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乾燥と戦う(フルート編)

 寒くなってきましたね。寒くなってくると、湿度が高くなりづらく、どうしても空気は乾燥しがちです。空気が乾燥すると、我々のカラダの表面から水分が抜けやすくなります。つまり“お肌が乾燥する”ってヤツです。まあ、単にお肌が乾燥するだけなら、別にそんなに大きな問題ではありませんが、我々笛吹きにとって大問題となるのは、クチビルが乾いてガサガサになる事です。

 クチビルが乾いてガサガサになると、なんかフルートが吹きづらくなります。フルートの音も、ちょっとガサつくような気がします。ガサガサも程度がひどくなると、やがてクチビルが切れてしまいます。クチビルが切れると…痛いですよね。まあ、クチビルが切れても痛いだけで演奏には支障はないそうです。H先生は以前、演奏中にうっかりクチビルが切れてしまい、クチから血をダラダラ流しながら、流血状態で演奏をしたと言ってました(あんまり想像したくないですね)。

 私などはハートが弱いので、クチビルが切れたらフルートを吹くのを止めてしまうだろうし、回復するまでは演奏しないと思います。はい、チキン野郎なんです。

 なので、冬の間は、なるべくクチビルを切らないように気をつけています。

 うっかりやりがちなのは「クチビルを舐めてしまう」ことです。これ、その場の一瞬なら問題ないのですが、本当に乾燥している時に、うっかりクチビルを舐めてしまうと、すぐにクチビルが乾燥してしまい、むしろ舐める前よりもひどい状態になりかねません。それを防ぐには、乾く前に再度舐めるわけですが、そんなにクチビルばかり舐めているわけにはいきませんから、早晩、クチビルが乾き切り、やがて切れてしまうわけです。

 痛いです。

 そこで簡単な防御策が、リップクリームです。リップクリーム自体は、ドラッグストアでもコンビニでも百均でも変えるので便利です。ポケットに入れておくのは当然として、私が常駐するような場所には常に備えておきますし、外出用のカバンの中にも入れておきます。ですから、私は常時10本以上のリップクリームを用意しまくっているわけです。

 リップクリームの主成分はワセリンです。ワセリンは石油から精製して作られる鉱物油の一種で、ゆっくりと経皮吸収されます。硬めの油ですから、クチビルに塗ると、クチビルの表面に皮膜を作り、その皮膜がクチビルを乾燥から守り、クチビルの表面を滑らかにするわけです。

 ただ、硬めで吸収される速度も遅いため、どうしてもべたつくわけで、それが気になる人には気になるでしょうね。リップクリームを塗ってフルートを吹けば、当然、フルートにもリップクリームは付きます。ただ、銀にワセリンを塗ったからと言って、何か銀に悪影響があるのかと言えば、ないわけですから、そんなに気にすることもないのかもしれません。

 ただ、ワセリンは鉱物油ですから、アレルギー体質の人だとアレルギーが出てしまう事がないわけではありません。まあ、それほど過敏なアレルギー体質の人は、金属アレルギーも持っているだろうから、ワセリンを塗る以前に、フルートに触ること自体が厳しいかもしれません(ニッケルは結構アレルギーが出ますし、金銀だってアレルギー皆無って訳にはいきません)が…。

 ひとまず私は、リップクリームで毎年乗り切っています。ま、一時しのぎなんですが…。

 根本的な解決を図るなら、例え乾燥しきった冬季であっても、常にクチビルプルンプルンが理想ですが、これはなかなか難しいですね。油とタンパク質をたっぷり取る食生活をすれば可能かもしれませんが、それはなかなか難しいです。

 スキンケアという観点から見れば、馬油を塗るという方法があります。馬油は、読んで字のごとく“馬の油”であって、馬の皮下脂肪から作った動物性油脂であります。ちゃんと精製されて作られた馬油は、馬臭くもなく使いやすいです。同じ哺乳類の油ですから、経皮吸収の速度は速く、塗ればすぐに染み込んでしまいます。なので、ワセリンのように、皮膚の表面に皮膜を作る効果はあまり期待できません。だいたい、経皮吸収以前に油が柔らかいので、皮膜を作るには適さない油です。とにかく、塗ればすぐに吸収されて無くなってしまいます。でも、無くなったら塗って、無くなったら塗ってを繰り返せば、やがてクチビルが油でプルンプルンになる…はずです(試したことは無いので断言できませんが、たぶんそうなります)。スキンケアという観点から考えると、こちらの方が正しいやり方のような気がします。

 問題は、馬油はリップクリームやワセリンと違って高価な事…かな。あと、入手もそんなに簡単じゃないです。少なくとも百均やコンビニじゃ売ってません。ドラッグストアでも在庫がある店と無い店に分かれるでしょうね。

 馬油を確実に入手するなら、ネット通販が一番確実かもしれません。


 

 まあ、乾燥を免れる一番良い方法は、十分に潤っている部屋から一歩も出ない事ですが…そりゃあなかなか無理だよなあ(笑)。

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コメント

  1. tetsu より:

    こんばんは。

    > 乾燥と戦う
    > クチビルを舐めてしまう

    今は毎朝水で顔を洗ったときに顔が突っ張ってくるようになってくると乳液を顔に塗りたくっています。唇もそのときに重なるので十分です。
    レッスン通ってた頃はアンブシュアというか唇をメチャ意識していて頻繁に「クチビルを舐めて」いてリップクリームを1本/年マジ使っていました。舐めたところで状況は何も変わらないとおもうようになるのにかなり時間がかかりました。
    アヒル口でプルプルなる程度の口角の締め具合でプッと息を出したとき小さな穴ができればおそらくベストとおもっています。
    こちらはもともと中心に穴が空かなくてしかも吹きすぎると左右両方から破裂してしまいわかりすぎていても未だに治りません。
    某プロオケ笛吹きの方が吹いた歌口の息の跡がメチャきれいな逆三角形になっていたのは技術的な面で忘れられません。

  2. すとん より:

    tetsuさん

     乳液か…、確かにその手はアリだね。もっとも、私は顔が乾くという経験がないので、乳液を使おうという発想そのものがなかったんだけれど…ね。

     でも、ちょっとググってみたら、化粧水やら乳液やら美容液やらって、なんかあれこれ塗りたくるのって…面倒じゃない? それとも女性のような化粧はしないから、乳液オンリーでも良いのかしらね?

     いっぞ、べビーオイルを塗るってものアリなんじゃないの? あれ、無香料だし、安全だし…。でも、やった事ないので、あくまでも推測なんだけれど…。

  3. tetsu より:

    > 乳液

    乳液は詳しくなくて今まで使っていたのと違うことだけはわかるくらいですがたまたま近所にあった次を使っています。「乳液」とあればどれもほぼ同じです。https://www.amazon.co.jp/%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-DE-LUXE-24124-%E3%81%97%E3%81%A3%E3%81%A8%E3%82%8A%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97/dp/B007QR5FC8/ref=sr_1_1?s=beauty&ie=UTF8&qid=1511185030&sr=1-1&keywords=%E4%B9%B3%E6%B6%B2%E3%80%80%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%80%80%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%86

    こちらは日焼けに弱いので以前は夏にカーマインローションを塗りたくっていました。

  4. すとん より:

    tetsuさん

     ああ、私はこの分野は、どうやら弱点みたいです。ちっとも分からん。なんか、化粧水とか乳液とかって、色々な種類があるんですね。どうにも、コスメの分野は、ちんぷんかんぷんです。でも、必要になれば、きっと学ぶんだろうけれど…。

     乾燥と戦うにしても、リップクリームよりも良い方法が、コスメの世界にはありそうな気がしてきました(でも不案内だから、全然分からんのよ)。

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