さて、今年もラ・フォル・ジュルネ音楽祭(以下、LFJと表記)に行ってきましたので、その事をゆるゆると連載していきます。
今年のLFJは、全般的に、低調なのが定着してきたかなって感じです。全盛期と比べると、かなり寂しいですし、あっちこっち「お金かけてないなあ…」って感じがしますが、まあ、こんな感じでしょう。これからも、低調ながらも続けてほしいなあと個人的に願うばかりです。
そんな低調なLFJでしたが、私個人に関しては、結構充実していました。これは意外で、当日の予定を考え終わった時に、今年は予想外に楽しくなりそうだと思ったくらいでした。
実は先行発売される有料プログラムを眺めていた時、例年なら、面白そうな公演を、2日間に渡って、2~4公演のチケットを購入するのですが、今年はたった1つの公演にしか食指が動かなかったんですよ。それは何かと言うと、ディーヴァ・オペラという団体が行う「後宮からの誘拐」でした。つまり、オペラね。LFJでオペラなんて、まあなかなか無いんですよ。どんなオペラになるだろうという期待もあって、それは見に行こうと思いましたが…それ以外は…ねえ…。
ちなみ、この「後宮からの誘拐」は、会期中毎日上演するんですよ。なので、ひとまず中日の二日目の公演を買いました。2日間に渡って行く時は、初日と最終日(三日目)を、1日しか行かない時(滅多にないのですが…)は、だいたい中日(二日目)を買うので、今年もそうしたのです。
なぜ、数多くある公演たちに食指が動かなかったのかと言うと…まずは今回のテーマと選曲の関係性がよく分からないのです。一応、旅がテーマらしいのですが、プログラムを見ると、ほぼゴッタ煮状態です。カオスですよ。どこが旅なんだいって感じで、なんかなあ…って思ってしまうわけです。
気になるミュージシャンたちは、あまりピンとこない演目にばかり出演するし、じゃあ新人発掘をしましょうかと思っても、ピンと来るような演目がないんですよ。作曲家をテーマにしていた頃が懐かしいです。
で、そんなわけで、ちょっとばかりダウンした気分で迫ってくるLFJを待っていたわけです。やがて、周辺プログラムも発表されてきました。毎年期待していたパソナのコンサートが規模縮小してしまうし、今年はどうなってしまうのだろうかとグチりながら、当日の予定を組んでいったのです。そうしたら、結果的にかなり面白そうな予定になったのです。それどころか、当初は、一日しか行くつもりがなかったのに、最終日の無料公演がこれまた面白そうな事に気づき、急遽、二日目と三日目に行くことにしました。連日でLFJに行くなんて、もしかして始めてかもしれません。
そんなわけで、ちょっぴり覚悟を決めて、期待を高まらせて、LFJに向かった私だったのです。
で、当日の話に行きます。まず最初に向かったのは、声楽のコンサートでした。
バロック四重唱
東京交通会館1階ピロティ前コンサート
大田茉里(S)、横瀬まりの(A)、市川泰明(T)、小池優介(Br)、加藤美季(p)
1)バッハ「来たれ、急げ、そして走れ 急げる足よ」~復活祭オラトリオより
2)バッハ「主よ、民を見捨てないでください」~「主なる髪は日なり、盾なり」より
3)バッハ「主よ、人の望みの喜びよ」~「心と口と行いと生き様をもって」より
4)テレマン「ダビデの子にホザンナ」
5)ペルゴレージ「悲しみの聖母」~「スターバト・マーテル」より
6)ヘンデル「暁がよるに忍び込み」~「快活の人、沈思の人、中庸の人」より
7)ヘンデル「ハレルヤ」~「メサイヤ」より
8)ラモー「夜の賛歌」(アンコール)
1)は男声二重唱から始まって、混声四重唱へと変わっていった、自己紹介的な役割の曲でした。バッハには詳しくないので、よく知らない曲でした(残念)。2)はソプラノとバリトンの二重唱。3)は混声四重唱で、割と有名な曲です。出演者は若い人で、声も若いです。女性の若い声はともかく、男性の若い声は少々物足りなさを感じてしまいます。4)はソプラノ、アルト、バリトンの三重唱。5)はソプラノとアルトの二重唱。この曲、大好き。場所が場所なので、電車の音がうるさい。こんなうるさい中で、歌える人も偉いが、聞いている我々もかなり偉いと思いました。ほんと、うるさいのよ。6)はソプラノとテノールの二重唱。珍しい曲だけれど、かなり地味な曲でした。残念。7)は混声四重唱で超有名曲。合唱で聞くもの良いが、声楽アンサンブルで聞くのも、なかなかオツだと思った。実にすっきりした感じになります。最後の8)はアンコールとして歌ったもので、アカペラの曲でした。男声はかなり低い音を歌います。落ち着いた良い感じの曲です。
実は、この日はパソナコンサートがあって、例年なら、最初っからパソナに直行する私ですが、今回はパソナの午前中のコンサートをパスして、こちらのコンサートにやってきました。だって、パソナのコンサートはオーケストラだったんだもの。オケよりも声楽アンサンブルの方が好きな私なのでした。
実は現場到着が予定よりも30分遅れてしまった私ですが、コンサート開始時刻が30分遅れに変更になり(我々はその情報を掴んでいなかった)、ちょうど良い感じになりました。しっかり座ってコンサートを楽しめました。
続きはまた明日。
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