「金魚すくいで金魚がやってきたので、水槽を買ってきたのに、あっと言う間に死んじゃったよ」って話をよく聞きます。だいたいは、生きていても2~3日でしょうね。長くても一週間、短いとその日のうちに天国行きって感じでしょうか。
我が家も、最初に息子君が金魚すくいをして連れてきた子は、2~3日で死にました。息子君はガッカリしてましたが、私はよくもったものだと思ったものでした。ちなみに、我が家の現在の金魚水槽は、この2~3日で全滅した金魚水槽から始まっています。
実は金魚すくいの子をうまく飼うにはポイントがあって、そんなに簡単ではありません。まず今回は、エサやりを中心に、金魚を連れ帰った直後の注意点について述べてみたいと思います。
意外と知られていないのですが、金魚すくいの金魚って、実は空腹なんです。あの子たちは、養殖池から出荷されて、金魚すくいの露店にやってくると、エサはほとんどもらえないそうです。つまり断食状態なんです。
それには訳があって、金魚ってエサをやらなくても、簡単には飢え死にはしないんです。普通に飼われている子は、一週間や十日くらいはエサをやらなくても死にません。もちろん、弱ってきますが、弱ってきた子は、動作が不活発になり、金魚すくいですくわれますので、いなくなります。金魚の数がほどよく減ってきたら、また元気な子を入れればよいわけで、だから人間はエサをあげずに済むと言うか、あげない方が都合が良いのです。
それに金魚はエサを与えると、ご存じのとおり、すぐに多量のフンをします。お祭りの金魚すくいの屋台の水槽が、フンまみれでは困るでしょう。それもあって、金魚たちは断食の絶食状態なんです。
なので、そういう空腹な子が家に来た場合は、少なくとも丸一日は環境に馴れさせるため、そのまま絶食を続けて、環境の変化を乗り切らせ、落ち着いてきたところで、ほんの少量のエサを与えます。ほんの少量とは、金魚のクチで、一口二口です。それで十分です。断食をしていた人間が断食明けに食べるのは、ほんの少量のおかゆでしょ。それと一緒です。最初のエサは、そんなものです。
最初はそんなものとして、では、その後の通常のエサやりとして、エサの分量はどれくらいあげるのか…。金魚を飼った事のない人は、これを間違えて金魚を死なせてしまいますので、注意してください。
金魚は変温動物です。体温維持にエネルギーを使いません。さらに加えてあの小さな体です。エサはごくごく少量で十分です。目安としては、最初、エサは一日に一回、一回の分量は2~3分程度で食べきれる分量から始めてください。できれば、エサをやる人間を決めるといいですね。注意点は、食べさせすぎない事です。金魚はエサをやりすぎると死にますので、注意してください。
金魚には胃袋がないそうです。ですから、彼らには満腹という感覚がないそうで、エサはあればいくらでも食べてしまいます。欲しがるから言って、エサを多量に与えると、消化不良で死にます。でも、エサが少なすぎると、いつまでも成長しません。ですから、最初のうちこそは、一日一回の2~3分で食べきれる分量のエサで良いのですが、やがては金魚を観察して、適切な分量を適切な回数に分けて与えるようにしてください。
ちなみに、ウチは一日二回で、一回の分量はフリーズドライ系のエサを備え付けのスプーンで一杯分と、色揚げ用のえさを二つまみ。これを金魚の様子を見ながら、少しずつ与えて、最初に与えた分を食べ終わったら、次の分を追加して…の繰り返しで、だいたい30分前後の時間を使ってエサを与えています。エサの分量が多いのは、ウチの子たちが巨大だから(笑)。これでエサを減らすと、あっと言う間に水槽内のお友達たちを食べ尽くしまうからです。
あと、エサをやった後は、かならず二時間ほどは寝かせません(って、別に電灯を消さないだけですが)。これも消化不良を避けるためです。金魚はエサを食べると、割とすぐにフンをします。なので、一通り脱糞して、落ち着いてから寝かせるようにしてます。
あと、金魚がエサを食べ残すと、水が汚れて病気が発生するので、金魚がエサを食べ残さないようにするのもポイントですよ。
コメント
そうですか~。
金魚すくいの金魚がすぐに死んでしまう原因が、エサのやり過ぎだとは…。
金魚のことをよく知らない私には「目からウロコ」です。
だいたい、大きくなるまで錦鯉を金魚だと思っていたくらいですから(笑)
よく見ればヒゲがあるのにねえ…。
まあ、金魚すくいの金魚中に錦鯉の稚魚がいるとは思いませんけど。金魚屋さんもいい加減ですこと。
>たかさん
いえいえ、金魚すくいの金魚がすぐに死んじゃうのは、エサだけが原因ではありません。ほかにも原因となることはありますが、それはまた次の機会に書きます。一度にたくさん書いても、読むのが大変でしょ。
でも、エサは大切な問題なんですよ。金魚に限らず、ペットとか家畜って、消化不良で死んだり、重体になったりするんです。特に金魚は胃袋がなくて満腹中枢が弱いらしいので、特に食べ過ぎに注意してやらないといけないそうです。
とは言え、熱心にエサをねだる姿を見ていると、かわいくなって、ついついエサをやりたくなってしまうんですよね。そこが落とし穴なんです。
今日の金魚のお話、とってもおもしろかったー。楽しく読ませていただきました、ありがとうございました。金魚飼育って、奥が深いんですねえ。
フルートでアップアップしているので金魚の気持ちがよくわかりますわ。
>ダリアさん
まあ、金魚に限らず、ペットを飼う、命を育むというのは、やっぱり難しいと思います。特に、我々人間から種族が離れれば離れるほど、私たちの常識が通用しなくなるので、難しいと思います。金魚は魚類ですからね、我々とは“脊椎動物である”程度の共通点はありませんから、色々と常識が通じなくて、飼育が難しいと思います。
もっとも、脊椎動物ですらない、昆虫とか甲殻類とかをペットにしている人から見れば、まだまだ飼育もやさしい方かもしれませんが(笑)。
来週も似たような話(金魚の飼い始めの注意)をするつもりですので、お楽しみに。