判明しました。入力過多になってしまうようで、録音されたモノを聞き返してみると、4人で歌うと、突然、ハウリングを起こしたような音として録音されてしまいます。録音機の音量調整は自動になっているのですが、自動も追いつかないほどの声で歌っているってわけです。

 今使っているのは、サンヨー(ああ、懐かしい)の普及型のPCM録音機なので、もう少しグレードの高い録音機に買い換えないと…そろそろダメかな?

 さて、この二重唱でも、テノールにはHi-Cがあります。今回は、ここも回避して、本来のメロディーを歌いました。ここは、プロでもHi-Cを出す人と、出さない人に分かれます。演劇的には、おそらく、Hi-Cを出さないほうが正しいと思います。でも、テノールってバカだから、可能な限り、高音を出したいもので、私だってやっぱり、可能ならHi-Cで歌いたいのです。

 でもここは、単にHi-Cなだけでなく、ロングロングトーンであるので、「Che gelida mania/冷たい手」のHi-Cよりも難しかったりします。そりゃあ、チャレンジもできないわな。ああ、難しい。

 以上で、レッスンは終了。

 さて先日、主催者から当日のプログラムが送られてきました。私たちは、昨年に引き続き、今回もトリを取ります(大トリはギターアンサンブルさんです)。出演予定時刻は、19時20分頃? ああ、遅い。たぶん、昨年同様、客のほとんどが帰ってしまった、寂しいホールで歌うことになりそうです。ちなみに、このコンサート、当初は器楽ばかりのコンサートでしたが、少しずつ声楽が増えて、ついに今年は、全体の半分を声楽が占めるようになりました。その声楽の最後が私たちですからね、気合入れて歌っていきますよ。

 と言うわけで、最後に告知しておきますね。

10月8日(土)
茅ヶ崎市民文化会館小ホール(JR東海道線・茅ヶ崎駅北口より徒歩10分)

19:20頃出演予定
歌劇「ラ・ボエーム」より「冷たい手」「私の名はミミ」「ああ、うるわしの乙女よ」を歌います。応援よろしく。

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コメント

  1. wasabin より:

    サボっていて、久々訪問したら@@/
    すとんさんのプログに可愛い猫達が!!びっくり。

    金魚なら分かりますが、、心境の変化?

    記事より猫ちゃんに目が行ってしまいます m(__)m

    10月8日、もうすぐじゃないですか!
    頑張ってくださいネ!

    (私も10月は大変な月です)

  2. すとん より:

    wasabinさん

     いえいえ、ブログのデザインは月1で変更しているので、今月はたまたまネコちゃんだっただけです。一応、毎年8月は金魚と決めてますが、それ以外の月は、その時の気分で決めているので、来月はまた別のものに変えます。

    >10月8日、もうすぐじゃないですか!

     そうなんですよ、ほんと、どーしまょー?

  3. 矢田@医療職兼業トレーダー より:

    がんばってくださいね^^
    応援しておきました。ポチッ

  4. すとん より:

    矢田さん、ありがとう。

     でも、まだ本番じゃないですから、応援にはちょっと早いですね。応援は、本番当日、遠くの空からでもお祈りいただければ、それで十分感謝です。

  5. ねぎ より:

    お疲れ様です。ボエームの「冷たい手」は憧れのアリアですが超難曲ですよね~。
    とは言え、テナーに生まれたからにはぜひ歌いたい曲です(私も一応、暗譜だけはしていますが…)。少し遠い空から応援しています。

  6. すとん より:

    ねぎさん、ありがとう。

     ほんと、超難しい曲です。今回の私は弱腰なので、Hi-Cは回避して歌っちゃうつもりですが、Hi-Cを抜きにしても、やっぱり難しい曲です。それでも本番まで、まだ時間があるので、限界まで仕上げて本番に向かいたいと思ってます。

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