…ってタイトルでは、なんだか分かりませんね(笑)。ええと「デアゴスティーニから発売されている“DVD 世界のオペラ・ハウス名演コレクション”の第3号が、自宅に届きました」という内容を短く表現してみました。それも、発売日は2015年7月21日…つまり本日のはずなのに、日曜日の19日には届きました。発売日よりも早く届くとは、ちょっぴり嬉しかったです。さっそく三連休を利用してDVDを見たので、その感想も含めて、色々と報告したいと思います。
というわけで、この記事は、こちらの記事「今、DeAGOSTINIに注目!」の続きとなります。
まずは今回のデアゴスティーニの“DVD 世界のオペラ・ハウス名演コレクション”の件ですが、オペラ対訳プロジェク広報室さんの調べによりますと、今回のシリーズは静岡県限定の発売なんだそうです。ですから、静岡県だけでしか流通していないので、静岡県以外のリアル書店さんをいくら探しても、ブツを見つける事はできないようです。残念ですね。ネットによる直販申し込みも、一応、静岡県限定なんだそうです。あらあら。
詳しい調査結果は、こちらの“オペラ対訳プロジェク広報室”さんの記事をご覧ください。
確かに私が創刊号と第2号を買ったのは、熱海の石垣書店さんでした。静岡県の書店で購入したわけで、今回のデアゴスティーニの新オペラシリーズが静岡限定だというのも、なるほどです。
とは言え、私は、皆さんご存知の通り、湘南地方在住の神奈川県民でございまして、神奈川県の自宅の住所で定期購読をネットで申し込んだところ、きちんと第3号が届きました。私は静岡県民ではありませんが、私の定期購読は許可されたようです。これはおそらく、私の親族が静岡県に住んでいますので、名誉県民として定期購読が認められたに違いありません(なわけないか:笑)。
とりあえず、公式コメント的には静岡県民限定商品のようですし、リアル書店での購入は静岡県内の書店に限るようですが、ネットによる定期購読に関しては、静岡県内に限っているわけでは…どうもなさそうです。まあ、デアゴスティーニ的には、一応静岡県内のみ…と銘打っていても、他県の人が「欲しいです」と来れば、やはり商売ですから販売を拒否するわけにはいかない…のかなって思います。
と言うわけで、直販サイトへのリンクを再度ここに貼っておきますので、個人の責任で是非是非お申込みくださいませ。もっとも“個人の責任”と言っても、単に、普通に申し込むだけですけれど(笑)。定期購読は途中解約も可能ですから、まずはお試し的に定期購読しちゃっても大丈夫だと思うよ。
さて、すでに手元にある創刊号から3号までのDVDの感想を述べます。
創刊号はゲオルギュー主演の『椿姫』です。いわゆるスター歌手が主役を勤めた公演なわけですが、一般的な視点で見ると、さすがはスカラ座です。大変立派で良い公演だと思います。ただし、オペラは好き嫌いでみるエンタメでもあるわけで、その点で言うと、私的にはNOなんですね。理由は、主演がゲオルギューだから(笑)。私、アンジェラ・ゲオルギューとアンナ・ネトレプコとレナータ・スコットの演じるヴィオレッタは、ありえないと思っているからです。全く、好き嫌いだけで書いているわけですが、この三人の演じる『椿姫』はキライなんです、ごめんなさい。
ちなみに、私が大好きなヴィオレッタは、マリア・カラスとイレアナ・コトルバスとナタリー・デセイの三人が演じるヴィオレッタです。今回のデアゴスティーニのオペラ新シリーズでは『椿姫』は、既発売の創刊号の『椿姫』はゲオルギュー主演ですが、今後の販売予定ラインナップの中に、ナタリー・デセイによる『椿姫』が入っていますので、私はそちらを心待ちにしている次第なんです。
でも、ゲオルギューがキライでなければ、なかなか楽しめるDVDです。だって、ゲオルギューは美人だもん。
2号の『フィガロの結婚』や3号の『カルメン』には、一人のスター歌手もいませんし、指揮者も有名な方ではありません。でもね、いいんですよ。実に良いんですよ。
『フィガロの結婚』は、以前は一流歌劇場と言われたロイヤル・オペラハウス(旧コヴェントガーデン)の上演です。今はちょっと落ち目な歌劇場なので、生きの良い一流どころのスター歌手は使えませんが、かえってそれが良かったのかもしれません。というのも、歌手の皆さんのバランスが実に良いのです。ネームバリューではなく、実力でキャスティングが組まれたのだろうと思われます。なにしろ、出てくる歌手の皆さん、みんながみんな(当然だけれど)歌が半端無く上手だし、演技も一流だし、容姿にも説得力があります。20世紀のオペラビデオにありがちな「デブな男女が棒立ちでオペラを歌う」なんて、ありえません。「まるでミュージカルを見ているよう…」と言っちゃうと、さすがに言い過ぎですが、21世紀のオペラ上演は、明らかにエンタメとして進化している最中なんだと言う事がよく分かる公演です。私も『フィガロの結婚』はビデオにしろ、生の公演にしろ、少なからずの数の公演を見ていますが、今回のデアゴスティーニの奴が、私の中では、No.1かもしれません。それぐらいに、良い公演です。
『カルメン』の方は、評価がちょっと難しいかもしれません。と言うのも、ヴェローナ音楽祭での上演なんです。会場も通常の歌劇場ではなく、ヴェローナ闘技場なんですね。いわゆる野外会場なんですよ、それも観客数1万5千人なんだそうです。イメージとしては、ちょっとした野球場でオペラをやっているようなモンなんですね。つまり、オペラには全く向かない場所でオペラをやっているんです。会場のハンデがあるんですよ。
まず、舞台が広くてデカイんです。通常の歌劇場のステージの何倍もあるんです。そんな広い会場ですから、合唱さんはもちろん、歌のないモブさんたちも大勢出演しています。そこに歌手たちが出てきて歌うわけです。音楽を合わせるのが、実に大変そうです。ですから、オーケストラだけの曲とか、小さな編成の重唱や独唱曲は良いのですが、合唱が絡む曲になると、テンポが途端に遅くなり、劇の進行がダラ~としちゃうんですね。一方で、舞台に人が大勢いますので、マンパワーがすごくって、演出的にはかなりの迫力があります。
それに夏の音楽祭ですから、オペラ公演の中にも、祝祭的な雰囲気があって、それはそれで楽しいのですが、オペラ上演としての質を考えると…難しいところです。だからと言って、ダメというわけではないのですが、手放しで他人に薦められるかと言うと…『カルメン』は良い公演も他にたくさんあるだけに、難しいですね。100点満点で言えば70点ぐらいの出来かなって、私は思います。ちなみに、私の中では、昔々メトで上演されたアグネス・バルツァとホセ・カレーラスのモノ(1987年収録です。古いですね。すでに廃盤で入手困難です)が今でもNo.1なんです(笑)。
4号はモーツァルトの『魔笛』で、チューリヒ歌劇場で2000年に収録されたモノだそうです。タミーノをピヨートル・ベチャワがやっているそうなので、私的には、ちょっぴり楽しみです。魔笛はなかなか演出が難しくて、これと言った決定盤には出会っていない私です。今度のモノが私の決定盤になってくれるといいなあと思ってます。
デアゴスティーニの新オペラシリーズは、5号が『ラ・ボエーム』、6号が『ドン・ジョヴァンニ』、7号が『トゥーランドット』と続くわけで、今後とも、デアゴスティーニの“DVD 世界のオペラ・ハウス名演コレクション”に期待をしている私でした。皆さんも、ぜひ、このシリーズをご購入されて、全80巻の予定を全うしてもらえるようにしましょうよ、お願いします。
定期購読者が少なくて、途中でシリーズ打ち切りとかになったら、悲しすぎるもの。
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コメント
こんにちは
デアゴさん商品によって特定の県で先行販売してリサーチしますからネットで見ると知らないの有ったりしますよ
全巻買うには定期購入申し込まないと店頭から消えるし(笑)
個人的には毎週組み立てるフルート(プラ管)なんか面白いかな
そういうことだったのですね。私は東北の某県に住んでいますが定期購読の申込みは問題ありませんでした。
定期購読者が増えて下支えできると良いですね。
椿姫だけ見ましたが、衣装やセットが素晴らしかったです。演出は正統派が良いですね。
ゲオルギューの演技はなんだかくどくて苦手ですが…
chakoさん
>全巻買うには定期購入申し込まないと店頭から消えるし(笑)
そうそう、たいてい、創刊号からしばらくの間は店頭(のレジ付近)に並んでいますが、やがて書店に並ばなくなるんですよね。だから、バラで買おうとか考えていると、うまくいかないのが、デアゴスティーニさんのようです。あくまでも、書店販売分はツカミであって、本気買いの人は定期購入(&取り置き)なんですよね。
>個人的には毎週組み立てるフルート(プラ管)なんか面白いかな
いやいや、プラ管だと値が付きませんから、そこは洋銀のフルートですよ。創刊号は990で、素体の管体を付けて、2号から各パーツを取り付けるようにして…月刊にして、10号くらいで完成。総額2万円程度で、洋銀のフルート一本出来上がり! でいかが? フルートを組み立てながら、調整の仕方も学べてグッドですよん。
椎茸さん
>私は東北の某県に住んでいますが定期購読の申込みは問題ありませんでした。
リアルな書店経由だと静岡県限定だけれど、ネットでの定期購入ならば、現状として日本全国どこからでもOKって感じのようですね。
>定期購読者が増えて下支えできると良いですね。
いやいや、ほんとです。静岡+ネットの力で、なんとか全80号刊行を目指して欲しいです。
ゲオルギューは『椿姫』でなければ、私好きですよ。『愛の妙薬』のアディーナなんて、とってもいい感じですもの。でも、ヴィオレッタは…ちょっと私のイメージと違うんですよ。美しすぎるというか、美しさの方向がちょっと違うんですよ。それはネトレプコも同じ。ヴィオレッタの美しさには“破滅”がないとダメなんです。どこか“危うさ”があったりどこか“崩壊”していないといけない…と私は思ってます。
ヴィオレッタって、心もカラダも病んでいるんですよ。そういう“ぶっ壊れた部分”を感じさせてくれないとイヤなんです。だから、マリア・カラスやイレアナ・コトルバスやナタリー・デセイなんですね。
好き勝手書いてます(汗)。でも、ゲオルギューの『椿姫』は標準的で正統的でいいと思ってますよ。
>椿姫だけ見ましたが、
ぜひ、2号の『フィガロの結婚』をご覧ください。お薦めです。
遅くなりましたが、「フィガロの結婚」みました!
すとんさんがおすすめされているとおり、素晴らしかったです。いろいろ見くらべたことがあるわけではありませんが、とても楽しく鑑賞しました。ブラボー!
この作品って長いので、結構気合いを入れて見始めましたが、最初から最後まで流れが途切れず、モーツァルトならではのアンサンブルの素晴らしさも存分に楽しめました。
いや、ほんと、よかったです。
椎茸さん
「フィガロの結婚」、よかったでしょ? ほんと、あれはなかなか良い上演だと思います。
さて、そろそろ次の配本となる「魔笛」が到着する頃だと思います。私、次も期待しているんですよん(ニコニコ)。