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選曲する時に考えること

 声楽のレッスンで何を歌うか? 発表会で何を歌うか? 選曲をする時に、私はあれこれ考えます。
 レッスンで歌う曲を決める時は、だいたい以下の事に注意しています。
1)今の実力で8割方歌える程度の曲を選ぶ
 つまり、全部がきちんと歌えそうな曲は選ばないって事です。8割方、つまり大半は今の実力でも何とか歌えそうな、ちょっと無理めの曲を選びます。あと少し、背伸びをすれば歌えきれそうな曲が良いのです。この2割が努力目標になるわけで、これが案外、難しい。2割難しいという目論見で選曲したにも関わらず、その2割がめっちゃ難しくて扱いきれなかったりとか…いやあ、大抵のオペラアリアは、見た目は簡単そうでも、歌っていみると、私には難しすぎて、たとえ2割だけが難しくても、その2割がウルトラ難度の難しさだったりして、ほんと、手に負えなかったりするんです。
 だから、その2割に全力投球をするわけです。その、もうちょっとの、あと少しの背伸びが、人を成長させるのですよ。たぶん。きっと(笑)。
2)比較的短めの曲を選ぶ。せいぜい6ページ程度まで
 レッスンでは、何度か返しながら教えていただくわけで、長い曲だとどうしても返せる回数に限界があるわけで、そういう意味でもレッスンに持っていく曲は短い方が良いわけです。これは学習効率の話です。
3)メリスマのある曲はパス
 私の実力ではメリスマは無理。もっと発声が上手になってから取り組みましょう。なので、自動的にバロック~モーツァルト時代の曲はパスになります。残念。
 こんな感じでレッスン用の曲を選曲して持っていきますが、私が選んだ曲だけでは十分なレッスンにはならないわけで、そのために最近ではコンコーネも合わせて学んでいるわけですね。うん。
 次に発表会の時の選曲について書きます。
1)ほぼほぼ歌えそうな曲を選ぶ
 以前は発表会とレッスンとの選曲基準の区別をしていなかった私ですが、やはり自分の技量を高めるためのレッスンと、出来上がったモノを披露する発表会では、おのずと選曲基準が異なってくるのだと、最近は思うようになりました。ですから、発表会向けの選曲では、ほぼほぼ歌える曲を選び、それをきちんと仕上げて磨き上げて練り上げて…で、発表会に持っていきます。ですから、選曲の対象としては、現時点でほぼほぼ歌える曲が良いのです。そこから磨き上げていくわけですからね。
2)前菜とメインディッシュの2皿用意する
 つまり、声慣らしの楽めの曲を1つと、メインとなる大曲を1つ用意します。発表会ですもの、失敗せずに歌える曲と、やりがいのある曲の2種類は欲しいよね。
3)声に合わせた選曲をする
 レッスンの時は、あえて自分の声に合わない曲であっても、取り上げます。勉強のためです。しかし発表会は発表の場であるわけですから、やはり自分の声との相性もしっかり考えます。
4)二重唱も選曲する
 私達は発表会で、必ずと言って良いほど二重唱を歌いますので、二重唱も用意します。この選曲がいつもいつも悩みの種です。世の中に二重唱は星の数ほどありますが、どれもこれも難しい(涙)。私が歌えそうな二重唱って、あんまり無いんだよね。
 それにしても、キング先生時代は、選曲は先生の仕事で、私は次々に与えられる曲をただ歌っていれば良いだけだったので楽だったなあ。自分で選曲をするという事は、その選曲に責任を持つという事だし、何を学ぶべきなのか意識を持っていないといけないわけで、そういう意味では、自分で選曲をしている今の方が、ずっと歌に前向きに関わっているのだと思います。

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