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人前で演奏する事と、その人の人間性の関連について

 人前で演奏する事、特に良い演奏をするためには、その演奏者の人間性が深く問われると、私は思っています。

 よく言われる「演奏には、演奏者の人柄が反映する」と言うのも事実でしょうが、それ以前に、そもそも人前で演奏するために必要な人間性、備えていなければいけない人間的な資質というものがある、と私は思います。

 例えば、音楽を習っているにも関わらず、発表会出演を強く拒む人っているじゃないですか? まあ、子どもだと、まだ自我意識が十分に育っていないので、そもそもイヤだなと思わないのかもしれないし、少し成長してきて自我が芽生え始めて「発表会、イヤだな」と思っても、クチに出せずに我慢して出演しちゃうのかもしれません。しかし相手がオトナだと、嫌ならテコでも出演しません。前もって「私は発表会に絶対に出ません」と予防線を張る人もいれば、発表会前にお教室をやめちゃう人もいるでしょ? せっかく音楽を学んでいるのに、それを披露する場を拒むなんて…と私は思いますが、嫌なモノはイヤなんでしょうね。

 また、一人で演奏するなんて考えられないけれど、みんなと一緒ならやってもいいかなって考える人もいます。そういう方は、合唱団などに多くいらっしゃいますね。

 プロであれ、アマチュアであれ、演奏活動って、なんだかんだ言っても、自己表現だし、音楽を通して、自分という人間を表現するわけで、やはり自己顕示欲が強くないとできないかなって思います。ある意味、恥知らず…は言い過ぎにせよ、恥をかくことを何とも思わないほどのタフな精神が必要でしょう。多くの人々の視線の前に、我が身をさらさなければいけないわけですからね。

 それに、観客のみんながみんな優しいわけじゃないです。厳しい事も言うだろうし、ケチョンケチョンにしてくれる事もある。(たとえ事実だとしても)心ない事を言われちゃう事だってあるわけです。いや、観客以前に、自分自身で自分を厳しく裁いてしまう事だってあるでしょう。

 以前は、そういうつらい目にあうのは、専らプロの方々ばかりでしたが、最近ではネットが普及したせいで、アマチュアさんですら、厳しい洗礼を受ける事があります。

 また私もそうですが、演奏音源をネットにアップする方がいらっしゃいますが、あれだって、みんながみんな優しいわけじゃないです。まあ、たいていの方は、アップする前に自分でフィルターをかけて、不出来な演奏はアップしないように心がけていると思います。私のように、失敗した演奏でもアップしちゃう人なんては、珍しい存在なんでしょうね(爆)。

 厳しい事を言われて、凹んだり、心が折れたりするようでは、人前で演奏する事はできないし、音源もネットにアップできません。そういう意味では、演奏家に必要なのは、音楽的な技量ばかりではないのかもしれません。強くてタフな心も必要なんだと思います。

 とは言え、アマチュアはどんなに悪評を食らっても失うものなど無いので気楽ですが、プロの場合は、悪評は、即、おまんまの食い上げにつながるわけで、強くてタフなだけではやっていけないと思います。

 やっぱり、プロはすごいね。

 と言う訳で、人前で演奏するには、高い音楽性はもちろんあった方がいいけれど、それよりも強くてタフな心を持っている事の方が重要だし、プロとして生きていくなら、それに+αがないと、やっていけないのではないかと、僣越ながら、私はそう思う訳です。

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コメント

  1. wasabin より:

    すとんさん、おはようございます~

    私近辺では舞台嫌いな方、教室により偏ります。
    オペラ現役歌手の今夏までの「過去」先生は発表会を精々年2回開催;
    それも一回はなんたらフェスタってもので企画にのっかたもの。
    それでも出場者少なかった。

    かたや、K先生は成果披露の場を出来るだけ多く作る派。
    その上、大舞台はゲスト人も旬なNHK新春コンサート出演の有名人なんです。
    そこには舞台好きさん達が聞きつけ、更に集まります。
    中に70台半ば超えで、意欲満々「有名になりたい!」人や、CD出す人と練習に励む生徒も。
    声楽先生は多いので「特化」して、成功している例だと思いますね。

    発表会に至るまでの練習に大きな意義を見い出すので、声楽に関しては発表会は出ます~まあ、さらしものでも仕方ないと思ってますよ(~~);
    声楽は観念してるんです。

    ところが、バレエは・・日が浅いせいか?若手用のもののせいか・・・
    「悟れ」ない (笑)

  2. tetsu より:

    こんばんは。

    > また、一人で演奏するなんて考えられないけれど、みんなと一緒ならやってもいいかなって考える人もいます。

    この意味では、笛吹にとってアマオケはとてもいい環境、というかやってて(止めなくて)よかった場所です。木管のなかでのアンサンブルとか、弦の上にフルートがオブリガートでのっかるときとか、ゾクゾクしてしまいます。自己顕示というよりはハモッている感じの気持ちよさです。木管の中での音程も難しいときは難しいし練習は必要ですが、このハモリの感じはなかなかピアノ伴奏のフルートの曲では得られません。ピアノが平均律だから、とかいうようなレベルではありませんが。

    アマオケはいろいろな人間の集まりなのでいろいろありますし、やめて個人レッスンへマジに通おうかと考えたことは何回もありますが、アマオケでフルート募集しているところはまずないし、今のところ周囲とか指揮者からも特にヤメロという圧力は感じなくてオキラクゴクラクなので、結局やめられません。

    変に話がずれてしまい、失礼しました。

  3. すとん より:

    wasabinさん

     K先生の門下は、うらやましいですなあ。私もステージ大好き人間ですから、そういう門下は良いなあと思います。今度、発表会を見に行っちゃおうかな(笑)。

    >まあ、さらしものでも仕方ないと思ってますよ(~~);

     そうそう、その意気ですよ。さらされて上手になるんです。私だって、あっちこっちで叩かれていますが、叩かれるからこそ、確実に上達していると思います。

    >ところが、バレエは・・日が浅いせいか?若手用のもののせいか…「悟れ」ない (笑)

     まあ、確かにバレエは若者が多いからなあ。だったら社交ダンスの方が…なんて言っても無駄ですね、wasabinさんはバレエがやりたいんですからね。

     問題は、誰のために踊るか?じゃないかな? 『自分のために踊る』と決心できれば、すべてを受け入れられると思いますが…そこは難しいですかね。

  4. すとん より:

    tetsuさん

    >アマオケでフルート募集しているところはまずないし、

     そうですよ、だから今のアマオケは、休団しても退団しちゃあモッタイナイですよ。

     私も自分の実力を度外視すれば、アマオケやりたいですね。ぜひやりたいですね。心のそこからやりたいですね。まあ、実力的に「なに、寝ぼけたこと言ってるんだ」ってわけですが。

     でもきっと、やりたいやりたいと念じていれば、いずれチャンスが巡ってくるだろうと、ノーテンキな事を考えている私です。え、その前に、練習しろよって。そうでしたね(汗)。

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