カスミは、もしかすると、かわいそうな金魚なのかもしれない。
本来、金魚界は女社会で、金魚のほとんどは雌。本来的に雌に居心地のよい世界のはずなのに、なぜか我が家は男社会な水槽。若くて健康な女の子は、カスミだけ。だから今年の春は盛りのついた男、アカネ君に追いかけまくられて、産卵しっぱなし。カスミは体は大きいのですが、現在、お腹はスカスカで中身入ってません。ありったけの卵を放出させられてしまったのでしょうね。春の終わり頃には、水槽の隅っこでアカネにおびえる、すっかり「男ぎらいな女の子」になってしまいました。
水槽の隅っこに、いつもいて、大きな体を小さくして、身を隠している。エサの時間になってもアカネ君が怖くて、エサも食べにいけない、そんな日々でした。見ていて、かなりかわいそうでした。
アカネ君が星になって、怖い子がいなくなってからは、多少性格も明るくなり、他の金魚たちとも一緒に泳ぐようになったものの、基本的にニートというか、やはり一人で水槽の隅にいるのが落ち着くような性格になってしまいました。でも、エサは真っ先に食らいつくようになりました。
いやあ、今まで本当にアカネ君が苦手だったんだねえ、カスミさん。
そんな安心な日々を過ごしていましたが、腹部や口のまわりにポツポツと赤い斑点が見られるようになりました。内出血です。原因は分かりませんが、あまりいい状況ではありません。カミキリ君も星になって、病院水槽も空いたので、先日入院しました。
普通、金魚って入院すると怒るものです。イライラするものです。不機嫌になるものです。ところがカスミは生き生きしてます。なにやら楽しげです。活発になるし、人間とも積極的に関わろうとします。一匹になって、本当に楽そうです。食欲も旺盛です。
水槽の中の、大部屋暮らしがストレスになるタイプなのかな?
一週間も塩水につけておいたら、さすがに内出血もだいぶおさまりました。退院は近いゾと思っていたら、左尾びれに大怪我です。尾びれの中ほどが折れました。原因は、はしゃぎすぎ。私がエサの時間をうっかり忘れたため、エサのアピールをして、ちょっとばかり大暴れ(言葉が喋れないので、水音を立てるくらいしか人間の注意を惹きつける術がないわけだ)をして痛めました。
折れたところから、だいぶ出血し、結局、尾びれがちぎれてしまいました。今はちぎれた傷口がきちんと治るのを待っています。金魚の尾びれって、基本的には再生するのだけれど、今回のような折れ方の場合は再生しないんだよね。以前、同じようなケガをサラサ(一年ほど前までいた、水槽の女王様。かわいい子でした)がしたので、経験済みです。
ま、ケガはひどいのですが、本人は生き生きしているのが救いです。しかし、こうやって冷静にこの子の暮らしぶりを観察していると、入院している今が、本当は幸せなのかもしれない。もしかすると、今まで不幸だったの、カスミ? 不幸続きだったの、カスミ? 体のケガが治るまでだけど、それまでしっかり休日を楽しむのだよ、カスミ。
ちなみに、このケガは全治2週間と見ています。
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