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私の好きな歌曲 その12 Be my love

 この曲は、正確に言えば、歌曲ではなく、流行歌なのかもしれません。でも、オリジナルを歌っていた歌手はとっくの昔に死んでしまっているのに、未だに多くの歌手たちによって歌い継がれているし、その歌っている歌手たちも、ポピュラー歌手はほとんどいなくて、大抵がクラシック歌手(それもテノール)だったりするので、事実上、歌曲として扱って良し…と私、思ってます。

 と言うわけで、聞いてみてください。いかにも「クラシック声楽の歌曲だよ~」って風に歌っている動画が良いかなって思いましたので、テノール歌手のジョセフ・カレヤの歌唱でお聞き下さい。

 どうですか? こんな風に歌われると、歌曲扱いで全然構わないでしょ? ちなみに、歌詞はこんな感じです。

Be my love,
 恋人になってください
for no one else can end this yearning;
 この憧れを終わらせるためにも
This need that you and you alone create.
 あなたでなければダメなんです
Just fill my arms
 私の胸はいっぱいです
the way you’ve filled my dreams,
 あなたへの思いでいっぱいです
The dreams that you inspire with ev’ry sweet desire.
 あなたへの恋心で満たされています

Be my love,
 恋人になってください
and with your kisses set me burning;
 あなたのキスが私を高ぶらせます
One kiss is all I need to seal my fate,
 私の望みは、あなたのキスだけ。
 それが私の運命を決めてしまいます
And, hand-in-hand, we’ll find love’s promised land.
 そして、二人で一緒に未来を作っていきましょう
There’ll be no one but you for me, eternally,
 私にはあなたしかいない、永遠に。

If you will be my love.
 もしもあなたが私の恋人になってくれるなら。

And, hand-in-hand, we’ll find love’s promised land.
 そして、二人で一緒に未来を作っていきましょう
There’ll be no one but you for me, eternally,
 私にはあなたしかいない、永遠に

If you will be my love.
 もしもあなが私の恋人になってくれるなら

 オリジナルが聞きたくなってきた? では、オリジナルの、マリオ・ランツァの動画を貼っておきます。

 はい、ご覧のように、映画「ニューオリンズの美女」のワンシーンです。オリジナルを歌っているマリオ・ランツァは、実はいわゆる映画俳優です。「Good-bye」のところで紹介したディアナ・タービンと同じように、歌って演技ができて踊れる俳優さんです。この曲は、映画のサントラからシングルカットされて、全米でミリオンセラーを記録しているそうです、大ヒットを飛ばしたわけだ。すごいね。

 マリオ・ランツァという人は、単なるポップス歌手ではなく、今や伝説の人となっています。彼はオペラ歌手を目指して勉強していたにも関わらず、なかなか活躍の場が与えられず、ベルカント・トリオというグループ(今で言う、イル・ディーヴォのような感じなんだろうと思います)を組んで、アメリカを巡業したところ、ようやく人々に周知されるようになり、ハリウッド・ボウルで大成功を収め、映画界からオファーが来るようになったんだそうです。で、ひとまずオペラ劇場ではなく、ハリウッド映画でデビューし、瞬く間に映画で成功してしまった人なんだそうです。

 オペラ劇場デビューも、映画デビューの前後に行ってますが、映画が多忙だったために、オペラに専念する事ができず、結局、オペラ劇場ではほとんど活躍していません。

 つまり、彼は映画の人なんです。でも、映画を通して、彼の歌を聞き、それでオペラ歌手を目指したという人たちが当時はたくさんいたんですね。例えば、三大テノールの、ドミンゴもカレーラスもみんな、ランツァにあこがれてオペラ歌手になったと言ってます。皮肉な事に、望みながらもオペラ歌手になれなかったランツァの歌を聞いて、オペラ歌手になったわけです。皮肉だね。

 彼の代表作は『歌劇王カルーソ』という映画です。これは20世紀初頭のレコード黎明期に活躍した、テノール歌手、エンリコ・カルーソを主人公にした伝記映画…だそうです。テノール歌手の役ですから、まさにランツァにはうってつけで、当然、映画の中で、オペラアリアを歌いまくったわけで、それが若いドミンゴやカレーラスを大いに刺激した…というわけです。

 ああ『歌劇王カルーソ』って、どんな映画なんでしょ? ぜひ見てみたいものです。英語字幕の輸入盤は発売されてますし、YouTubeでも見れますが、日本語字幕がないと、私の場合、脳みその大半が英語の翻訳にまわってしまって音楽を楽しむ余裕が無くなってしまうので、見るなら日本語字幕付きか、あるいは日本語吹き替えじゃないと厳しいんだよなあ(涙)。ああ、悩ましい。

 で、マリオ・ランツァが演じたエンリコ・カルーソという歌手がどれくらいスゴイ人なのかと言うと、世界初のミリオンセラーを出した歌手として有名です。なんという曲でミリオンセラーを出したのかと言うと、レオンカヴァッロ作曲の歌劇「道化師」の中のテノールのアリア「Vesti la giubba/衣装を着けろ」です。どんな歌かと言うと、こんな歌です。

 1907年の歌唱です。今から…100年以上も前の録音です。CDではなく、モノラルSPで発売されました。まだ電気は普及していませんから、当然、機械吹き込みです。

 ちなみに歌詞はこんな感じです。今回の歌詞は、ウィキペディアの当該ページより転載しております。

Recitar! Mentre preso dal delirio,
 芝居をするか!逆上しているこの最中に、
non so più quel che dico,
 俺は何を言っているのか、
e quel che faccio!
 何をしているのか自分でもわからない!
Eppur è d’uopo, sforzati!
 それでもやらにゃあいかんのか、我慢してやるんだ!
Bah! sei tu forse un uom?
 ああ、それでもお前は人間か?
Tu se’ Pagliaccio!
 お前は道化師なんだ!

Vesti la giubba,
 衣装をつけろ、
e la faccia infarina.
 白粉をぬれ。
La gente paga, e rider vuole qua.
 お客様はここに金を払って笑いに来るんだ。
E se Arlecchin t’invola Colombina,
 もしアレッキーノがコロンビーヌを盗んでいっても、
ridi, Pagliaccio, e ognun applaudirà!
 笑うんだ道化師よ、それでお客様は拍手喝采さ!
Tramuta in lazzi lo spasmo ed il pianto
 苦悩と涙をおどけに変えて
in una smorfia il singhiozzo e ‘l dolor
 苦しみと嗚咽を作り笑いに変えてしまうんだ。

Ah, ridi, Pagliaccio,
 ああ! 笑うんだ道化師よ
sul tuo amore infranto!
 お前の愛の終焉に!
Ridi del duol, che t’avvelena il cor!
 笑え、お前の心に毒を注ぎ込むその苦悩を!

 「Be my love」も「Vesti la giubba/衣装を着けろ」も、両方とも、ミリオンセラーになったほどの名曲です。ああ、私もぜひいつか、これらの曲を歌ってみたいです。

 と言うわけで、今回で夏の連載は終了です。明日からは通常運転に戻りますので、よろしくね。

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