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救急車で運ばれてしまいました

 それはある師走の真ん中の日曜日の夕方のことでした。面倒くさいなあと思いながらも金魚の水替えをしていた時でした。20リットル入りのバケツに水槽から出した水をあふれんばかりに入れて、庭のビワの木の根本まで捨てに行こうとしていた時でした。庭に出ようとしてバケツを持ち替えた瞬間、私の左の腰からバリバリバリと音が聞こえ(たような気がして)、激痛とともにその場に倒れ込んでしまいました。

 たぶん、わけの分からないことを悲鳴と共に叫んだのでしょう。妻が飛んできました。「大丈夫?」「たぶん、大丈夫。痛いだけだから、痛みが治まればOKだと思う」なんてカッコいいことを額に汗しながら言った私。しばらく我が家の廊下で倒れたままになって、静かに呼吸を整えてゆけば、当座の痛みは引いていきました。さあ、と思って起き上がろうとしても、身体が動かない。腕を使って身体を持ち上げようとすると、左半身に激痛が…。

 しばらくして妻が再び「大丈夫?」「動けない」「痛いの?」「かなり痛い。病院で手当てを受ける必要があると思う」「救急車を呼ぼうか?」「それはカッコウ悪いなあ…」「じゃあ、タクシーを呼ぶ」「タクシーが来ても、タクシーまで行けないよ」「じゃあ、どうする」「意識がハッキリしているのに救急車も大げさな気がするが、このままではどうにもできないから、消防署に連絡して、どうしたらいいか相談して欲しい」「分かった」

 というわけで、妻が消防署に相談をすると、すぐさま大きなサイレンを鳴らしながら救急車が我が家に到着しちゃいました。もちろん近所じゃあ、何が起こったんだと、みんな我が家の前に集まってしまいます。そんな中、「主人が腰を…」と近所の人たちに説明する妻。救急車からは3人の救命士さんがやって来て、デブな私をどう運ぼうかと相談。小隊長さんと呼ばれる人の指示で、狭い廊下に倒れているデブな私を二つに分かれる鉄製の担架のような不思議な機材にうまく乗せて、あれよあれよという間に救急車へ。

 生まれて始めて救急車に乗りました。腰の痛みがなければ、興味津々に車内の様子を観察できたでしょうが、そんな余裕はもちろんありません。脈拍やら何やらを計測されているうちに、すぐに病院へ。我が家のそばにはER科のある病院があるので、そこへ運ばれました。その病院はどんな患者さんも受入拒否をしないという方針なので、近隣の救急車はほぼすべてその病院に直行します。私もその例にもれず…というわけです。おかげさまで、ウチの地元では救急車のたらい回しという事は皆無だと聞いてます、ホントありがたいことです。

 救命士さんとお医者さんとでテキパキと引き継ぎをし、幾人もの患者さんたちが外科治療を受けている脇を通って、すぐに奥の処置室に運ばれた私。奥は傷口のない患者さんたちの処置室のようです。私の奥には肺炎の疑いで運ばれた赤ちゃんとその家族がいました。私が入って30分後には、すぐ手前の場所に重篤なインフルエンザで倒れた女性が運ばれ、さらにもうしばらくして、その向こうに点滴をぶらさげた女性が運ばれてきました。耳を澄ませていると20分おきくらいの間隔で救急車が来ているようです。日曜日というのに、病院は戦場のような有り様でした。

 私は…と言うと、部屋に運ばれるやいなや、すぐに主治医がやってきてテキパキと看護婦さんたちに指示を出します。まず傷とマヒのないことを確認し、痛み止めの座薬を投入。念のためのレントゲン撮影。あっと言う間にレントゲン室に運ばれ、技師さんたちが手際よく写真をとる。それが終わると部屋に戻される。その間にも救急車はひっきりなしやって来る。しばらく放置。「ま、重傷な人優先だよね」と妻と軽口をたたきあう。

 やがてお医者さんが「そろそろ座薬が効いてきた頃でしょう」と言いながら、やって来る。レントゲンの結果、骨には異常がありません。筋肉か神経の損傷でしょうが、おそらく状況から考えると腰部の捻挫、つまりぎっくり腰でしょうとの事。一週間ほどたっても痛みが取れないとかマヒが出てきたとなると、神経系の損傷も考えられます。その時はMRIでの検査が必要になりますが、MRIは機械の上で色々と動いてもらわないといけませんが、今はそれもできないでしょう。MRI検査については後で考えることにしましょう。とにかく、まだ痛いだろうけれど、たぶん動けるはずです。動けるなら帰ってもいいですよとの事。

 試す。痛くて動くどころではない(涙涙涙…)。

 では、仙骨神経ブロック注射をしましょうとのことで、外科的治療(と言っても、たかが注射)を受けるために移動。腰痛も痛いが、注射も痛い。なにしろ神経をブロックするために、背骨の中にまで針を刺すんだもんなあ…。神経ブロックを打つ前にその痛みを押さえるための麻酔注射を打つのだが、その麻酔注射の痛みを押さえるために塗り薬の麻酔薬をヌリヌリするという、三段階を経ての注射だもん。どんだけ痛いものか…。

 神経ブロックをしても痛みが治まらなければ、今日は処置室で痛みが引くまで泊まってもらうことになりますとの事。病室は現在いっぱいなので、すぐの入院は無理。空いている部屋は集中治療室しかなく、そこで一泊すると、たぶんノイローゼになるでしょうから(なんとなく理由は想像できます…)、泊まるなら、ここ(ER科の処置室)の方がいいでしょうとのこと。でもね、ここって言っても、肺炎の患者さんとかインフルエンザの人とかと同室でしょ。腰の痛みが無くなっても違う病気になりそう…。

 幸い、神経ブロック注射はなんとか効き、腰のコルセットをはめて立ち上がることができました。立ち上がりさえすれば、なんとか歩けます。入院はこりごりだし、呼吸器系の病気をもらうわけにもいかないので、先生方にお礼を言って帰る事にしました。お土産は痛み止めの薬5日分。通常のぎっくり腰では3日分が相場だそうですが、すとんさんは重傷だからと言って多めにくれました、センキュー。

 本来ならタクシーで帰宅でしょうが、痛みが激しくて、とても座ることはできません。座らないとタクシーには乗れないので、あきらめて妻に手を引かれながら歩いて帰宅です。通常は徒歩10分くらいの距離なのですが、この時はおそらく20分くらいかかったと思います。

 帰りがけに夕食をコンビニで買いました。なにしろドタバタしたので、食事にまで気が回りません。何か無性に食べたくなったので、お汁粉ドリンク・カツ重弁当・唐揚げ・オニギリ2個・あんパン・サラダ…、はっきり言って「ケガをした時にダイエットはありえない」と決心しての購入です。しかし、食べ過ぎだね、週末の体重計測が怖いです。

 なんとか自宅に戻り、立ったままパソコンに向かって「ひとこと」コメントを書いて、書きためた記事を予約する。叫びながら食卓につき食事を済ませ、居間に布団を敷き、わけの分からないことわめきながら、そこに倒れ込む。身動き一つするにも、悲鳴をあげながらしてます。だって、半端なく痛いんだもん。神経ブロックは効いているはずだけれど、何もしなくてもジーンと痛い。動けば激痛。だから、布団に入ったら、身をかがめてじっとしているだけ…。つらい…。

 お医者さんは痛くてもドンドン動けというので、可能な範囲で動くことに。と言っても、布団から出て食卓で食事をするとか、トイレに行く、くらいだけれど。とにかく後はひたすら寝る寝る寝る…。なんかもう寝まくりました。寝て目覚めると、少しだけ痛みが和らいでいくような気がしますので、ひたすら寝ました。

 不思議なもので、具合が悪い時は寝足りるということがないみたいです。身体が自己修復のためにエネルギーを使い、活動が不活発になるのでしょう。ま、元気になれば自然と起きている時間も増え、活動的になるのでしょうから心配にはなりません。

 という理由で、しばらくブログは放置させていただきました(ペコリ)。

 それよりも、今週のキング先生のレッスン(今年最後)は行けるかな? 行っても歌えるかな? 週末のメサイア公演は? ○○の練習(いずれ公表するかも)は? 今もって、予断許さずです、ハイ。

コメント

  1. ムコ殿 より:

    ご無沙汰しています。
    大変なことでしたね。
    でも、なかなか良い?病院が近くにあって不幸中の幸いというべきか・・・・・。
    安静が第一、メサイヤ歌われることお祈りしてます。

  2. すとん より:

    >ムコ殿
    やさしい言葉をありがとうございます。
    メサイアを歌うのは私ではなく、息子君の先輩たちです。もちろん、その公演の前座として息子君たち、下のクラスの子たちがキャロルを数曲歌うことになってます。ま、オヤジとして、息子君たちの舞台であるメサイア公演をぜひとも見に行かねば~ってところなんですが…。会場の椅子が固い(カトリック教会の聖堂なんです)し、超満員で立錐の余地も無いほどなので、腰にトラブルを抱える身としては躊躇してしまうのです。

  3. ムコ殿 より:

    あいかわらず早とちりでで(笑)。。

    確かに少年合唱団とと書いてありますね

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