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パステル画展に行きました

 このブログに、ちょくちょくコメントをくださる、わが歌劇団のメンバーでもあるYテノールさんの個展に行って参りました。そう、実はYテノールさんは、ヨーロッパで勉強をされ、国内でも数々の受賞歴をお持ちの、正真正銘のマジな画家さんなんでございます。腰が低くて、物腰が柔らかな方で、歌劇団で気安くお付き合いさせていただいてましたので、そんな立派な方(ほんと、失礼な奴で申し訳ない)とは思いもせず…。まさに『預言者は地元では尊敬されない』のパターンで接してました、ごめんなさい。

山口和男パステル画展

会期 : 2012年6月14日(木)~20日(水)
        12:00~18:00P.M(最終日17:00まで)
会場 : リベストギャラリー創(ホームページはこちら

 ちなみにYテノールさんの、画家としてのホームページはこちらです。パステル画展の方は、会期も残り少なくなってしまいましたが、ご近所にお住まいで、お時間のある方は、ぜひ足をお運びいただけますと、目のご馳走を召し上がる事ができます。ああ、そうそう、美術館などとは違うので、入場料は無料(念のため)ですし、18日(月:あ、今日じゃん)以外は、Yテノールさんは終日会場にいらっしゃるそうなので、制作秘話を聞くなり、芸術談義をするなり、ができます。

 で“パステル画”って何?って人のために、ちょっくら解説。“パステル画”とは、パステルで書いた絵の事です(まんまでごめん)。

 では、その“パステル”とは何か? パステルとは…すごく乱暴に説明しちゃうと『脂の抜けたクレヨン』です。元々、クレヨンってのは、顔料(色の粉の事ね)を蝋(粘着材として使用)に溶かして固めたものなんだけれど、パステルは、その蝋を使わずに、粉をいきなり固めてみたり、ほんのちょっとだけ粘着材を加えて固めてみたりと“固形顔料”って感じの画材です。顔料の比率がうんと高いので、色が鮮やかで発色が良いのが特徴だけれど、画風が粉っぽくなっちゃうのが特徴です。

 ええい、百聞は一見にしかずだ~。“無断転載不可”とは書いてなかったので、リベストギャラリー創さんのトップページに貼ってあった、Yテノールさんの展示作品の画像を貼っちゃいます。

20120614  どうです、これが“パステル画”です。

 今回のパステル画展は、こんな感じの静物画を中心に展示されていました。

 私がYテノールさんの個展に行ったのは、雨のそぼ降る週末の昼下がりでした。私は、決して絵は嫌いではないし、たまに美術館に出かける程度の興味は持ってましたが、いわゆる“個展”に出かけるのは、本当に久しぶりかもしれない。若い時は、何度か個展に足を運んだ事はあったけれと、それって知り合いに誘われて…とか、そういうノリだったので、自分で積極的に出かけたのは、人生初めての出来事だったのかもしれません(笑)。

 実は『パステル…? クレヨンの親戚じゃ~ん』などと、ナメテかかっていた私ですが、申し訳ありませんでした。ナメてかかった私が、愚かでございました。パステル画、半端なく素晴らしかったです。パソコン上の画像で見ても、そのみずみずしさは伝わらないわけではありませんが、現物をこの目で見ると、そりゃあもう、段違いの素晴らしさです。顔を近づけてみると、確かにパステルで書いた事が分かりますが、少し離れてみると、何ともリアルなんです。そのリアルもリアルなリアルとは違って、言葉にしづらい質感とみずみずしさにあふれていて、題材として取り上げたモノ一つ一つに、リアルよりもリアルな存在感が与えられているんです。

 これが“絵画の力”って奴なんだな。

 絵って、もちろん画材(この場合はパステル)で書くものだけれど、あくまでもパステルは道具なんですね。本質的に、絵を成り立たせているのは、画家のセンスとテクニックです。絵を見るって事は、その画家のセンスとテクニックを味わう事…なんだろうと思いました。

 色々と絵が展示してありましたが、今回、私が一番気に入ったのは「ロールパン」の絵です。バターロールが二つ、お皿の上に乗っているだけの絵なんです。でもね、見ているだけで、パンを手にした時のあの感じと、ふわっとした感じと、ほんのりと香るバターの感じが、分かるんです。で「美味しそう…」って思っちゃうんです。いいでしょ。他にも「桃」とか「さくらんぼう」とか「ざくろ」とか、果物系の絵に強く惹かれました。

 結局、食べ物の絵に惹かれる私なんだな(爆)。

 ほんと、残りわずかな会期となってしまいましたが、絵は生で見るべきです。自分の目で、きちんと見るべきです。ですから、お近くでお時間のある方は、ぜひ、足をお運びください。後悔はさせませんよ、きっと…たぶん…おそらく…。

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コメント

  1. Yテノール より:

    その折は雨天の中、ご夫妻で遠路を厭わずお越し下さり有り難うございました〜♪

    いやあ、こちらのサイトで、こんな風に特集記事並に掲載頂けるとは光栄の至りです〜!

    小生、預言者でも大家でもありません、
    折り紙付きでも札付きでもない、不定冠詞付きの単なるえかきですので、どうかお気軽におつき合いの程を〜♪

    えかきとくれば、かならず、あたまに貧乏が尽きます〜笑
    えかきは実に貧乏が似合うのです。えかきくらい、貧乏が様になる職業も珍しいでしょう。
    貧乏でないえかきは、絵にも芝居にも小説にもならないみたいですね。

    「百万本の薔薇」という歌ががありますよね。貧しいえかきが〜って始まりますが、あれも、裕福なえかきじゃ詩にならないでしょうね〜笑

    ということで、今の所、実に絵になるえかきを続けております〜♪

    そうそう、あのロールパンは、そんなオーラが出ているのかも。
    あれ玄人好みの絵みたいですよ。
    気に入って頂き嬉しいです〜♪

  2. すとん より:

    Yテノールさん

     謙遜されますが、パステル画は、本当に素晴らしかったです。私はあんな絵を今まで見たことないかもしれません。心にズドーーンって来ましたもの。

     Yテノールさんは、私の中では、伊藤若冲の次に好きな画家になりました(一番でなくて、ごめん:笑)。

    >貧乏でないえかきは、絵にも芝居にも小説にもならないみたいですね。

     ま、それは否定しません。確かに画家って、おしなべて、経済的には不運な方が多いですよね。『金持ちな絵描き』って…ピカソぐらいしか思いつきません(笑)。

     しかし、あの日以来、私の中で何かが飢えはじめ「ああ、絵を見に行きたい~」ってイライラしています。印刷された画集じゃイヤなんですよ。生の絵を、この目で見つめたいんです。

     しかし、あのロールパンの絵、本当に素晴らしいと思いました。しかし『玄人好み』ですか? 私は別に玄人ではありませんが、あの絵を素晴らしいと思ったのが、私以外にもいらっしゃるのが、うれしいです。だって、私の目がフシアナってわけじゃないって事でしょ(笑)。

  3. 椎茸 より:

    いちご、すばらしいです。
    リアルなだけでないリアルさといいますか、いちごそのものって感じですね!
    ロールパンも見てみたいなと思いました。

    パステル画って、淡い色でほわ~んとしたものが多いのかと勝手に思っていましたが、そうでもないのですね。新しい発見です。

  4. すとん より:

    椎茸さん

     いや、ほんと、「いちご」素晴らしいんですよ。もちろん「いちご」だけでなく、他の絵も素晴らしいんですよ。リアルよりもリアルなんです。写真がこれだけ普及しましたが、写真では写せない世界でも絵なら描けるんですよ。もちろん、そのためには、センスと腕が必要なんですが…。絵って素晴らしいです。

    >ロールパンも見てみたいなと思いました。

     「ロールパン」も素晴らしいですよ。どうすれば、パステルであんな絵が描けるのか、実に不思議です。

     Yテノールさんがネットに上げていないかな…なんて思って探してみたら、なんと、ここにありました。
    http://blogs.dion.ne.jp/kazuo_y_art/upload/detail/image/webE383ADE383BCE383ABE38391E383B3E38081E38391E382B9E38386E383AB-thumbnail2.jpg.html

     ううむ、この画像も悪くないけれど、現物はこの百倍ぐらい“グッ”ときます。でもまあ、ひとまず、クリックしてみそ。

  5. 椎茸 より:

    遅くなりましたが、リンクありがとうございました!
    ロールパンを堪能しました。すごい存在感でしたね。他のお作も素敵でした。
    技術が高いのはもちろんのこと、「ロールパン描いてみよう」と思う感性が素敵なのだと思いました。

  6. すとん より:

    椎茸さん

     お誉めいただき、Yテノールさんに代わって、お礼申し上げます。ありがとうございます。

     そうそう、存在感がすごいんですよ。パソコンで見てもそうですが、現物は、もっともっと存在感がすごいんです。だから、絵は、やはり現物を見ないといけない、って、私思いましたもの。

    >「ロールパン描いてみよう」と思う感性が素敵なのだと思いました。

     ああ、そうか。私はそこには気づきませんでしたが、言われてみれば、そうですよね。作品対象として、ロールパンをチョイスする感性も素晴らしいですよね。うむうむ、納得です。

  7. YOSHIE より:

    実はこのエントリーが挙がった直後にネットギャラリーを拝見していたのですが…(いい時代ですね)
    ギターやヴァイオリン、リコーダー等楽器がモチーフの静物画も素敵だと思いました。
    楽器さん達がそこに居心地良さそうに収まっていて「いいなぁ!」って。
    で、私は赤ちゃんの寝顔の素描がお気に入りになりましたよ。
    絵は人柄が出ますね(歌も楽器演奏も…かな?)
    ………すとんさんもとりあえず一山越えたみたいなのでホッ=3として書き込みに参りました。

  8. すとん より:

    YOSHIEさん

    >………すとんさんもとりあえず一山越えたみたいなのでホッ=3として書き込みに参りました。

     なんか、気をつかわせて申し訳ないです。でも、まあ、ご心配は無用で、私はすでに前を向いて、今度は違う山に登ってます(汗)。人生、山あり谷あり、です。楽しいですよ(笑)。

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