なんか暑い…と思っているウチに、何やら前線なるものが天気図の上で暗躍するようになりました。そろそろ梅雨入りでしょうか? 今年は、いつになく夏が前倒しで迫っているような気がします。
春がちと短かったような気がします…。
声は吹奏楽器
そもそも、声って吹奏楽器なのです。だから、発声的には、フルートやオーボエ、トランペットやサックスやホルンなどとも共通点があると、私は考えます。
吹奏楽器って、基本的に、楽器に吹き込まれる息の量と速度で音程が決まっていきます。そこを間違えてしまうと、狙った音程が出なかったり、思っていたよりも高い音程や低い音程になってしまったりするわけです。
一般的に、吹奏楽器では高音は発音する時は、少ない量の息を素早い速さで吹き込む必要があります。そこは声楽でも同じだと思います。高音を発声したければ、少なめな息(たぶんそれが適切な量の息)をかなり速い速度で吹き込む必要があります。
息が少なく、速度も遅ければ、楽器はそもそも鳴りません。息は多いけれど、速度が遅ければ音程は低いままで高音は出せません。で、息が少なくて、速度が速いと、いい感じで高音が出ます。そして、息が多くて、速度が速ければ、楽器はあっという間に壊れます。
そういうものなのです。で、どれくらいの息の量が適切なのか、どれくらいの息の速さが必要なのかは、試行錯誤を繰り返し、目星を見つけ、そこに向かってカラダを作っていって、会得していくものだと私は思ってます。
YouTube音源を聞いても、声の事なんてほとんど分からないよ
声の分析は、その人のそもそもの持ち声から検討しないといけないので、歌声だけ聞いて声のことを分析してコメントするのは、実は難しいです。
なので私は、YouTube音源を聞いて「これはアクート、これはノド声」と言っている人は、その歌手の普段の持ち声をよく知っている人なのか、あるいは歌声だけでその声の本質が分かるほどの素晴らしく分析的な耳を持っている方(あるいは、持っていると錯覚している方)なのか、そのいずれかだろうと思ってます。
私は、あいにく、それほど優秀な耳を持っていないので、歌声だけで、その人の声うんぬんを語るのは、ちょっとできません。それに私は評論家ではなく(アマチュア)歌手なので、他人の声からあれこれテクニック的な事を学ぶ(盗む?)必要はありますが、他人の歌声の評価判別なんて、興味も関心もありません。そこは声オタクの方に任せたいと思います。
まあ、それ以前に、いわゆる“響き”と呼ばれる声の成分は、録音されないので、そもそもYouTube音源を聞いて、声のことを語るのは、かなり限定された話しかできない事になります。
ファルセットとアクート
そもそも口腔内がさほど広くない人が響きをメインで歌うと、他人からはファルセットで歌っているように聞こえるようです。で、本当にファルセットで歌っているのかどうかというのは、その人の持ち声を聞いてみないと判断できませんが…テノールのうちでも、レッジェーロと呼ばれる声質の方は、かなり声が軽くて、持ち声も少年のような声だったりしますので、普通の音域を歌っていても、ファルセットのように聞こえます(が、おそらくそれはファルセットのように聞こえるだけで、本人的にはファルセットではないんだろうなあって私は思います)。
私のように、本来の持ち声が軽いのに、歌声は重くなっている人は、響きが少ないわけで、私の場合、響きをドンドン増やして歌っていけば、ファルセットでなくても、ファルセットのように聞こえるんじゃないかしら…って思ってます。ですから、なるべく軽い声で歌うために、最近は、歌う時はファルセットの一歩手前の声で歌おうとしています。肝心なのは、ファルセットの一歩手前であって、完全なファルセットにしないってところかな?
ファルセットかそうでないかの違いは、ファルセットでは、その歌手の通常の声の支えや声質とは異なる声が出てくるので、それで分かります。あくまでも、外面的には、通常の声との比較でしか分かりませんが、人によっては、通常の声とファルセットがよく似ているという人もいます(特にソプラノさんね)ので、外面的に判断するのは、良い耳を持っていないと難しいでしょう。
一般的に男性の場合は、通常の声とファルセットは、かなりかけ離れていますので、聞けば誰でもその違いは分かりやすいものですし、うっかりファルセットが出てしまうと「声がひっくり返ってしまった!」と焦ったりします。
しかし男性の中にも女声に近い声帯を持っている人はいます。そもそもの声が高くて軽くて、声帯が弱い系の人だと、通常の声とファルセットがよく似ていて、無自覚にそこを行き来し、ついつい自覚なしにファルセットで歌っているというもいます。ある意味、羨ましい限りです。
また、高音をアクートではなく、ファルセットで歌う歌手は、案外います。それは出来ないから…ではなく、表現的に必要なので、あえてアクートではなくファルセットで歌うというパターンです。
有名な例としては、カラヤン指揮でカルメンのドン・ホセ(テノール役)を歌ったカレーラスです。このオペラには有名なテノールアリアの「花の歌」がありますが、この最高音(Bです)をカレーラスは、とても美しいファルセットで歌っています。カレーラスはアクートで歌える歌手なのですが、そこをわざとファルセットで歌っていますが、そのように指示したのは、指揮者のカラヤンなんだそうです。さすがカラヤン、お耽美な趣味ですこと。
その違いが分かる音源を見つけました。
この画像の5:00過ぎの箇所はファルセットで歌っています。
こちらも同じ曲ですし、3:40過ぎのあたりが上記の音源でファルセットで歌っている箇所と同じ箇所ですが、こちらでは力強い(おそらく)アクートで歌っています。
カレーラスの場合、力強い高音は、たぶんアクートだと思いますが、時折、かなりの高音をアクートではなく、アペルト(響きの少ないノド声寄りの歌声)で歌っちゃう歌手もいるので、高音=アクートとは限らないのですよ。そこが評論家的に難しいところですが、歌手的には「必要な表現ができているなら、声の種類はなんでもいいじゃん」ってところです。実際、オペラでは、ファルセットでもアクートでもアペルトでも、必要で効果的ならば、どんなやり方だってOKのようですし…ね。
今月のお気に入り 「先生と僕」
今月のお気に入りはマンガです(笑)。いわゆる4コママンガです。主人公は、夏目漱石です。
作者さんは、夏目金之助ヲタクなんだそうで、その溢れる愛と知識を駆使したマンガです。お話は割と事実に即しているそうです(マンガ的な脚色はもちろんありますが…)。事実に即している割に、主人公である夏目漱石が実にお茶目なんです。地味なマンガですが、なかなかしっかり書かれていると思います。夏目漱石に興味関心がある人は、すでに既読でしょうが、ざっくり日本の明治の文豪たちに興味があるとか、そんな人でも楽しめる、ちょっとニッチで面白いマンガです。
ちなみに「漱石とはずがたり」というエッセイマンガ風の続編もあります。
今月の金魚
すでに記事に書きましたが、3匹いるはずのドジョウが、どう見ても1匹しかいません。なぜでしょう?
今月のひとこと
いよいよGWですね。私にとっては、お正月以来の大型連休となります。春の年度替わりの時は、休むどころが繁忙期ですからね。で、今回の大型連休ですが、前半はゆっくりしているつもりです。映画を見に行ったり、家で溜まったDVDやビデオやテレビを見て過ごすつもりです。後半は…ラ・フォル・ジュルネですね。今年のLFJは昨年までとあれこれ違っていて、東京ローカルの音楽祭に格下げ?してしまったようです。まあ、私的には楽しければ、それでいいので関係ありませんが…。(2018年4月27~5月1日)
指の腱鞘炎と言うのは、別名“バネ指”と言って、指を曲げると激痛が走るというタイプの病気らしいです。私の場合、指は屈伸には痛みが無く、何もせずとも、指の背がジワーと痛いというタイプです。指を伸ばす方の腱が傷んでいるようです。指を見ていると、指を曲げる腱よりも指を伸ばす腱の方が薄いんだよね。なので、高速で指の屈伸をすると、薄くて弱い側である指を伸ばす腱の方にダメージが出た…ような気がします。ま、一種のスマホ指?なんでしょうね。やっぱ、ボケモンGOをやる時間を減らすのが、一番の治療みたいだな(涙)。(2018年5月1~2日)
アメリカのギブソン社が経営破綻をしてしまいました。一応、不採算部門を切り捨て、楽器の製造は続けるそうですが…ショックです。ギブソンと言えば、フェンダーとともに、世界の二大ギターメーカーなわけで、フルート業界的に言えば、パウエルやヘインズがヤバイ…と言うのと同じかそれ以上の話題です…って、パウエルやヘインズはすでに一周回って中華資本が入っているんだっけ? それはともかく、ギブソンギターと言えば、ロックのギターです。ギブソンの衰退とは、ロックンロールの衰退なわけです。ああ、時代は移り変わっていくんだなあ…。(2018年5月2~11日)
我が国には、自由民主党、立憲民主党、社会民主党、国民民主党と、○○民主党が4つもあります。つまり、自由,立憲,社会,国民の違いがあるようです。それぞれには拠って立つ主義主張の違いが党名に反映されているわけです。自由主義、立憲主義,社会主義、国民主義の違いですが、聞き慣れないのは国民主義ですね。国民主義とは、Nationalismの訳語ですが、このNationalismは、他に、民族主義、国家主義、国粋主義などとも訳されます。国民民主党に集まった先生方の顔ぶれを見ていると、国民主義、民族主義、国家主義、国粋主義…果たしてどこの国の主義なのかしらと思ってしまいます。頑張って、日本のために働いて欲しいと願います。(2018年5月11~22日)
マンガのアニメ化は吉と出る場合と、凶と出る場合がある。私が思うに「ちはやふる」などは吉と出たケースだと思う。実際、アニメは、動きが加わる分、原作のマンガ以上に面白いと思う。で、問題は音楽アニメの場合。「ピアノの森」が現在放送中だが、私には、カイの演奏はもちろんだが、阿字野の演奏も、劇中で誉められているほどに素晴らしいとは思えないんだよね。だから、彼らの演奏シーンになると、アニメそのものがシラケてしまうんです。「この人たち、上手は上手だけれど、天才でもなんでもなく、普通のピアニストさんじゃないの? いくらアニメでも大げさだろ…」って思うわけです。つまり、マンガでは実際の演奏音は聞こえないから、そこは読者が脳内補完をするので、最高の演奏が聞こえるわけだけれど、アニメでは実際の音楽を聞かせてしまうから、それをどう感じるかで、感動もすれば、シラケてもしまうわけです。「ピアノの森」毎週楽しみに見てますが、音楽が鳴ると…ダメなんだよなあ。(2018年5月22~25日)
北朝鮮とアメリカの話し合いが決裂してしまったわけだけれど、これ、ある意味当然の話なんだよね。というのも、アメリカが求めている「北朝鮮の非核化」と北朝鮮が応えようとしている「朝鮮半島の非核化」は、全く違うものだからね。アメリカは北朝鮮から核兵器を取り上げようとして「北朝鮮の非核化」を求めているわけだけれど、北朝鮮(と韓国と中国)が言っている「朝鮮半島の非核化」と言うのは、韓国からの米軍撤退なんだよね。つまり、韓国から米軍を追い出し、その後、韓国を北朝鮮が飲み込み(統一…とか言うのだろうけれど)、その北朝鮮を中国が傀儡化するって話なんだから、そりゃあアメリカが飲むわけないよね。そうなると、中国と日本が直接国境を接する事になるわけだから、日本にとっても対岸の火事じゃない話なんだよね。(2018年5月25~30日)
今月は以上です。よろしくお願いします。
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コメント
こんばんは。
>「ピアノの森」
こちらも見ています。
冒頭のショパンの練習曲op.10-1がどうしても馴染めません。ポリーニの印象(CD聞いただけですが)がキョーレツすぎです。
Pollini plays Chopin Etude Op.10 No.1
https://www.youtube.com/watch?v=nMM6h9Yf348&list=PL7D2B9689AF8360A7
Seong-Jin Choのガラコンとかリサイタルでこの曲は聴けませんでしたが、コンクールのトップはノリが全然違います。
Seong-Jin Cho – Etude in C major Op. 10 No. 1 (first stage)
https://www.youtube.com/watch?v=9E82wwNc7r8
ジジクサイコメントで失礼しました。
tetsuさん
ジジクサクないですよ。やっぱり、誰の中にも、理想とする演奏ってのがあるわけで、それをリアルにしちゃダメだって話なんです。リアルにした途端、物語そのものが安くなってしまうわけです。
アニメを企画した人は、そこを分かっていなかったのか、そもそも音楽が分からないのか…のいずれかでしょうね。まあ、前者である事を望みますが…。だって、音楽の分からない人が作った音楽アニメなんて○○でしかねーもんなー。