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二重唱の練習をしました

 もちろん、相方のNさんと一緒にです。と言っても(音楽的な意味での)歌の練習はY先生とのレッスンでやっていますので、今回は先生抜きの妻を加えての…で、演技の練習をしました。

 元々、Y門下では、発表会で二重唱を取り上げる事は少なくないのですが、大抵は“棒立ち”歌唱なんですね。“演奏会形式”と言ってもいいのですが、特別な衣装つける事もなく、動作や演技を加えることなく、二人で並んできちんと歌うだけ…というパターンが多かったのだそうです。そこへ前回の発表会で、我々夫婦が演技付きで二重唱を歌った事は、門下内ではちょっとした話題になりました。Nさんも今まで二重唱を発表会で歌った事はあるのだそうですが、当然、演技を付けて…というわけではなかったのだそうです。ですので、今回の私との二重唱では、当然“演技を付けて”歌いたいとなったわけです。

 まあ、私は演技を付けて歌うのは、慣れているので、それはそれで良いのですが、問題は練習と言いますか、打ち合わせの時間ですね。演技を付けるとなると、やはり演技の打ち合わせが必要となります。演出家がいても面倒ですが、演出家がいない今回のケースの場合、二人の間できちんと取り決めをしておかないと、演技がチグハグになってしまいます。

 妻との二重唱なら、打ち合わせとか練習などは、いつでもどこでも出来るので大した問題はありません。キング門下にいた時ならば、歌劇団がありましたが、その練習の前後に打ち合わせをする事ができました。今回のNさんとは、特別な接点はありません。歌のレッスンは一緒にやってますが、Y先生のところで演技の打ち合わせをするわけにはいきません。

 そこで、予定を合わせて、時間を作って、練習兼打ち合わせの時間を持ちました。貸しスタジオを2時間ばかり借りての練習です。

 まずはアディーナとネモリーノのプロフィールをどうするか? NさんがYouTubeで見てきた画像では、この二重唱はベッドシーンの後の睦言という設定になっていたそうだけれど…そういう奇抜な設定のモノは、パクるにパクれません(笑)。とりあえずは、普通に、アディーナは農園のお嬢様、ネモリーノはそこで働く農夫、場所は農園という設定にしました。

 次は年齢です。Nさんは、アディーナとネモリーノは同じ年(もちろん成人)だと思っていたようです。一方、私はネモリーノは中学生ぐらい。アディーナは、彼よりも一回り上の20代前半の適齢期だと思っていました。これはネモリーノの愚かさを、未熟とみなすか、遅滞とみなすかという違いとなります。アディーナとネモリーノが同じ年の成人男女ならば、ネモリーノは軽度の精神遅滞者となります。しかしネモリーノが中学生程度ならば、ただのネンネのお子ちゃまとなるわけです。ここは話し合って、中間を取る事にしました。つまり、ネモリーノは高校生ぐらいの若者で(農夫なので)教育を全く受けていない、少々頭の回転の遅い男とし、アディーナは、それよりも多少年上の普通の若い女性という事にしました。

 次は時代設定です。これは衣装の関係もあります。いくら演技付きとは言え、大道具があるわけではないので、普通にタキシードとドレスで歌っても全然いいのでしょうが、Nさんはやはり衣装にもこだわりたいようです。でも「愛の妙薬」のオリジナル設定である18世紀のスペインの田舎にしてしまうと、衣装に困ります(でしょ?)。

 「農夫って何を着るの?」 要はそこなんですね。モンペ? ジャージ? 作業着? ジーパン?…ジーパンにネルシャツという事にしました。だって、それなら衣装の調達も簡単でしょ? ジーパンにネルシャツなら、それはアメリカの農園って事になります。時代は20世紀前半って感じかな? まあ、それならアディーナの服装も、普通にスカートを履いてくればいいわけだし、そんな感じになりました。

 衣装が決まったので、次は舞台への出入りをどうするかです。ここは奇をてらわずに、二人一緒に舞台に登場し、まずは一礼をして、位置について、私が出だしの音を確認したら、Nさんに合図をして、Nさんが動き出したら、歌を始める…という事にしました(って、読んだだけじゃ何か何だか分かりませんよ)。

 練習は、レチタティーヴォ部分は、妻がキーボードを鳴らして行い、歌の部分はカラオケを使ってやってみました。

 とにかく、最初は「やってみましょう」というわけで、細かな打ち合わせ無しで歌ってみました。結果は、出の都合もあるけれど、アディーナは終始上手に、ネモリーノは下手にいるわけだし、自分の番以外では、ただその場に立ち尽くしているだけになってしまいました。元々この曲は、そんなに動きのあるシーンの曲ではないので、それも仕方ないのですが、それでももっと動いた方がいいだろうという事になり、少しずつ、動きを加え、立ち位置を変えて、何度もやりながら直してみました。小道具もいくつか使う事にしました。

 アディーナが歌っているネモリーノの前に立ちはだかってみたり、尻で蹴飛ばしてどかしてみたり、ネモリーノがアディーナの動きを真似して追従してみたり…。まあ、快活で感情豊かなアディーナと、どこかトロくておバカなネモリーノを表現してみました。

 とりあえず、一通りはできました。相手が妻なら、一通りできたところから、何度も練習を重ねて、さらに演技をブラッシュアップしていくのですが、相手がNさんだと、そうも何度も練習をするわけにはいきませんので、今回のこれで完成。後は本番にご期待。という事にしました。

 本番の発表会まで、まだ一ヶ月もあるので、動きを忘れてしまわないか心配です(汗)。

 歌の練習は、本番まで、たぶん後1回あります。ピアノ合わせ(動き無し)が1回。当日の打ち合わせの時に、ピアノと動きの確認があって、それで本番…という流れになるかな? はは、こうして数えてみると、本番まで、そんなに合わせる時間ってないね。こうしてみると、夫婦で一緒に歌うと言うのは、練習も打ち合わせも、その気になればいくらでもできるので、色々と恵まれているのかもしれません。

 今回の打ち合わせ&練習は2時間もあって、その間、終始しゃべりっぱなしの歌いっぱなしだったので、私は最初の90分は、堂々と手を抜いて歌いました。具体的には、声を張らずに流して歌い、ところどころ1オクターブ下を歌うという、あくまでも動きの確認を中心とし、歌は添え物という感じでやりましたが、Nさんは、歌にも演技にも手を抜かず、最初っから最後まで全力でぶつかってました。

 2時間、ずっと歌っていられるというのは、すごいなあって思いました。本当にオペラを全幕歌うなら、それくらいの歌の体力は必要ですから、当たり前と言えば当たり前の事なんですが、私自身は、とてもそんなに長い時間、歌えません。そんな事をしたら、あっというまに声を使い切ってしまいます。ですから、本気で歌うのは、最後の30分だけで、後は流していたわけです。

 なので、最後の最高音のBも2回しか出さなかった私ですが、妻曰く「全く届いていなかった」そうです(涙)。AsからBへと音が上がるのですが、ほとんど音が上がっていなかった…のだそうです。疲れないように流していたつもりですが、やはり疲れてしまったんでしょうね。そうでなくても、元々Bは無理めの高音ですから…。

 本番では、疲れていない状態をうまくキープして最後のBに臨みたいと思ってます。

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