いやあ、本当に今更なことですが、一つ分かったことがあります。
それは、音曲げをせずに、単なる棒吹きの状態で、フルートへ入れる息の勢い(たぶんスピードが関係していると思う)を変えると、実に簡単に音程が変わることです。いやあ、ほんと、今さらの発見で申し訳ないです。
具体的に書くと、強い勢いでフルートに息を吹き込むと、音程が上がり、弱く吹き込むと音程が下がるんです(爆)。
なので、考えなしにフルートを吹いていると、吹き始めは[瞬間的に]音程が高くなり、息が足りなくなってくると段々と音程が下がるのも、この理屈で考えると分かります。また、fを出そうとして、息をたくさん入れると音程がうわずり、pを出そうとして息を弱くすると音程が下がるのも、これで説明ができます。
実はなぜ今まで、こんな事に気付かなかったかと言うと、息の勢いが変わっても、音程が変わらないように耳で聞いて、音を曲げて、無意識で調整していたからでしょう。それが最近、ピッチ問題もあって、割とチューナーを付けっぱなしにして練習することが多くなったので、ようやく、こんな事に気付いた次第です。
馬鹿ですねー、鈍感ですねー、アホ丸だしですねー。
話は飛びます。
常に音がうわずり傾向で、たくさん頭部管を抜かないと音が合わなかった私は、先日来、フルートの組み立て方をメーカー奨励の組み立て方(かなり内向き)にしました。ピッチ合わせは、以前よりはだいぶ楽になったとはいうものの、それでもまだまだピッチがうわずることがあります。
メーカー推奨の組み立て方で、メーカー推奨の頭部感の抜き具合で、それでもピッチが高めというのは、メーカー推奨(というよりも、メーカー想定、かな)の息よりも、強い息をフルートに吹き込んでいるからなんだろうなあと思いました。つまり、私の場合は、もっともっと、息の勢いを殺して、フルートのピッチをメーカー想定の標準ピッチにもっていかないといけません。つまり、もっと省エネ奏法でフルートを吹かなきゃいけないんです。
頭部管の抜く量と内向き外向きは、おそらく相関関係があると思います。フルートを内向きにすると音程が低くなるので、頭部管をたくさん抜いたのと同じ効果がある。外向きにすると音程が高くなるので、頭部管をちょっとしか抜かなかったのと同じ効果がある。
なので、内向きを推奨しているアルタスの場合、おそらく設計段階から内向き奏法用にフルートが作られているのだと思います。なので、アルタスフルートを外向きにセッティングして演奏するなら、頭部管をたくさん抜かなければいけなくなります。頭部管をたくさん抜く事で、歌口と胴部管のキーとの関係が多少なりとも狂ってくるというわけですから、よりたくさん、奏者側での音程コントロール(音曲げ)が必要になってくると思われます。
事実、アルタスフルートでは、普通に吹くと音程が高くなってしまい、音程そのものが悪くなってしまう事は、メーカー自身も認めている事です。なので「ウチのフルートはフレンチ奏法(内向き奏法という意味だと思われます)で吹いてください」とアルタス関係者の発言があっちこっちで見られるわけです。
同様に、通常設計のフルートを内向きにセッティングすると、頭部管の抜き量が減ってしまうので、これもまた頭部管と胴部管のキーとの関係が狂ってきます。さらに、こちらの場合は、頭部管を目一杯差し込んでもピッチが合わないという場合もあるので、そうなると頭部管を切断する必要が生じてきます。なので、通常のフルートを内向きにセッティングすることは、薦められないのだと思います。
閑話休題
なぜ音曲げをする時に、フルートを回してみたり、アゴを出したり引っ込めたり、上クチビルを伸ばしたり縮めたりするのかと言うと、 それは、口とフルートの距離や息を吹き込む角度を変えるためですね。これは一見、息の勢いと関係ありそうで、実は別問題。口とフルートの距離を縮めると、息の勢いは強くなるけれど、音程は下がる。口とフルートの距離を遠ざけると、息は弱まるけれど、音程は上がる。不思議。
もしかすると、息を吹き込む勢いよりも、息を吹き込む角度の方が、ピッチに対する影響力が多いのかもしれないけれど…この問題については、今後の研究にゆだねたいと思います。
とにかく、息の勢いと、息の角度。どうやら、この二つをうまくコントロールして、フルートは、音程と音量の調整をしていくみたいです。
今更、こんなつまらないことに気付いて、申し訳ないです。
コメント
> とにかく、息の勢いと、息の角度。どうやら、この二つをうまくコントロールして、フルートは、音程と音量の調整をしていくみたいです。
1.たぶん、客観的にその技術を習得するために「教室」で教えてもらうのだと思います
2.芸術的な表現の方法も・・
一人で学ぶのは「独りよがり」「進歩の度合いが遅い」タメ、が理由で「先生・師匠」に効率よく教わるのではないでしょうか
>ととさん
んーと、“自分一人でアレコレするのではなく、先生についているのだから、さっさと先生に教われば良い”という主旨でしょうか?
笛先生は型にはめようとはしない先生なので、色々とやり方があるのなら、それらを自分でチョイスして最善のものを見つけていきなさいというタイプの先生です。つまり、生徒自らの試行錯誤を、ある程度前提としています。先生のところに持っていく前に、自分でアレコレやってみて、それを先生が聞いて判断をして、もっと突き詰めていくべきか、あるいは今すぐ止めた方が良いのかを判断されます。
フルートのテクニックに限らず、物を学ぶというには、順番があり、時期があると思います。先生は先生で色々とお考えになって、教えてくださいます。私が先生からアンブシュアについて教わったのは、門を叩いてから1年後、それでも「本当はまだ早いのだけれど…」という言葉を添えた上で教わりました。アンブシュアなんて、教則本の最初のページに書いてあるのにね。
何が言いたいのかと言うと、先生について教わるにしても、ただ受動的に与えられるがままに学んでいくやり方と、みずから動いて試してそれを軌道修正してもらいながら学ぶやり方があるんじゃないかって事。で、私の場合は、後者なんです。だから、ドンドン自分で考えて、自分で動いて、自分で試して…そういう点では独学と一緒なんですよ。でも、違うのは、必ず先生のチェックが随時入る事。間違ったらすぐに軌道修正がかかること。一つの課題に対して、こちらが思いもつかなかったアプローチの仕方を教えていただけること。これらが独学との大きな違いです。
「独りよがり」にはなりづらいですが、「進歩の度合いは遅い」のだろうと思います。なにしろ、自分で動かないと全然進みませんから。試行錯誤をくり返しているので「効率よく教わる」とはかなり違う感じです。
先生と生徒の関係には、色々とあると思いますが、私のところは、そんな感じなので、まずは自分でアレコレ試行錯誤していく事が大切なんですよ。
日記にもかいているとおり、うちの先生はひたすら「脱力」「自然」派。頭部管はかなり内向き。唇は歌口にかかってもOK。脱力・自然で吹くと、必然的に息にスピードはでない。そのかわり、鈴が「りーん」と鳴るがごとく、笛が鳴り出します。そのかわり、少しでも息が強いと音が壊れます。
理屈もいっぱい考えた。でもよくわからない。だって見えないんだもの・・・
もっとも、うちの先生はセッティングこそこのへんと指示しますが、笛の傾きも唇への当て方も細かいことは言わず、感覚で探せという感じです。ただし、息の出し方だけはうるさい。楽器の傾きありき、ではなく、呼吸ありき。その出し方で鳴らない位置は間違っている、ということのようです。
自分もろくにできてないですが、なにか参考になれば。
すとんさんのコメントへのレス
ストンさんが、おっしゃってるとおりで好いのだと思います それが、教えていただいていることの最大の優位点じゃないでしょうか ひとりだと、方向修正するにも、自分で気が付かないといけない
好い先生についてるのだと、おもいます 進むべき方向を示してもらい、方法は生徒が考える(^^) それは、自分自身で考えないと「なぜ」という理由に気が付かないからです
笛を手にしてから半年くらい経ちますが、気に入る音を出す練習しかしてません 日によって音も違ってますTT むずかしいです。。
>かのんさん
ウチの先生も「脱力」「自然」派ですが、頭部管は基本的に外向きです。それが最近の流行だそうで、現在一線で活躍しているフルーティストの大半が外向きなので、先生もその潮流に逆らわないでいるようです。でも、私に関しては「内向きでもいいですよ」とおっしゃってくださってます。ただし“キレイな音を出す”という条件付きですが(笑)。
あと、クチビルが歌口かかったらNG、とも言います。これは厳しいですよ。
息は本当に少なくていいと言いますし、私に向かっては「息、多すぎ」とよくおっしゃいます。息が多いと、それだけで音がガサツに聞こえます(涙)。先生は本当に少しの量の息を、ジャストポイントに吹き込みますから、リーンと上品にフルートが鳴り出します。まさに鈴のような音です。
まさに、あの息の加減が難しいんだな…。
フルートは、音を出す、という事から奥深くって、大変だけれど楽しいです。お互い、頑張っていきましょう。
>ととさん
>ひとりだと、方向修正するにも、自分で気が付かないといけない
独学だと、まず、方向修正すべきかどうかに気がつかないでしょう。そこが独学の弱みだと思います。誤った方向に走り出しても、誰も止めてくれないんです。壁にぶつかっても、壁の乗り越え方が分からないのです。私も過去に色々なものを独学で習得しようとして、失敗してきました。なので、今は先生について学ぼうと思ったのです。
>気に入る音を出す練習しかしてません
これね、実は私もやった事があります。しばらく、レッスンが空いた時に、自分なりの音作りと言うのをして、先生の前で披露した事があります。結果は「それはダメ」でした。要するに、フルートって、奏者が自分で聞いている音と、他人が聞く音は違うんだそうです。だから、常に音色に関しては、他人の耳で確認する事が大切なんだそうです。自分の好きな音を出しちゃダメって言われました。
他人の耳と言うと、難しいですが、たまに録音して、録音の音で確認するといいんだと思います。
個人でやるなら、3メートルとか5メートルとか
離れたところにマイク立てて、
ヘッドフォンでリアルタイムに聴く方法もありますよ。
直接聴かずに、ヘッドフォンを通して離れた音を聴くわけです。
スタジオだとすぐにできますが、
普通の練習室だったら、
そこそこ録音特性の良いICレコーダに
「密閉型」や「カナル型」のヘッドフォンをつけて、
録音しながら聴いてみるとよいです。
音質や響いていない音などは、
それで聴きながらできますよ。
(あんまり安物だと音質がダメですけど。)
録音自体はリズム感やら細かいところなど、
リアルタイムでは分かりづらいところのチェックですかね。
楽器って離れたところで聴くと、響きが違いますからね。
レッスンで先生に聴いてもらうのは必要だと思いますよ。
>ひょっとこさん
なるほど、そういう手がありました。録音しちゃうと、リアルタイムではない分、フィードバックが難しいなあと思ってましたが、そういう手を使えば、色々と試すことができて面白いですね。
…問題は、距離だな。そこそこの音質(と私は思っている)のICレコーダーは持っているし、カナル型のヘッドフォンもあるけれど、そのヘッドフォンのコードが(ウォークマン用の)1メートルくらいしかないのが欠点だな。コードの長い密閉型のヘッドフォンはどこにやったかな? でも、ヘッドフォンの延長コードを買ってくればいいだけなんだから、お手軽にできると言えばできる。週末に電気屋に行ってくるかな。
この方法はフルートでも有効だけれど、歌だと、もっと有効だなあ。いい方法を教わりました。ありがとうございます。
経験上、電池よりACアダプター使った方がいいですよ。
ケーブルは5メートルくらいのはあると思います。
機材によってはミニフォーンと
標準フォーン変換プラグがいる場合も。
>ひょっとこさん
ん? 変換プラグと言えば、私、ヴォーカルマイクを数本(もちろん、マイクスタンドも)を持っているよ。これに変換プラグをカマして使えば、もしかすると出費ゼロでいけるかも…。ICレコーダーでなくとも、遊んでいるラジカセとかをアンプ代わりに使ってもいいんだし。色々とチャレンジをしてみて、楽しく練習できる環境が作れるかもしれません。面白いなあ。
ラジカセ、懐かしいですね。
それ、アリです。
モニターとして聴く分には必要ありませんが、
アナログ録音するなら。
カセット、クロムなら新品で手に入りますよ。
実は、カセットデッキがあるので、
この前買ってしまいました。
https://www.maxell-online.com/product.php?p=c3&c1=6&c2=XA5XABXA5XBBXA5XC3XA5XC8XA5XC6XA1XBCXA5XD7&c3=XA1XD6X58L2XA1XD7
同時にICレコーダで録音して
おけばいいだけですけどね。
>ひょっとこさん
さすがに、アナログ録音はしませんよ~。でも、声をかけていただいて感謝です。
クロムテープ…懐かしいなあ。あと、メタルテープなんてのもありましたね。カセットの全盛期は、テープがグレード別に4種類ぐらいあったのを覚えてます。ノーマル、ハイポジション、クローム、メタル…でしたっけ? 私はもっぱらノーマルばかり使っていたので、それらのテープは憧れでした。
ちなみに私の手元にあるラジカセは、ダブルデッキですよ。ダビングボタンが付いてます。懐かしいでしょ。
ピッチ難しいですよね・・・。
私にとっても課題です。
ピアノ相手ならまだしも、吹奏楽となるとなおさら大変ですよ(^^;
それぞれの音程が・・・なので合わないんですよ(TT)
頭部管を抜いたり入れたり、歌口を内向き
にしてみたり・・・しますがなかなか合いません(泣)
永遠の課題のような気がしてます・・・。
持ち替えでピッコロも吹きますが、これがまた尚更大変で・・・。
私の吹き方が悪いのはわかってますが、これほどコントロール不能な楽器は無いなぁ・・とつくづく思います。
フルートですらなかなか合わないのに、ピッコロで合わせるなんて至難の業ですよ。
ピッコロを吹くと、フルートまでおかしくなってしまって(><;
誰か代わって~って言いたくなります(泣)
チューナーに合わせるのも難しいのに、他の楽器に合わせるにはどうしたらいいんでしょうね・・・
やはり永遠の課題になりそうです トホホ
>きっしさん
お気持ち、お察しします。
管であれ、弦であれ、短い楽器のチューニングは難しいです。ほんの数ミリでだいぶ違ってしまうわけで、ほんとに誤差というのが少ないです。
音合わせって、相手がピアノとかチューナーなら、それに合わせればいいのだけれど、楽団だと、右の人に合わせても左の人と合っていなかったら…そりゃあ、泣きが入るのも道理です。
結局は、どこかで妥協するしかないんでしょうね。たとえ、自分の感覚が許せなくても。
合唱だと、どんなにピッチが狂っていても、歌っているうちに、無意識で、音って合ってしまうものなんだけれど、吹奏楽は、楽器という道具が間に介在するがゆえに、無意識で音が合ってしまうという事は…ないんだろうなあ。
結局、一人一人が自分の楽器を体の一部と感じられるほどに一体化すれば、こういう問題も起こらないのでしょうが…そりゃあ無理ってもんなんでしょうね。
…頑張ってください。私は陰から応援してます。
ありがとうございます。
全員が他の音を聴こうと思えばいいんですが そこはやはり意識の違いなんでしょうね・・・。
レベルの違う人達(って私もダメです)が一つの音楽をつくるってほんとに難しいですが、少しでも近づけるように頑張りたいと思います。
すとんさんも、一番はまる場所が見つかるように頑張ってくださいね。
>きっしさん
>全員が他の音を聴こうと思えばいいんですが そこはやはり意識の違いなんでしょうね・・・。
全員が他の音を聴く…アンサンブルの基本ですし、よく言われますが、実際はかなり難しい事なんですね。これが簡単にできる人たちに向かって言うとはないし、これが力説されるような人たちは、実は到底できないという代物だからです。
他の人の演奏が聞けるためには、自分の演奏には余裕が有る事が前提になるからです。だから、意識だけの問題じゃないんです。難しいですね。
>すとんさんも、一番はまる場所が見つかるように頑張ってくださいね。
私はいずれ、アマオケを一つ作るつもりでいますので、そこのメンバーたちと室内楽をして楽しもうかな?って思ってます。いつの話になるか分かりませんが(笑)。
グッドタイミングというか、私も悩んでおりました。
私は長年の癖で内向きに吹いてしまいます。
もうそうやってきたので、内向きのほうが響くようにも感じてきました。
ところが!!
私の場合は逆に内側すぎて、フルートの穴がふさがってしまいそう!というご指摘。
頭部管ももっと外側に、といわれます。
(これは以前も言われていたことなんですが)
それで、必死に外側へ、外側へと意識してやってるんですが、
音がでない、でない、かすれる(涙)。長年の癖は恐るべし。
私は内側で吹き込むほうがなじんでいたんですね。
内側すぎるのも音がくぐもってしまうので、よくないし。
でも、吹いていて楽なのは内向きなのですけど、外にもっていったほうがいいとは
なんとも(汗)(汗)
今、格闘中です。
>かさん
大変ですよね、頭部管の向きを変えるのって。私は…もう内向きに慣れました(きっぱり)。ま、まだ、音色その他が落ち着くまでは多少の時間が必要ですが、私的には、もう頭部管の向きを変え終わったと思ってます。
でも、それは私がまだまだ初級者で、自分のスタイルなどがないから可能だったわけで、それなりの年月、吹いてきた人は、自分のスタイルがありますから、頭部管の向き一つでも変えるのは容易ではないと察します。
でも、一般論で言うと、今のフルートは外向きのスタイルで吹かれるように作られているそうですから、がんばって、外向きに持っていってください。
でも、大変ですよね。