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たるんだ魚たち

 少し前のニュースになりますが、とある水族館のイワシの群れたちがたるみきっていたそうです。イワシという魚は、普通なら、きれいな群れを作って泳ぎ、害敵がやってくると、それを群れの塊のまま、きれいにかわす、いわゆる“いわしトルネード”をやるものなのですし、その“いわしトルネード”は、大型水槽のある水族館では、注目の演目(?)の一つでもあるのですが、その“とある水族館”ではイワシの群れたちがたるみきってい、本来の害敵であるマグロやらブリやらの大型魚たちイワシの群れに突っ込んでも、きれいなトルネードにならず、なんかフニャフニャでグチャグチャになってしまうのだそうです。それどころか、群れから離れて泳いでいるイワシすらいるそうなんです。

 それくらいに、とある水族館のイワシたちがたるみきっていたそうです。

 まあ、これは、イワシだけが悪いのではなく、本来はイワシの敵役である、マグロやらブリやらにも責任の一端はあるわけで、こやつら大型魚たちが「オレたち、美味しい美味しいエサを毎回もらって、満腹なんだよねえ~。なんか、あそこらで泳いでいる細かい奴らを襲って食べるなんて、なんか、そんな品の悪い事はできないよな~。オレたち、こう見えても、クチが奢っているんだぞ~」とか言ったとか言わないとかで、目の前のイワシの大群を見ても、全然襲わなくなってしまったからなんだそうです。

 ま、大型魚がだれたので、雑魚もだれた…ってところでしょうか?
 
 
 また、別のとある水族館では、イルカがだれているそうなんです。

 イルカという動物(イルカは魚類じゃなくて、哺乳類だよ)は、本来は寝ないのだそうです。生まれてから死ぬまで、寝ることはなく、生きている限り泳ぎ続けている生き物なんだそうです。まあ、厳密に言うと、睡眠をとらない哺乳類はいないので、脳を部分的に順番に休ませて(それが睡眠代わりね)いるのだそうです。つまり、熟睡する事はなく、睡眠時間中は、半分の脳で活動しているというそうなのです。

 ところが、とある水族館のイルカたちは、熟睡するんだそうです。

 本来は、死ぬまで泳ぎ続けているイルカが、なんと水槽の下でゴロンと転がって寝ているんだそうです。いや、まだ床に転がっているぐらいならマシで、中には、腹を上にして、水面に漂いながら寝ているような連中さえいるんだそうです。

 イワシにせよ、イルカにせよ、害敵から襲われない環境だと、こうも見事にダレダレになるんだそうです。ある意味、平和ボケって奴なんでしょうか?

 そう言えば、我が家の金魚たちも、平和ボケで、たるみきった毎日を暮らしています。

 泳ぎ一つにしても、かったるそうにダラダラと泳いでいます。魚なら、ピシっと泳げよ、と言いたいところですが、いつもダラダラと泳いでいます。夜になると、水槽の底に沈んで、時々転がって寝てます。いや~、ダメな連中です。

 金魚たちが本気をちょっとだけ見せるのが、エサの時間ですね。エサをねだる時とか、最初のヒトクチを食べるまでは、なかなか必死になってます。でも、最初のヒトクチを食べると、割と満足してしまうそうで、いつものフニャフニャ金魚に戻ってます。

 だれきった水槽に活を入れるため、とある水族館では、イワシの水槽に野生の黒マグロを入れて、ハンティングをさせるようにしたそうです。食われちゃならぬ、とばかりに、イワシの群れには緊張が走り、以来、きれいな“いわしトルネード”を見せてくれるようになったそうです。

 ウチの金魚水槽にも、なにか野生の天敵でも入れましょうか? そうすると、もう少し、水槽の中もビシってするかもしれませんね。

 じゃあ、何をいれようか(笑)。

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コメント

  1. だりあ より:

    おはようございます。土曜日は金魚水槽のお話と思って訪問しましたら、水槽は水槽でも水族館の大水槽の話題でとても楽しく読ませてせいただきました。実は私は以前水族館オタクをしてまして、あちこちの水族館を訪ね歩いていたときがあります。巨大水槽の前に何時間いても飽きず、退屈しませんでした。イワシの群れの美しいこと。
    スイミーくんはどこかにいるかな~、とキョロキョロ探しましたが、らしいのは見つからず、みんなイワシ色でだれが指令を出しているのかさっぱりわかりませんでした。
    考えてみれば、動きのにぶいイワシも、昼寝するイルカも高ビーなまぐろやぶりも・・・自然から切り離して人間の目前に展示して充分なエサで育てると意識が変わるんでしょうか、危機感も薄れるんでしょうかね・・。
    彼らにとって、狭くてまっすぐ泳げないけど時間がくればエサがもらえる安全な水槽住まいと危険がいっぱいでもどこまでもまっすぐ泳いでいけるけどエサは自分でとらなきゃいけない広い海暮らしと、どっちが幸せなんでしょうかね。

  2. すとん より:

    だりあさん

     水槽の生活と自然の生活の比較って、『生命の保証と安穏な生活は約束されているけれど、自由が制限されている生活』と『何者にもしばられない自由はあるけれど、自分の生命と暮らしは自分一人で支えないといけない生活』のどちらが良いのか? って事と、ほぼ同じなのかな?って気がしました。

     どちらの生活がお好みですか?

     私は、自由も欲しいし、安全で安穏とした生活も欲しいのです。だって、自由がなければ音楽趣味はできないし、安全で安穏な生活がなくても、やっぱり音楽趣味はできないもの。結局、音楽趣味をするためには、自由も安全も安穏な生活も必要ってわけで、そう考えると、私は水槽の魚たちよりもずっと恵まれた生活をしているわけです(って、今更ですね:笑)。

     でもあえて、どちらかを選ぶなら…『安全で安穏とした生活』かな? 確かに自由はなくなって音楽趣味もできなくなるかもしれないけれど、カラダの自由は奪えても心の自由は犯されないものだから、自由はなくても、妄想を友にして生きて行けそうだもの。逆に『自由』を選ぶと…自由は怖いよ、自由しかない生活なんて、野蛮でタフな生活だもの。若い時ならともかく、老年にさしかかった今では、そんな野蛮でタフな生活を生き抜く自信は全くありません。

  3. 游鯉 より:

    すとんさん、おはようございます。

    だれたお魚とピシッと泳ぐ魚の話聞いたら、なんか昔の芸人さんの生涯を思い出しちゃいました。
    昔は劇団の俳優さんや伴奏担当の芸人さんなんかは、実の親に可愛がって育ててもらったわけではなく、養父が劇団主とかで、子どもの頃から何か素晴らしい芸をして養父母の愛情を得るとか、聴衆の関心を得て心の平安を得ていたなんていうところがあったようで…

    もちろん、持って生まれた才能もありますが、それが出来ないと明日から、まともに生活できないから、後世に名を残す大物芸人に育ったって話、結構あったりして。

    確かに、一週間先に失敗できない公演があれば(生活かかってる)、誰でもある程度、弾けるようになるかもしれないですよね。
    もちろん、天賦の才能の問題もありますから、ただノーミスで弾けるのと素晴らしい演奏ができるという差はあるかもしれないですけどね~(笑)

  4. すとん より:

    游鯉さん

     いわゆる“ハングリー精神”って奴に近いのかな? おっしゃる通り、人間だって、恵まれない環境の人間の方が、より真剣に努力して大成するという傾向はあります。『失うものが大きいほど、失敗できない』わけだし、逆に言えば『失うものがなければ、気軽に失敗できるし、何度でもチャレンジできる』わけです。

     これって、プロとアマチュアの違いって奴にも、通じますね。

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