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泣きたくなるくらい、自分がふがいない

 ヴァイオリンのレッスンに行ってきました。

 レッスン開始前に、先生と弓の話をしていたのですが、その話の流れで、「これを弾いてご覧」と言って、一本の弓を手渡されました。よく分からないけれど、なんか弾きやすくない、これ? 全然、弓が楽器の上で跳ねないんですけれど…。手渡された弓は、カーボン弓でした(ちなみに最高級品だそうです)。ジャズの人は案外、カーボン弓の使用者が多いのだそうです。なんでも、カーボン弓独特なメリハリのある音がジャズに似合うそうです。カーボン弓って、かなり良い品でも15万円前後でしょ。ヴァイオリンの弓って、上を見るとキリがないですが、カーボン弓にしようと割り切ってしまうと、15万~20万円出すと、かなり良いものが買えるので、なんか気持ちが楽になりますね。この金額なら、お金があれば(笑)、買ってもいいよねえ。

 さて、レッスンです。まずはチューニングから。ピアノのAの音でA線を合わせたら、あとは五度音程で各弦を合わせてみます。まずは自分でやってみます。で、自分で合わせたのを先生に確認してもらって…直してもらいます(汗)。ううむ、チューニング一つ、満足にできないのはなさけないですが、日頃は電子チューナーに頼ってばかりいるのが、こういう結果になるわけだな。とは言え、重音の演奏が満足にできないんだから、仕方ないよねと自分をなぐさめています。

 で、チューニングが終わったら、ボウイングの点検ですが、もちろんダメです。そこで、エアボウイングです。弓を持たずに、各弦をエアボウイングです。この段階で、右腕の使い方を散々チェックされます。何度も繰り返し練習をして、エアボウイングでOKが出たら、ちょっとヴァイオリン体操をやってから、実際に弓を持って、開放弦を弾いてみました。

 開放弦を弾く時の注意は「必ず歌いながら弾く事」です。黙ってヴァイオリンを弾くのは無しなんです。とにかくA線を弾くならAの音を歌いながら弾く。D線の時はDの音を歌いながら弾く。それも正しい音程で歌いながら弾く、これが大切なんです。

 歌わないでヴァイオリンの練習をすると、妙に弾けるけれど、全然、歌心のないプレイヤーになってしまうのだそうです。なので、最初の最初から、歌いながら練習する癖を付ける事が大切なんだそうです。

 この開放弦の練習を一通りやったら、次は先生と並んで、先生の演奏(と言っても開放弦を弾くだけですが)を耳で聞いて、即座にマネる練習をしました。先生は任意のリズムでランダムに開放弦を弾きますから、それを聞いて、すぐに反応するという練習です。

 で、開放弦の練習が一通り終わったら、今度は音当ての練習です。ヴァイオリンは置いて、先生はピアノに向かって、でたらめに任意の鍵盤を叩きます。それを聞いて、即座に歌うという練習。実は私、これ苦手です。だってね、和声の助けもなければ、音階の助けもなく、いきなりポーンと弾いて「これ歌え」ですからね。自慢じゃないけれど、絶対音感もなければ、相対音感だってかなり怪しい私に、それはオーバーワークというものでしょう。それでも白鍵だけならまだしも、黒鍵の音なんて「なに、これ?」って感じで面食らっちゃいますよ。

 と心の中でボヤきながらも、苦労しながら、苦手だけれど、何とかやりました。不十分な結果です。当然、宿題です。家でもたっぷり音当ての練習をして、きちんとできるようにしておいてくださいと言うわけです。ああ、聴音というか、ソルフェというか、、大の苦手なんです。

 で、次は先生がピアノでG、D、A、Eの各音(これ、ヴァイオリンの開放弦と同じ音です)をポーンと弾くので、それをドに見立てて「ド~ミ~」と歌う練習。和声も音階もない中で、これをやるのは、私には苦役です…。何度も何度もくり返して、やっとこ、なんとかクリアできたら、今度は、ヴァイオリンをもって、ド~ミ~と歌いながら弾くんです。つまり「ヴァイオリンを正しく弾くためには、正しく歌える事が前提条件」ってわけで、だからヴァイオリンよりも先に歌の練習をしたわけです。

 各弦でド~ミ~ができるようになったら、今度はそのド~ミ~を音楽的にやってくださいというわけで、ドとミだけを使って、アドリブをカマす練習です。

 ド~ミ~が終わったら、次は同様にド~レ~の練習です。歌ってから、ヴァイオリンです。ド~レ~が終わったら、次はド~ファ~です。これはかなり難しい。先生は「“蛍の光”の出だしがド~ファ~ファファだから、蛍の光を思い浮かべるといいですよ」とナイスなアドヴァイス。しかし、ド~ファ~はかなり難しかったです。で、その次はド~ソ~ですね。当然。

 ド~ソ~は歌の方は四苦八苦しながらクリアしましたが、ヴァイオリンは全然無理。ちなみに、ヴァイオリンではド~ソ~ではなく、ド~レ~ソ~でやりました。先にレを押さえないと、左手が変な動きをしてしまいがちだからだそうです。しかし、ヴァイオリンでソの音程はついに最後まで取れませんでした。うう、情けないです。私はいい年したオッサンですが、さすがにつらかったです。あんまり自分がふがいなくって、もう少しで泣いちゃうところでした。ま、泣いても何の解決にもならないので、泣きませんが…。

 小指、難しすぎます! 本来のレッスン時間は60分なのですが、小指で右往左往してしまったので、ふと気がつくと90分もレッスンをしてもらった事になります。小指を含めて、今日やったことはすべて宿題になります。ああ、つらかった。

 そうそう、左手は音程だけでなく、指の立て方も注意を受けました。しっかり各指を立てて弾くように言われました。「左手はヴァイオリン手にしてください」と言って、そのヴァイオリン手を見せてくれました。ラジャーです。分かりました。

 今日のレッスンで分かった私の癖。なんと、歌は音程がぶら下がり気味なんですが、ヴァイオリンは逆に音程がうわずる傾向があります。なので、歌とヴァイオリンの合わないこと、おびただしいですわ(笑)。

 そして、ヴァイオリンの音程がうわずる理由は、どうやら、手の大きさに問題がありそうです。つまり、私、ヴァイオリンには、ちょっと手が大きいみたいです。なので、考えもせずにヴァイオリンを弾いちゃうと、みんな音程が広めになってしまうんですね。困ったことです。

 実は今回のレッスンは、笛先生が途中から見学にいらっしゃった(驚:たまたま同じ建物の別の場所で演奏していたそうです)ので、レッスンの後は、笛先生とヒイロ先生のスペシャルライブが行われました。笛先生がピアノで、ヒイロ先生がヴァイオリンの組み合わせで、三曲もやってくれました。ジャズヴァイオリン、カッコよすぎです。

 先生方がやったので、私にも何かやれという事で、ううむと悩んで、歌詞はうろ覚えだったのだけれど「オー・ソレ・ミオ」を歌いました。やっぱり、歌詞はボロボロだった上に、音程はきちんと届きませんでした。ヒイロ先生に「いつでもどこでも歌えるように、レパートリーを用意しておくのは大切な事だよ」と言われました。確かにそうですね。聞いている人が楽しめるポピュラーな曲で、余裕をもってちゃんと歌える曲を数曲、暗譜しておく事は大切ですね。…今思えば、なぜ私は「オー・ソレ・ミオ」をチョイスしたんだろ。「千の風になって」とか「サンタ・ルチア」とかにすれば良かったのに…って、やっぱりちゃんと暗譜していないからダメか。

 いつでも歌えるように、「千の風になって」と「サンタ・ルチア」はきちんと暗譜しておくか…。

 とにかく、今の練習が一段落ついたら(つくのだろうか?)、ヴァイオリンも、いよいよ曲に入るそうです。ただし、曲の練習では…なんと、譜面は使わないそうです。「曲は耳で覚えるように」だそうです。耳で覚えて、ヴァイオリンで弾く。そんな事が私にできるのだろうか? メロディーはおろか、コードネームすら分からないのよ。正直、かなり無理っぽいですが、それがジャズの世界の常識なら、仕方ないです。下手くそながらチャレンジするしかないでしょうね。今から、ちょっと、ビビってます。

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