時代が変われば、世の中が変わっていきます。商売のやり方も変わり、流行る店潰れる業界が出てきます。
昨今で言えば、ネット通販がドンドン拡大していきます。便利で安いですからね。そのため、宅配業者が繁盛しすぎてアップアップになっています。また、ネット通販が普及したため、町の本屋とレコード屋が軒並み潰れました。まあ、本屋に関して言えば、ネット通販だけでなく、コンビニの雑誌販売にも大きく食われてしまったんだろうと思います。コンビニと言えば、一時期、猛烈な勢いで町の酒屋がコンビニに変わっていき、酒屋が壊滅してしまいました。またパソコン&プリンターの普及によって、町の印刷屋さんも潰れちゃいました。名刺と年賀状印刷、あるいは近所の商店のチラシ印刷など、もはや町の印刷屋の出番じゃないですからね。で、そのパソコン&プリンターも普及し尽くしてしまったようで、以前ほどは売れるわけではないそうです。スマホの普及でカメラ業界もガタガタだと聞くし…20世紀の人間にとっては、慣れ親しんだ社会が音をたてて崩れていくのを見るのは、隔世の感があるわけです。ああ、年寄りになったんだなあって肌身で感じるわけです。
で、そんな時代の流れに飲み込まれ、現在のところ、だいぶヤバイのが百貨店業界なんだそうです。
百貨店と言うと、何でも売っているというイメージがありますが、そもそもは呉服屋さんだった店が多く、今でも百貨店の主力商品は服なんですが、人々は服を百貨店で買わなくなって久しくなったわけです。
だって、百貨店で取り扱っている服って高いもの。普段着は買えないよね。普段着なら、大型スーパー(ダイエーとかイトーヨーカードとかイオンとか…)やユニクロなどの普段着を取り扱うアパレル系の店で購入するなり、スーツでも子ども服でも婦人服でも、安売りの専門店もあるわけで、それらの店に行けば十分なわけです。
どうかすると、よそ行きとか言われる、いわゆる晴れ着だって、そういう店で購入できたりするわけで、なかなかデパートで服を買うなんて、庶民の選択肢から無くなって久しい気がします。
言われてみると、近隣にある地元密着型の百貨店は、だいぶ消えました。かつて百貨店だったビルは、今や単なる貸しビルとなり、大型電気店が入ったり、今時のお店がテナントとして入店しています。また、一度更地になって、百貨店が出来る前の地元のお店らが復活しているところもあります。今も百貨店として残っているのは、大手の全国展開している百貨店の支店ばかりですが、これらの支店とて、決して楽ってわけではないようです。
だろうねえ…。
百貨店が今の人に受けない理由にはいくつかあります。一つは「なんでも売っている」こと。また「良いものがそれなりの値段で売っている」こと。さらには「店舗が広い」こと。私が思うだけでも、3つの理由は簡単に思い浮かびます。
「なんでも売っている」事は、かつては大きなアドヴァンテージだったと思います。デパートに行って買い物すれば、なんでも揃う…事に魅力を感じていた時代もあったと思いますが、今の人の感覚は、それとは違うんだと思います。今や百貨店は「なんでも売っている」のではなく「たくさんの商品はあるけれど、本当に欲しいものがない」状態になっていると思います。
“広くて浅い”ではなく“狭くて深い”のが受けるのが現代なのです。これは商店で言えば、百貨店のように「なんでも売っている」店よりも、取扱商品の幅は狭くても、色々とニッチな商品まで揃えている専門店の方を、現代人は好むわけです。
また百貨店にはバイヤーと呼ばれる、凄腕の目利きの方々が良い品物を選んで取り揃えているわけですが、そのために百貨店の棚に並んでいるものは、品質が良い代わりに、たいてい安くないです。
「良いモノが高いのは当たり前じゃないか」
そりゃあそうですが、我々の日常生活の中で、良いモノって、そんなに必要ないです。我々に必要なのは、生活に間に合うモノであって、必ずしも良いモノではないのです。だって良いモノって、オーバースペックだったりします。そのオーバーな部分にまでお金を払えるかどうかってところが問題なんだと思います。昭和の時代って、人々は夢を持っていましたから、そういう夢の部分も含めて、お金を支払えたと思うのだけれど、現在の人は冷めていて現実的だから、夢にはお金をかけないんだよね。みんな、身の丈を知っているんだよ。だから、オーバースペックなモノって、贅沢すぎて、受けが悪いんです。
百貨店って、たいてい店舗が大きいです。店の中を歩いているだけで疲れちゃます。買い物に行って疲れちゃたんでは本末転倒です。昭和の時代は、百貨店に買い物に行くこと自体が一大イベントだから、疲れたってよかったのだろうけれど、現代の客にとって、店なんて、必要な買い物ができれば十分なわけで、めちゃくちゃ広い必要はありません。むしろ、広い店だと、目当てのモノを見つけるまでにヘトヘトになります。だいたい、ネット通販で出掛けなくても買い物ができる時代に、広い店内を歩き回った日には、二度と行きたくなくなるわけです。
そういうふうに考えていくと、百貨店というシステムは、昭和の時代のシステムであって、今の時代には色々と合っていないわけで、そりゃあ商売が傾いても仕方ないのかもしれません。
でも、百貨店業界にも人が働いているわけで、そう簡単に業界が無くなってしまっても困るわけです。なんとか、生き残らないといけません。デジカメの普及でフィルムがダメになった時に、フィルムメーカーが化粧品や製薬の分野に乗り出したように、百貨店業界も別の業種に転向する必要があるのかもしれません。
まあ、私ごときが思いつくような事は、関係者の方々には、すでに経営コンサルタントの方々からさんざん提案されているだろうけれど、まあ、素人が好き勝手な事を書き散らしていると思って、目こぼししていただくことにします。
百貨店の強みというのは、駅そばの一等地に土地を持っている事…でしょ? じゃあ、その土地に百貨店以外のモノを建てて商売すればいいのよ。で、私が思うに、店舗付きマンションがいいんじゃないの? 駅のすぐそばのマンションって、絶対需要があると思うわけです。ビル全部を店舗にしたりとか、あるいはオフィスビルにするというのもありだけれど、それってどうしても景気に左右されるわけで、商売としては不安がないわけではなりません。そこへ行くと、住宅ってのは、家賃収入としては大した金額ではないかもしれないけれど、駅そばの一等地であれば、恒久的に需要はありつづけると思うわけです。それに低層階を店舗にして貸ビル業をやって、家賃をごっそりいただけば、それはそれで美味しいでしょ? そんな感じでマンション経営をしてみるってのは、いかが! つまり、百貨店から不動産業への転向なんだけれど、決して悪い話じゃないと思うんだよね。立地条件が良いのだから、マンションだって高級タワーマンションにしちゃえばいいわけだしね。そうすれば、その土地土地の金持ち有志たちが入居すると思うんだけれど…いかがかしら?
あと、駅前と言うと、地方都市だとパチンコ屋がブイブイ言わせてます。でも、デパートがあるような大都市の駅前には、案外パチンコ屋がなかったりします。だからと言って、百貨店がパチンコ屋をやるわけには、さすがにいきませんよね(笑)。でも、カジノならどうなんでしょ? 会員制の高級カジノを大都市の駅前でドドーンとやってみる。もちろん、法改正は必要でしょうが、そんなものは業界から圧力かけて何とかしちゃえば良いんじゃないの? 駅前カジノ…悪くないと思うよ。貧乏人はパチンコ、金持ちは会員制高級駅前カジノって棲み分けなんていいんじゃないかと思います。
カジノに抵抗があるなら…ブックメーカーも悪くないんじゃないの? とにかく、年寄りの金持ち相手の博打は、これからの成長産業だと私は思うんだよね。そこに手を出さないなんて、ありえないんじゃないかな…なんて私は思うわけです。
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コメント
現代型百貨店が、いわゆるショッピングモールなのかなと思います。
デパートの存在意義は、いまだとでデパ地下でしょうか。
インバウンドが百貨店の生き残りなんて言われていましたが、それも大分下火になりましたね~。
まぁ、ユニクロとか量販店の服はいくら安くてもキライという人は、まだ存在するでしょう。万人受けしなくても、たとえ少数だとしても、そんな人が頻繁に来店する店舗を目指せばよいのです。
23区の周辺都市は、本当にマンションが増えています。通りが暗くなるから本当にイヤな感じです。一等地までそうなるのは御免ですね。
郊外のイオンなんかは、ウォーキングコースとして活用するという手もあります。同じだけ歩くなら、自宅近くの物騒な公園を散歩するくらいなら、百貨店でウィンドーショッピングの方がマシですね。
個人的には、お泊り禁止の高級なネットカフェかノマドワークができるカフェなんかあると嬉しいです。
椎茸さん
なるほど、確かにショッピングモールが現代の百貨店…と言うのは正しい認識かもしれません。私は、昨今流行りの大型カメラ店あたりが21世紀型のデパートかなって思ってましたが、それよりもショッピングモールの方が“百貨”店っぽいですね。
>デパートの存在意義は、いまだとでデパ地下でしょうか。
財布のカタい現代人でも“消え物にならお金を掛ける”という事なんでしょうね。確かに消え物なら、うっかり高級品を買っても、数日で消えてなくなってしまうから「ああ、買い物、失敗したなあ…」といつまでも悩まずに済みますからね。成功パターンだと思えば、また買いに行けばいいわけだし…。そういう店ではデパ地下ってのは、気軽にお金が使えるわけですが…そこに存在意義を託されちゃうデパートというビジネスモデルも…大丈夫なのかな?って思うわけです。
ドロシーさん
中国人の爆買ってヤツですね。下火になったとは言え、銀座を歩くと、まだまだ中国人の買い物客で溢れています。彼らは、我々や他の外国人の方々とは身のこなしが違うんで、一発で分かるんですよね。
>通りが暗くなるから本当にイヤな感じです。一等地までそうなるのは御免ですね。
確かにマンションが林立すると、そうなりますね。ですから、せめて路面店ぐらいは残ってくれたら嬉しいなあと思います。
>郊外のイオンなんかは、ウォーキングコースとして活用するという手もあります。
いやいやいやいや、郊外のイオンは人が多すぎて、まともに歩けませんって。イオンを始め、ショッピングモールなんかも、人が多すぎるので、私はたいていイライラしながら歩いてます。マイペースでゆるゆる歩けたらいいのですが、商業地区ではそうもいきません。でも、おっしゃるとおり、最近の公園には物騒なところ多いのも確かです。
私が子どもの頃は「日本は、水と安全がタダ」と言われていましたが、昨今は、水も安全もタダではないみたいですね。これが社会のグローバル化ってヤツなんでしょうね(溜息)。
>お泊り禁止の高級なネットカフェかノマドワークができるカフェ
ネットカフェとか名乗った時点でアウトな気がします。私が若かった時は、ルノアールとか滝沢を利用していましたが、最近は見かけなくなりましたが、今でもあるのかな? ああいう、人口密度が低くて、静かで落ち着いた喫茶店って、ホテルのラウンジは別として、最近は見かけないですね。
>郊外のイオンは人が多すぎて、まともに歩けませんって。
そうですか?自宅の近くのイオンはガラガラです。「商店街の脅威」なんて呼ばれていましたが、テナント自体は儲かっていなくて、イオンは賃料で儲けているのではないかと思われています。
>ネットカフェとか名乗った時点でアウトな気がします。
名前を変えたら、ぐ~んとイメージアップするような似たような業態はあるでしょう。演出次第ではエリートビジネスマンか個人事業主が使うようなのはあります。
「自習室」「ワーキングラウンジ」とか・・・
喫茶店だと近くにうるさいグループがいることが多いし、長居するとお店の迷惑になるようなので、そうでない時間貸しの空間が貴重です。
ドロシーさん
なるほど。地域差がだいぶあるみたいですね。それにしても、ガラガラなイオンってあるんですね…と思ってググってみたら、結構な数の“ガラガラなイオン”ってあるんですね。勉強になりました。
>演出次第ではエリートビジネスマンか個人事業主が使うようなのはあります。
自由業の人が大勢いる街だと、打ち合わせなどに使えるような店もあるでしょうね。ただ、これも地域差があって、ウチの近所なんかだと、昔売れた芸能人の方々(失礼な書き方でごめん!)が鄙びたレストランとか喫茶店とかで、その手の打ち合わせをしているのをたまに見かけます。そういう意味では、隠れ家的な喫茶店の需要って、それなりにあるみたいです。
こんばんは。
> 百貨店の生き残る道はどこにあるのか?
内閣府 地域の経済2016-人口減少問題の克服-
http://www5.cao.go.jp/j-j/cr/cr16/chr16_index-pdf.html
から
http://www5.cao.go.jp/j-j/cr/cr16/pdf/chr16_2-3.pdf
直接読むとわかりにくくて紹介は
http://blogs.itmedia.co.jp/business20/2016/08/post_1764.html
将来人口を前提にした場合に立地が厳しくなるサービス別自治体数(3大都市圏を除く)では、2040 年にサービスの存在確率が50%未満になる市町村数では、サービス別にみると、百貨店は3割、大学、有料老人ホーム、ハンバーガー店は2割を超える市町村で施設・店舗がなくなる可能性があると予測しています。
なくなるのは百貨店だけではなさそうです。
都市銀行も支店・人員の削減を公表しましたし。
この国の官僚は優秀です。資料だけはきっちりまとまっています。
tetsuさん
人口減少は国力減少なわけで、国力が減少すると、我々の生活もアレコレ不便になってくるわけです。それでも都会はまだスケールメリットが残っているだろうから、何とか生活水準も維持できるだろうけれど、地方の方から、ドンドン生活が崩れてくるんだろうと思います。
>百貨店は3割、大学、有料老人ホーム、ハンバーガー店は2割を超える市町村で施設・店舗がなくなる可能性があると予測しています。
全国的にまんべんなく少しずつ無くなるのではなく、地方の店舗がごっそり無くなって、全体で3割減とか2割減になるんだろうなあ…。地方、キツイなあ…。