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ヴァイオリン初レッスン…左手と命名と買い物と

 こんなに長くレッスン記録を書くつもりはなかったのですが、自分の備忘録として書いていたら…長くなっちゃいました(汗)。しかし、たった一回のレッスンで、実にたくさんの事を習っているんですね。道理でお腹いっぱいになるはずだ…。

 というわけで、まだ、ヴァイオリンの初回レッスンの話の続きです。構え方、右手の練習と来ましたので、次は左手の練習に移りました。

 まずネックをギターのように、ベターと握るのは無しです。ネックと左手の間には、玉子が入るくらいの空間が欲しいそうです。そうでないと、指の運動性が確保できないそうです。まあ、ヴァイオリンはギターほど張力があるわけではないので、それほど力を入れなくても、きちんと弦は押さえられますから、なるべく左手はネックから浮かせるようにしたいです。また、同様に、親指は基本的にネックに添えている程度で良いそうです。決して親指に力を入れて弦を押さえようとしてはいけません。つまり、何事も脱力が肝心ってわけです。

 左手の練習として、まず最初にやるべき練習は、1の指(開放弦から長二度)、2の指(長三度)、3の指(完全四度)、4の指(完全五度)の位置をしっかり覚える事です。他の音から類推するのではなく、いきなりその音が出せるように、指の絶対的な位置を覚えるのです。と言うのも、ジャズでは音階以外の音も多用するので、音階に頼っていては(つまり、相対音感的な音程の捕らえ方では)演奏できないからです。なので、この各指の位置をしっかり覚えることは宿題となりました。また、同時にしばらくは音階練習はしてはいけない事になりました。

 この練習の具体的なやり方は、まず、E線の開放弦を弾き、その後、いきなりE線の1の指(Fisですね)を押さえます。これを数回繰り返したら、A線に移動して、A線の開放弦と1の指で同じような事を繰り返します。そして、弦を変えながら、1の指の位置を一つずつ確認して覚えていきます。弦が変わると、左腕のヒジの入り方が変わるので、そういうところも意識しながらやります。

 各弦の1の指が終わったら、2の指、3の指と変えて行います。ただし、4の指の練習の時だけは、開放弦 -> 1の指(押さえたまま)-> 4の指、の順番で行う事を言われました。これは4の指の時に、左手が動いてしまう事を防ぐためだそうです。

 まずはこれが左手の基本です。この音の位置を指が徹底的に覚えるまで繰り返すのだそうです。

 さらにこの後、デイリートレーニングの方法を教えてくださろうとしたのですが、この段階でレッスン時間は1時間半を越えてしまったので、今回はひとまず、これで終了となりました。
 
 
 レッスン後は、ティータイムです。コーヒーを飲みながら、色々な話をしました。

 そこで、先生に改めて、ヴァイオリンの長期貸出しをお願いしましたところ、快く了承くださいました。「ゆっくりと、たくさんのヴァイオリンを試奏して、すとんさんのパートナーを探してください」と言われました。なので、もう少し、このヴァイオリンと付き合うことにしました。

 さて、この借りているヴァイオリンなんですが、まだしばらく私の手元にいる事になったので、さすがに名前を付けないと、色々と支障があるので、名前を付ける事にしました。それは…スズキ君です(笑)。はい、味も素っ気もない命名ですが、まあ、借り物ですから、愛着がなるべく移らないように、名前もわざとよそよそしいものにしてみました。スズキ君です、よろしくお願いします。

 で、練習後は、そのスズキ君の調整を先生にしていただきました。駒とペグの状態を改めて確認してもらいました。

 先生がスズキ君を演奏すると、実によく鳴りますね。とても、10万円以下の楽器とは思えない、なかなか立派な音がします。その音色を称して、先生は「本当に、このヴァイオリンは“赤い”音がしますね」とおっしゃいました。ああ、音色を色彩で例えるのもアリですね。たしかに、スズキ君は赤い音がします。私は赤い音が好きなのかもしれません。(ちなみに、スズキ君はレッドヴァイオリンではありません。琥珀色のヴァイオリンです、念のため)

 最初は私の使っている、KUNのオリジナル肩当てで弾いてくださったのですが、途中でご自身の肩当て(メーカー不明、紐でしばる布製の袋タイプの肩当て)に変えたら、ヴァイオリンの音がコロっと変わってしまいました。透明感のある派手めの音から、しっとりとした地味でオツな音になってしまいました。まるで別の楽器のようです。

 肩当て一つで、ヴァイオリンの音って、劇的に変わるんですね。なんか、一生懸命、ヴァイオリンの試奏を繰り返しているのが、一瞬、馬鹿らしく感じました。肩当て一つで、これだけ音が変わるなら、楽器なんて、どれ買っても同じじゃん(って、わけないですね。暴論でした)。

 先生がおっしゃるには、自分でチューニングをするようになると、E線はおもしろいように切れるから、予備が数本必要なのと、弦の張り替えごとに、スズキ君のペグには、たっぷりとチョークを塗ってあげた方がよいので、自分用のチョークを持っているとよいでしょうと言うことなので、 レッスン帰りに、E線の予備を三本ほどと、ペグチョークを買いに行く事にしました。

 ついでと言ってはなんですが、スズキ君が現在入っているケースは昔のものですから、背負えるタイプありませんし、肩当てが入りませんし、木製らしいので、ちょっと重かったりします。車で移動する人なら、大した問題ではないでしょうが、徒歩や電車バスを利用する私には、ちょっとした問題です。

 なので、先生に「ケースを新調します」宣言をしましたところ、行きつけの楽器店を教えていただきました。東京のお店なので、ちょっと遠いので、次の休みの時に電話一本入れて、試奏も兼ねて、そこにうかがってケースを買う事にしました。

 さて、レッスン帰りに、楽器屋に寄り道をしました。そしたら、なんと“弦楽器フェア”の真っ最中で、店内がヴァイオリンだらけでした。おまけに、弦楽器関係のモノが何でもかんでもが大安売り。

 たまたま見かけたヴァイオリンケースが激安でした。四角だし、軽いし、外ポケットは付いているし、背負えるし、肩当てが入るし、備品ポケットも大きいし、色も複数揃っているし…。ああ「ケースは東京に行って買います」と先生に宣言したばかりなのに…心が動く動く動く。

 試しに、そのケースを出してもらって、スズキ君を入れてみたら、あつらえた様にピッタリサイズ。(製作は中国だけど)日本メーカー製品だし、カラーバリエーションも私の好きな緑色があるし、こういう出会いも何かの縁と言うことで、衝動買い決定(笑)。E線三本と、チョークと雑誌「サラサーテ」と一緒に買っても、二万円でお釣りが来て、そのお釣りで晩御飯の材料が買えちゃうくらいに、安かったのです。おまけにポイントもたくさん付いたし(ホクホク)。いいの? こんなに安くって!って感じです。元々廉価なケースですが、それをこんなに値引きしたら、利益ないんじゃないの?

 ちなみに、これだけ廉価なので、ケースを開けると、濃厚な中国の香り(分かるかな? お線香を炊き込めたような臭いね)がします。スズキ君にも、お線香の香りが移っちゃうかな? まあ、それもまた良しって感じだね。

コメント

  1. Cecilia より:

    濃厚な中国の香り、わかります~~!!
    私のヴァイオリンは何年もその香りでした。
    今はもうしないですね。
    ただ、安物のケース、どうにかしたいですね。
    新品の時は一応ぴかぴかでしたが、年月が経って表に貼ってあるものがはがれかけたりカビじゃないけれどカビっぽくなっているところがあって、持ち歩くのはちょっと恥ずかしいです。
    堂々と持ち歩けるかっこいいケースが欲しい!(予定はあまりないけれど)
    でもケースにお金をかけるのならそれよりヴァイオリンにまわしたいし・・・。
    ちなみに買った当時付属品に松脂もあったのですが、小さな木の枠(弓サイズの幅)に入った松脂で、見たこともないものでした。
    これも中国っぽいと思いました。

    ヴァイオリンの弦、結構高いですよね。
    部活ではどんどん交換していましたが・・・。

    これからもレッスン記録、楽しみにしています。

  2. 河童 より:

    濃厚な充実したレッスンですね~。
    演奏の姿勢はカッコよくなきゃあ・・・ってとこから、すとんさんにぴったしです。
    思うに、中国製のざらついた音も気に入る可能性有りですね。
    理由は、ジャジーな音色に必要でしょう。あまりに澄んだ音色では合わないと思いますので。肩当てで音色を調整しつつハスキーボイスを残す・・・・って感じです。

  3. すとん より:

    >Ceciliaさん

     濃厚な中国の香り…分かる人がいてよかった。あれはおそらく、中国流のサービスなんだろうと思います。私はあの香り、決して嫌いじゃないです。中華街に行くと(ってか、華僑の友人がいるもんで…)、雑貨店とか土産物屋とか、およそ食べ物を扱わない店は、ほとんどあの香りが、デフォルトでしますね。いったい、あの香りは何の香りなんでしょ? きっと何かの香木の香りなんでしょうが…。

     ヴァイオリンのケースは…安くないですね。私が買ったのはたまたま激安品でした。普通は小型ケースである三角形のケースで2万円から、大きめな長方形のケースで3万5000円からというのが相場ですから(もちろん、上を見たらキリがない)。ただし、ネット通販だともう少しお安いのもあるみたいですが…通販ではちょっと心配ですよね。

     「問題はケースの外観だけ、それに目をつぶればまだまだ使える」というのなら、ケースカバーを購入するという選択肢もあります。これだと、ケースそのものにすっぽりかぶせて使うので、外観隠しには十分だし、背中に背負うこともできます。取り扱っている店はあまりないみたいですが、相場では1万5000円くらいからあるみたいですよ。

     実はケースを買いますって宣言した時に、先生からは「ケースカバーを買えばいいんじゃない」って薦められたんですよ。そっちの方が安いから。でも、肩当てを入れたかったので、四角のケースが欲しかったんです。ま、結局、ケースカバーとほぼ同額で四角ケースが買えちゃったのでラッキーでした。

    >ヴァイオリンの弦、結構高いですよね。

     ピンキリですね。楽器+ケース+弓で8000円なんて激安セットもありますが、あそこに付属している弓なんて(もしも)単品で買ったら、おいくらなんでしょうね。1000円くらい? ほんと、お値段なんて無いんでしょうね。かと言えば、正気の沙汰とは思えない値段のついたバブリーな弓もあります。

     多少高価でも(自分にとって)いい弓を手になじませて使うのが良いんでしょうね。Ceciliaさんのように弾ける方は、お店に行って、試奏して選ぶしかないでしょうね。それがたとえ、おいくらであっても(笑)。

  4. すとん より:

    >河童さん

     音楽の演奏って、結局、人前でやるんですから、カッコいいが一番なんですよ。

     ヴァイオリンを習う目的の一つとして、私は「老後の手すさび程度に楽しく弾けたらいいなあ」程度なんですが、先生の方は「ステージ演奏が自由に楽しくできるようにする」という目標を設定していらっしゃいます。もろちん“ステージ演奏”ってクラシックのそれではなく、ジャズ系のそれなんですが、だからこそ“カッコいい”が大切なんですね。カッコよくないと、人前に立てませんから(笑)。

    >中国製のざらついた音も気に入る可能性有りですね。

     好き嫌いで言えば、ザラっとした音は嫌いなんですが、必要不必要で言えば、そういう音も必要なんですよ。結局、私にとってベストな楽器って、おそらく“美しい音色”の楽器ではなく“多彩な音色”の楽器なんだろうと思います。美音も出れば、下品な音も出せる楽器。つまり、ツンデレ&じゃじゃ馬系の楽器でしょうね。そういう点では、あまり高価な楽器では(キレイな音しか出ないので)かえってダメなんだろうと思ってます。

     考えてみれば、フルートだって、しっかり“ツンデレ&じゃじゃ馬系”の楽器を使ってましたね、私。

  5. Cecilia より:

    >ヴァイオリンの弦、結構高いですよね。

    ”弓”じゃなくて”弦”ですよ~。(笑)
    もちろん弓も高いですが、”弦”が高い。
    頻繁に切りたくないですが、変えたばかりなのに調弦の最中に切れたらもう泣くしかないですよ~としみったれた主婦の私は思います。
    ・・・って今はあまり練習してないので頻繁に変えてないですけれど。

    中国の香り・・・扇や置物に使っている白檀とか中華料理に使う八角も中国っぽいですよね。
    何とも言えない甘い感じ?

  6. すとん より:

    >Ceciliaさん

     ウッカリしてました、こりゃ、失礼。

     そうそう、ヴァイオリンの弦って、高いです。なんであんなに高いんでしょうね。ギターなんて6本も入っているのに、セットで買っても2000円前後でしょう。なのにヴァイオリンは4本しかないのに、1万円前後しますからね。

     弦なんて、どこで買っても一緒なので、ネット通販でまとめ買いとか、腐るわけでもないので、近所でセールをしている時に買い置きしておくとか、自衛策をこうじないと、やってられませんね。

     今週は、ヴァイオリンネタを三つもアップしてしまったので、打ち止めにしますが、実は弦をネタにした記事をこれから書きます。たぶん来週あたりにアップできると思います。

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