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歌うテクニックは口伝

 歌うテクニックは、口伝…つまり、口承伝達であり、師匠から弟子へ口伝えで教えていくものだと思います。

 同じ音楽でも、器楽ではシステマチックに構成された教則本があり、基本的な部分は、教則本に従って学んでいけばいいわけで、師匠はいるに越したことはないけれど、いなくても、かなりの部分は自学自習ができるようになっています。

 しかし、歌の世界は、ちょっと違うようです。器楽の世界で用いられているような教則本はありません。あるのは、教則本ではなく教材本であって、その教材を用いて、師匠とともに学んでいくわけで、あくまでも歌の技術的なものは、教材には書かれていなくて、師匠から弟子へ口伝で伝えられるのが大原則なのです。

 これは古今東西、老若男女を問わないし、音楽のジャンルの違いも関係ないようです。歌は、師匠から手取り足取り学ぶものであって、参考書を読んで、自学自習のみで歌がうまくなった人がいるなら、私はお目にかかりたいと思うほどです。おそらくその人は…歌の天才…なんだと思います。

 歌は口伝が基本となる理由は、歌を学ぶためには、まず“声”という楽器を作るところから始まり、その楽器の製作には、師匠と弟子との間で相互にフィードバックをしながら、一品物である“声”という楽器を作っていく必要があるからです。

 そこが、楽器店に行けば、既成の楽器が購入できる器楽とは違うわけです。

 そして、楽器がオリジナルのお手製なら、その操作方法も演奏方法もまた、楽器ごとに違うわけで、そこは器楽のような、画一的でシステマチックな指導などありえないわけです。常に情報の伝達を、師匠と弟子の間でやり取りしていかないといけないわけで、情報の一方通行では、歌は上達しないのです。

 だから今流行りのYouTube動画を参考に歌の勉強をしたとして、それが一方的に教えられるだけなら、どれだけの効果があるだろうか? 私は、そう思うわけです。

 実際の話、私が若い時は、まだYouTubeなんてものはなかったのですが、それでも歌が上手くなりたかった私は、本屋に行って、様々な声楽に関する本を買って勉強しました。

 ギターを学び始めた時は、カルカッシ等の教則本を買って練習したら、それなりに上達したのに、歌に関しては、面白いほど上達しませんでした。いやあ、全然ダメだったのよ。結局、私の歌が少しなりとも上達した時は、必ず、先生についてレッスンを受けていた時だけだったのです。楽器は独学でもある程度は通用したのですが、歌の独学は全く通用しなかったのです。

 ある程度の歌の才能があれば、もしかしたら独学でもそこそこ行けたのかもしれませんが、私の場合は全然ダメでした。

 結局、先生からレッスンを受ける…つまり師匠から口伝えで教えてもらって、ようやく歌は上達したのでした。

 だからこそ、歌うテクニックは口伝で伝わるもの…と思っているわけなのです。

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