さて、連載再開です。
私は“イギリスの筋肉少女帯”がカルチャー・クラブではないかと思っています。いやいや、時間的にも地域的にも“日本のカルチャー・クラブ”が筋肉少女帯というべきなのかもしれませんが…。もちろん、大槻ケンヂ氏はゲイではないと信じております(笑)。
さて、カルチャー・クラブと言うと、彼らの事を知っている皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか? リードヴォーカルのボーイ・ジョージのイメージが強すぎて「オカマのバンド」「なんか得体がしれない」「不気味で気持ち悪い」と思われるかもしれませんし、まあそう思われても仕方がないだろうなあとも思います。
まあ、ボーイ・ジョージは女装家であり、ゲイであるわけで、今風に言えば、マツコ・デラックス氏とかミッツ・マングローブ氏とかと同類なわけです。今なら受け入れられる人種であっても、あの当時は嫌悪されていても仕方なかったと思います。なので女装家のイメージがキワモノ扱いされていたのは、当時も今もちょっぴり残念に思います。
女装家のイメージが強すぎて、それ以外の事に注目されづらいボーイ・ジョージですが、彼は当時先端だったニューロマンティックスの旗手であり、その後の日本のヴィジュアル系の元祖であると言えます。親日家で、ミュージックビデオには日本由来のものが数多く映っていたました。あと何と言っても、ずば抜けた歌唱力はすごいですね。生粋のイギリス人にも関わらず、作るサウンドは、アメリカ黒人っぽいのが不思議でした。
そうそう、音楽を作る…と言えば、ボーイ・ジョージ自身は何の楽器もできず、楽譜の読み書きも出来ないのだそうです。つまり、彼は鼻歌で作曲するタイプの作曲家であり、それであれだけの曲を書いちゃうのですから、やはり天才であると言えるのではないでしょうか。
ちなみにカルチャー・クラブは未だに現役グループであり、昨年新譜を出しています。未だに女装家を続けているようですが、今のビジュアルは髭面であり“ヒゲのオカマ”さんなのは何とも時代に寄り添っているわけです。あと、歌の上手さは変わらないのですが、声が少年声からオッサン声に変わってしまったのは、仕方ないとは言え、ちょっぴり残念かな?
さて音源です。私の大好きな「戦争の歌」です。
内容は単純に「戦争は愚かな行為であり人間も愚かな存在である。戦争反対」というだけのモノ。曲の最後のリフレイン部分では日本語で「戦争反対」とも歌っています(これビデオでは短いですが、CDだと日本語の部分がもっと長いです)
人気絶頂だった彼らがこの曲のリリースと共に人気急落し、やがて音楽シーンから消えていきます。人気急落の原因は、ボーイ・ジョージが逮捕された事が直接の原因だろうけれど、その逮捕だって、この曲のリリースが原因ではないかという噂が当時あったくらいです。日本では信じられませんが、西欧社会では、声高に戦争反対を訴えると、当局に睨まれるのです。ですから、こんな反戦ソングをリリースするというのは、当時としては一大スキャンダルであり、それほど世間を騒がせてしまった曲なのです。消されてしまっても、なんの不思議もありません。
まあ、ボーイ・ジョージは、この後も何度も麻薬関係で逮捕されていますので、この曲のリリースでカルチャー・クラブが消えてしまったというのは、全くの都市伝説だと私は思ってますが(笑)。
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