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パバロッティと私は、伯祖父と甥孫の関係?

 誰でも自分の出自というか、ルーツには興味を持つもので…。

 芸の世界でも、師匠と弟子という、いわば疑似親子関係がありまして、自分と先生を同じくする人を「兄弟子」とか「弟弟子」とか呼び、師匠を同じする集団を、家族ならぬ「門下」と読んだりします。その他にも「孫弟子」とか「本家」とか「分家」などのような言葉もあります。

 私の師匠は、もちろんキング先生です。で、キング先生の師匠は誰?と、ふと思いました。そこである日、キング先生に「先生のお師匠様は、どなたですか?」と尋ねてみました。

 「私の師匠は、A先生です」とサラっと教えてくれました。

 閑話休題。ええと、ここでA先生と仮名で呼んでいるのは、キング先生がネットでは自分の師匠について公言していないので、ひとまず仮名にしておきます。許可をもらえたら、追記して実名を書くかもしれませんが…。

 話を戻します。このA先生というのは、実は、主役をバリバリ歌う、結構有名な現役のテノール歌手です。うひゃーです。

 さらに、うひゃーなのは、このA先生のお師匠さんが、アリゴ・ポーラ先生なのです。
 アリゴ・ポーラって誰?って思った人、あんた、トーシローだね。

 アリゴ・ポーラと言えば、現役時代はバリバリ主役を歌ったテノール歌手だし、現役引退をして声楽教師になってからは、本人以上に有名になった(失礼)お弟子さんがたくさんいる、一流の声楽教師でしょうが!

 すごく簡単に言っちゃえば、パバロッティとフレーニの先生です。

 つまり、A先生はパバロッティと兄弟弟子(年齢を考えると、パバロッティが兄弟子で、A先生が弟弟子になるのでしょう)で、つまりポーラ門下の人。そのA先生から見ると、私は孫弟子にあたるわけ。

 と言うことは、パバロッティはいわばポーラ門下の本家のオジちゃんで、私は分家の末裔で、甥の子どもくらいの関係? 門下筋的には、私とパバロッティは(もちろん、フレーニを始め、数多のポーラ門下の有名どころのオペラ歌手と)親戚になるわけだ。

 こいつは、愉快じゃありませんか。

 まあ、趣味で声楽やっている人間(私のことね)を、弟子だ孫弟子だと言うのは、おこがましいとは十分承知しているけれど、そこはそれ、素人の戯言だと思って、勘弁してくださいな。

 「アリゴ・ポーラの弟子なんて、日本には掃いて捨てるほどいるから、珍しくも何ともないし、自慢にもならない」と思った方。まさにその通り。でも問題は、珍しいか珍しくないかではなく、私がその門下の片隅の隅っこの方にいるってこと。それが自慢ではなく、単純にうれしいのです。

 はあ…、同じ門下筋だと思うと、なんか今まで以上に、パバロッティのことが、親しく感じられるような気がし始めました。

 きっと、私がキング先生から習っている事は、キング先生はA先生から習い、A先生はポーラ先生から習ったんだよね。で、そのポーラ先生はパバロッティやフレーニにも同じように教えたんだよね。うわーい。

 今日から、パパロッティの事を伯父貴、フレーニのことを姐御と呼ぼうかしら?

 それにしても、ポーラ先生、A先生、キング先生、私、とテノール4代、数珠つなぎだね。うひゃひゃ。

コメント

  1. Cecilia より:

    アリゴ・ポーラ、知らなかったのでトーシローですね・・・。(笑)
    それはすごいですね~。
    私も日本では有名な先生方につき、その先生方がついていた日本では(日本だけでもないですが)権威のある先生方の孫弟子ではありますが、すとんさんの場合は何だか桁違いのすごさです。

  2. すとん より:

    >Ceciliaさん

     すごいと言っても、すごいのは私ではなく、私を教えている人やその師匠スジの方々です。いくら師匠スジがすごくても、教わる人がダメなら、やっぱりダメですからね。

     声楽の学習って、時代錯誤かもしれませんが、やはり師匠から弟子に口伝で伝わっていくものが、かなりあるんじゃないかなあ…と思ってます。キング先生がその師匠たちから習ったものを、一生懸命私に伝えようとしても、私がボンクラならダメですからね。

     師匠方に及ばないにせよ、少しでも近づきたい。そう思う毎日です。

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