「あなたの趣味はなんですか?」と尋ねられたら、なんと答えますか?
もちろん、尋ねた人や団体、問いが発せられた場所や状況などを考え合わせて、なんか正直に答えるのって、躊躇しませんか? だって…趣味って、思いっきりプライペートな事じゃないですか? それをなぜ、見知らぬ人、あるいは見知っている人に、正直に答えないといけないのでしょうか?
別に悪事を働いているつもりはないけれど“勤労は美徳である”という価値観がまだまだ優勢な我が国において、趣味三昧なプライバシーを公表する事は、ちびっと背徳な香りがしないでもないのです。
違いますか?
なので、多くの人は「あなたの趣味はなんですか?」と尋ねられると「読書です」「音楽鑑賞です」「旅行です」「食べ歩きです」などと言った、当たり障りのない趣味を答えるのだ思います(ほんとうにこれらが趣味の皆さん、ごめんなさい)。
実際私も「趣味はなんですか?」と尋ねられた時、ちょっと警戒しつつ「音楽鑑賞」って書く事多いです。実際、クラシック音楽、ボピュラー音楽問わず、毎日、浴びるほど音楽を聞いて生活していますから、嘘じゃないし、音楽関係の話題を振られても、大抵答えられるし…まあ、大きく間違った答えではないと思います。
あと、運動系の趣味を答えないといけないなあ…と空気を読んだ時は「昔、柔道をやっていました」とか「最近は散歩が趣味です」とか答えます。決して「ボケモンGOが大好きです」なんて言わないよ(きっぱり)。
相手がロハスな人(もはや死語だな)なら「金魚を飼ってますよ」って言うかも。
でも、せいぜいここまでだね。よほどの事がないかぎり、声楽の事とか、フルートの事とか、ブログの事とか、社交ダンスの事とか、アニメの事とか、ポケGOの事などは言いません。言わないから、ブログに書いているんだとも言えますが…。とにかく、まずクチに出す事はないです。
よほど親しい人だったり、安心安全な相手であると「実はフルートをたしなみます」と答えるかもしれません。ポイントは“フルートをたしなむ”のであって“フルートを吹きます”とは言わない事。だって、フルートを吹けると公言できるほどの腕前なんて、私、持っていないもの! あと「フルートを吹く」=“吹奏楽が好き/やっていた”と誤解されることが多いので、そのあたりにも気をつけて話をするようにします。
あくまでもフルートは“たしなんでいる”だけで吹いてはいないし、吹奏楽とも無縁なんです…というポジションを取ります。でも、そんな事をいちいち説明するのも面倒だし、吹奏楽命な人だと、敵性人とみなされることもあるので、だったら最初っからフルートを持ち出さない方が懸命なんだな。
相手が歌好きな人なら「昔々、ちょっとだけ合唱をやってましたが…だいぶ前に止めてしまい、今はもうすっかりです、へへへ」なんて答えるかもしれません。でも、今現在、独唱をバリバリ学んでいる事はおくびにも出しません…たぶん。だって、相手の歌好きのレベルやジャンルが分からない以上、下手なことを答えて、気まずくなってもマズいじゃない? それにガチな合唱人だと、独唱者は敵性人ですから、そのあたりにも気をつけないといけないしね。
ブログをやっている事は、まず言いません。私、ネットとリアルは切り分けたい人なんです。それに、ネットの知り合いとリアルに知り合うのは平気だけれど、リアルな知り合いとネットでつながるのは、なんかイヤなんです…この感覚、分かるかな?
それにブログをやっている事が分かると「じゃあLINEで…」とか「Facebookで…」とか言われるじゃない? でも私は今のところ、ブログを管理するだけで精一杯で、その他の事には手を広げたくないし、そんな事を説明しても分かってもらえるとも限らないので、リアルな世界では「パソコンとかネットとか苦手なオジサン」のふりをしちゃう事が多いです。だって、面倒くさいんだもの。
社交ダンスの事も言いません。今現在、ほとんど踊れなくなってしまっているという悲しい現状があるので、とても趣味ですとは言えないというわけなんだけれど、それ以外にも、多くの世間の人は社交ダンスの事なんて、ちっとも分からないので、うっかり「趣味は社交ダンスです」って答えちゃうと、社交ダンスの説明から始めないといけないし、なまじ社交ダンスの事を知っている人は、たいがいディープな人が多いので、こんどは仲間に誘われちゃうわけで、それも結構面倒くさいでしょ? 別に私は、妻と踊れればいいだけで、ダンス仲間はいらないし、サークルにも入りたくないんだけれど、それをディープな人の前で言うと、敵性人になっちゃうし…。
アニメやボケモンGOの事も言いません。これらは私の楽しみであって、趣味ではないからです。実際、趣味と呼べるほど詳しくないし、趣味の人たちほど深くもないからです。実際“趣味の一歩手前”ぐらいな感じなんです。
と、まあ、あれこれ屁理屈を書きましたが、要は、これらのガチな趣味は、他人に言うには恥ずかしいってわけです。まるで、他人に身内の話をすると、思わず照れてしまうような感じで、趣味の事を語るのは恥ずかしいのです。
で、リアルな生活では、趣味を隠す…というか、言わずに済ませてしまう事が多いのです。そんな人って、私だけでしょうか? いやたぶん、私同様に、自分の本当の趣味について、他人には語らない人って、案外たくさんいるんじゃないかって思うのです。
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コメント
声楽って、、趣味を聞かれてもいいづらい趣味ですね。多分、普通、声楽をやっています、と聞かされても後に言葉が出てこないかも。
ううん。そうなんだ、ほー、そうなんですね、って感じ(笑)多分、バイオリンが趣味ってのより、ワンランク 訳わからん高尚なもの?って感じ?だから、あえて、カラオケって言いますよ、で、食い付きが良かったら、声楽も少し、といいますよ。なんでだろーね、(笑)
アデーレさん
確かにアデーレさんのおっしゃるとおり、一般人は「声楽をやってます」と言われても、二の句が継げないよなあ…。ほんと、会話がそこで終わっちゃう。
まず「セイガク…? なに、それ?」だろうね。なんとなく“歌っぽい”と思っても、それ以上は踏み込めないかも。合唱とかなら、あっちでもこっちでもサークル活動やっているし、普通の人が趣味でやるのも分かるけれど、セイガクって…。
さらに「オペラ歌ってます」とか言うならば、「え? この人、ヤバイ人かも…」って思われたりしてね(へへへ)。
“マイナーな趣味”であると同時に“かなり変わった人の趣味”って、思われるだろうなあ…って心配します。確かに「カラオケやってます」と言っちゃった方が楽かも。実際、私、カラオケ好きだし(笑)。
やっぱり声楽といえば、みぞおちの前で両手を組んで甲高い声を出しているイメージですよね。
なんかレベルが高すぎてかえってバカにされているような感じです。
最近、みぞおちの前で両手を組んでいるオペラ歌手って、見なくなりましたけどね。
ドロシーさん
>みぞおちの前で両手を組んで甲高い声を出しているイメージ
あ、なるほど。そういうイメージ、ありますね。「レベルが高すぎて…」とも言えますが、私の感覚だと「何か浮世離れしている…」と思われているのではないかしら…と邪推します。マイナーもマイナーな、どマイナーな少数派の趣味なんだろうなあって思ってます。それゆえ、きちんと理解してもらいづらい、変人扱いされかねない趣味って、私の中では、そんな位置づけです。