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LFJ2015 その9 モノオペラって見たことありますか?

 楽器屋を冷やかして、自分用の土産の楽譜も購入して、ホクホクした気分になって、次のコンサートが始まるのを待っていました。そうそう、待ちながら、久しぶりにドクターペッパーを飲んだよ。やっぱり私、リコリス味って好きかも~(はぁと)。

ピアノクインテット(東京音楽大学ピアノクインテット)

シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op.44より 第1楽章、第4楽章

 ピアノクインテットとは、弦楽四重奏+ピアノという組み合わせの演奏形態です。私は室内楽をあまり聞かないので、こういう楽器の組み合わせは新鮮でうれしいです。演奏の良し悪しは私には分かりませんが、楽しませていただきました。

 まあ、そんなわけで、演奏は悪くなかったのですが、ミュージシャンたちは、黙って舞台に登場して、一礼をして、無言で演奏をし、終わったらすごすごと舞台から退場していきました。

 ピアノの発表会ならそれでもいいのかもしれないけれど、これ、一応、客が入っているコンサートですよ。もう少し、愛想が良くてもいいんじゃないの?って思いました。おそらく、演者さんたちは大学生で、プロ奏者ではないでしょうから、エンタメ性がゼロでも仕方ないと言えば仕方ないのでしょうが、彼らがプロの音楽家を目指しているなら、演奏だけではなく、ステージ話術も磨いた方がいいと思うのは…余計なお世話ですね。

 演奏されていたのは、坂本文香(ピアノ)、福田ひろみ(1stヴァイオリン)、福田俊一郎(2ndヴァイオリン)、藤瀬眞希(ヴィオラ)、新井昴(チェロ)の五名の方々です。

 で、なぜわざわざ学生さんのお名前をここに書いたかと言うと、私、彼らが舞台に登場する前に、お名前を拝見して、勝手に女性3名、男性2名のグループだと思っていたのですが、実際は、女性2名で男性が3名のグループでした。

 いやあ、最近は男女兼用の名前も増えて、字面だけ見ていると、その方が男性なのか女性なのか迷ってしまうケースも増えてきました。

 さて、どなたが男性で、どなたが女性なのか、お名前だけで正しく判断できますか? 私は、お一人の性別を間違えてしまいました。私が間違えてしまったのは、ヴィオラさんです。私のこの方のお名前を見て「女性かな?」と思ってしまいましたが…男性でした。ちなみに、チェロさんも男女兼用のお名前ですが、こちらは男性でした(私も男性だと思ってました)。あと、1stヴァイオリンさんも男女兼用のお名前ですが、女性が名乗られているケースが多く、今回も女性の方でした。ピアノさんと2ndヴァイオリンさんは、それぞれ女性専用、男性専用のお名前なので、性別を間違える事はありませんね。

 いやあ、それにしても、お名前だけ拝見していると、性別が分からないというのは、実生活上、困ることはないのかしら! そんな野暮な心配をしてしまうオッサンが、私なのです。

 で、ピアノクインテットが終わると、夕飯時でした。さて、何を食べましょうか? この日は、朝がコンビニで軽食を購入し、昼がケンタッキーフライドチキンだったので、夕飯はちゃんとしたモノを食べようか…と一瞬も思わず、本能の赴くままに「さあ、ラーメンでも食べようか!」となりました(笑)。

 しかし、ラーメンとなると、案外難しいです。東京国際フォーラム内には、高級中華料理店はあっても、ラーメン屋などという庶民的なレストランはありません。東京国際フォーラムの周辺…と言っても、丸の内だよ。おしゃれな高級なレストランばかりが軒を連ねる丸の内ですよ。あの中からラーメン屋を見つける? 土地勘のない人間には無理…じゃないか(笑)。iPadで検索すりゃあいいのか。

 チャチャと検索したら、東京国際フォーラムの有楽町側を出てすぐの、線路下に長崎ちゃんぽんのチェーン店、リンガーハットを発見。なんだ、すぐそばじゃん。長崎ちゃんぽんなら、普通のラーメンよりも野菜たっぷりだから、より良いね。

 で、とっとと出かけて、大盛り無料サービスはもれなく利用して、さっさと食べて、次のコンサートに向かいました。

オペラ『人間の声』

 次のコンサートは、めったに見れない、おそらく私にとって、これが生涯最初で最後の鑑賞となるだろうオペラ、プーランク作曲の『人間の声』の演奏会形式での上演でした。

プーランク:オペラ『人間の声』(演奏会形式)

 なぜ“これが生涯最初で最後の鑑賞”なんて書いちゃうのかと言うと、それぐらい上演される事が珍しく、DVDなどでパッケージ化されて販売されることも無いという、レアなオペラの貴重な上演だからです。

 このオペラは、いわゆるモノオペラと言われるジャンルのモノで(舞台に登場する)出演者は、ソプラノ歌手たった一人です。つまり、通常の公演なら、オペラ劇場のあの広い舞台を、たった一人きりのソプラノ歌手だけで、最初から最後まで休む間もなく、出ずっぱりで歌って演じないといけないわけです。そりゃあ、まあ、普通はやらないよね。

 もちろんこのオペラ、本来なら伴奏はオーケストラ伴奏なんだけれど、今回はピアノ伴奏に変え、上演形式も簡略化して演奏会形式という事でした。場所も小さめなD7ホールです。小さな空間にピアノと歌手一人という、いかにも小規模なオペラ上演だったわけです。それにチャレンジしたのが、ソプラノ歌手の中村まゆ美氏とピアニストの大島義彰だったわけです。とても有意義な公演だったと思います。客層も、他のコンサートとは違っていて、一見して職業音楽家としか見えない方々が大勢いらっしゃっていて、なんか居心地悪かったです(私なんかが見ちゃダメなのかな…って、ちょっぴり思ってしまいました)。でも、席そのものは、すごくいい席だったんですけれど(笑)。

 上演はフランス語でした。ラ・フォル・ジュルネですから、字幕スーパーは無いだろうし、入り口で無料の対訳冊子を配布するくらいだろうけれど、対訳を読みながらオペラを聞くのも興ざめだなっと思って、事前にCDと台本を入手して(便利な世の中になりました)、色々と準備しておきました。入場の際、ホール入口でいただいたリーフレットには対訳がなく、マタイ受難曲の時のように対訳冊子を販売する様子もなかったので「まさか日本語上演?」と思ってしまいました。実際は違ったわけですが、まあ、日本語なら日本語でも良いかなと思いました。

 D7ホールは小さなホールです。舞台にはピアノと…床と机と椅子と電話が置いてあり、最低限の小道具は揃っていました。演奏会形式と予告されていたので、棒立ちで歌うものと思っていましたが、これなら最低限の芝居があるんだろうなあと思いました。

 時間になり、あたりが真っ暗になりました。やがて舞台にライトがつくと、衣装をつけたソプラノさんが床に投げ出されたような格好で倒れていました。伴奏がオーケストラではなくピアノであるというだけで、かなり本格的なオペラ上演でした。そして、舞台の壁面に対訳が投影されました。字幕サービス付きの上演でした。やったね。

 最初こそ「ソプラノさん、調子悪い?」とか思いましたが、それは杞憂で、ドンドン調子をあげていき、見ていた私もドンドンオペラに引きこまれていきました。全部、45分のオペラなんですが、あっという間に終わってしまいました。「え? もう終わり?」って感じでした。いやあ、良かった。

 大満足。これで“今年のラ・フォル・ジュルネは良かったなあ…”と言えます。うん、良かった。

 この続きは、また明日アップします。

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