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2011年 ラ・フォル・ジュルネに行ってきたよ その0…私が行かれなかったコンサート

 今年(2011年)のラ・フォル・ジュルネが終わりました。ああ、楽しかった。

 と言うわけで、例年のごとく、私の個人的なラ・フォル・ジュルネの振り返りの記事を、今年も連載してみたいと思います。

 まず、今年は震災の影響で、ラ・フォル・ジュルネそのものが、バタバタしちゃいましたね。これまで拡大を続けていたラ・フォル・ジュルネですが、今年始めて、規模縮小を余儀なくされました。

 直接の原因は会場である、東京国際フォーラムの一部が使用不可能になったためです。

 ホールA,B5,B7は、震災の影響による電気系統の不良のために、使用不可能になりました。また、相田みつを美術館は、美術館そのものは開催していますが、ラ・フォル・ジュルネへの貸し出しが取り止めになりました(残念)。9つのホールを使って公演するはずだったのに、そのうち4つが使えないとなると、大きな痛手ですよね。特にホールAは、ここだけで有料公演の(人数的には)約半分を占める大きなホールですから、ここが使えないというのは、とても大きな事だと思います。

 また、日本への来日を取り止めた海外アーティストが少なからずいますね(ここで名前は書きませんが、ちょっと調べればすぐに誰だか分かります)。放射能汚染が怖いのでしょう。海外での日本の原発事故の報道を見れば、日本中放射能汚染されちゃったような印象を持つでしょうし、ヨーロッパの人たちは、チェルノブイリの件がありますから、神経質になるな、というのが無理な話です。

 そんな中、逆に、幾人かのアーティストの方が、予定外の来日をしてくださいました。「こんな時だからこそ、日本に来たいんだ」というコメントを耳にすると、本当にうれしくなりました。

 震災による自粛ムードは、ラ・フォル・ジュルネのあちこちに確実に影を落としたと思います。いつもの“お祭りモード”は無くなり、祈りと鎮魂のプログラムが増えました。

 そんなこんなが積み重なって、結果的に、規模縮小になったのだろうと思います。

 規模縮小は残念ですが、様々な苦労を乗り越えて、ラ・フォル・ジュルネを開催してくれた、主催者の方々には、感謝感謝です。ほんと、旧プログラムが全面的に取りやめになった時は、今年は本当にできるの?って心配しちゃいました。規模縮小になったけれど、それでも開催されました。主催者の方々は、とてもとても大変だったでしょう。でも、継続する事、その事が一番大切な事なんだと思いますし、だからこそ、次につながっていくんだと思います。

 私は、来年以降のラ・フォル・ジュルネも応援していきますよ。

 さて、そんなわけで、テーマも「タイタンたち」から「とどけ!音楽の力 広がれ!音楽の輪」に変更されました。

 …もっとも、よくよく見たら、全面的なテーマ変更ではなく「とどけ!音楽の力 広がれ!音楽の輪 -タイタンたち-」となってました。つまり「タイタンたち」というテーマに変更無しって事です。…ううむ、私的には「タイタンたち」というテーマは、………なので、この際だから、テーマがガラっと変わるといいなあと期待してましたので、ちょっぴりガッカリです。

 だってね「タイタンたち」っ言うテーマで取り上げる作曲家は、ブラームスから始まって、リストとリヒャルト・シュトラウスとマーラーとシェーンベルクの五人でしょ。いわゆる「ドイツ・後期ロマン派」って奴でしょ。はっきり言って私の苦手な作曲家ばかり(涙)。リヒャルト・シュトラウスを取り上げるならオペラをやってみろ! マーラーなら、歌入り交響曲をドカドカやってみろ! …無理を承知で言ってみました。

 ってか、なんで、ここにワーグナーが入っていない! ドイツ後期ロマン派なら、まずはワーグナーでしょ!

 まあ、それはともかく、旧プログラムで、私がチケット争奪戦に勝ち残ってゲットしたにも関わらず、結局、払い戻しを余儀なくされた公演を、記録のために書いておきます。
 
 
シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」

 この曲は、今年のラ・フォル・ジュルネの目玉曲の一つで、ダンス無し版とダンス有り版の二公演用意され、私がゲットしたのは、ダンス無し版の方です。ま、ダンスがあると、音楽に集中できないでしょ。だからダンス無し版を選択したのです。

 実はこの公演、新プログラムになっても、中止はされずに、当初の予定から会場&日程変更をして行われました。ま、さすがに、今年の目玉公演だけあって、中止にはできなかったのでしょうね。ところが、日程変更してしまったため、私が東京に行かない日(毎日行くと疲れちゃうので、今年は初日と最終日だけ出陣しました)に開催となりました。それじゃあ、見れないジャン。ああ、残念。でも、仕方ないよね。泣く泣く諦めました。

 マリアンヌ・プスールの歌。今、一番のシェーベルク歌いだそうですが、聞いてみたかったなあ…。
 
 
ブラームスとR.シュトラウスの「ヴァイオリン・ソナタ」

 久保田巧氏(ヴァイオリン)とヴァルドゥイ・イェリツィアン(ピアノ)による公演です。この公演は、伴奏者を替えて、新プログラムでも行われました…が、この公演は新プログラムではチョイスしませんでした。その理由ですが、元々、今年は「ヴァイオリン・ソナタは一公演だけ聞こう」と決めていて、新プログラムでは別のヴァイオリニストでソナタを聞くことにしたので、この公演は取り止めにしたからです。

 と言うのも、今年のラ・フォル・ジュルネ、震災で仕切り直し後、来日しなくなった海外アーティストもいる反面、改めて来日してくれる事になった感謝なアーティストさんもたくさんいるわけで、そんな新規参入海外アーティストの中に、私が大好きなフランク・ブラレイ先生(私的には世界最高のピアニスト)がいました。ブラレイ先生がやってくるなら、絶対に聞きに行かなきゃダメでしょ。そこで新プログラムを見てみたら、そのブラレイ先生がヴァイオリニスト(松山冴花氏)と組んだ公演があったので、迷わずそちらをチョイス。そのため、久保田巧氏の方は取り止めました。

 久保田巧氏と言えば、三年前のラ・フォル・ジュルネのキッズ・プログラムで、息子君にヴァイオリンを指導してくださったヴァイオリニストさんなので、なんとなく親しみを感じていました。本当は、久保田氏のマジな演奏を聞きたかったのですが、やはりブラレイ先生の方をチョイス。だって、久保田氏の方だと、ヴァイオリンしか楽しめないけれど、ブラレイ先生の方は、ヴァイオリン・ソナタも楽しめるけれと、ブラレイ先生のソロピアノのコーナーもあって、一度で二度楽しい公演なんだもん。やっぱり、そっちをチョイスするよね。

 というわけで、色々とドタバタしましたが、改めて、チケット争奪戦にも参加して、今年のラ・フォル・ジュルネに参加してきました。明日から、遅ればせながら、しばらく、今年のラ・フォル・ジュルネの事を連載していきますね。よろしく。

コメント

  1. おざっち より:

    私の住む、滋賀県大津市のびわ湖ホールで行われたラ・フォル・ジュルネも、かなりのプログラムを変更したわけですが、東京の方もかなりの変更があったようですね。かろうじて中止されなくてよかったと思います。主催者としては、国内はもとより、海外アーティストとの土壇場での変更は大変だっただろうと思います。すとんさんが聞きたかったプログラムもキャンセルされてしまったようで、さぞかし残念だったことでしょう。
    私の場合は「どうしてもこのアーティストが聞きたい!」というこだわりがなかったので、会場全体の雰囲気を楽しむことができればそれでよし、と思っていました。無料、ないしは低料金のイベントですから、十分満足しています。
    来年こそ、平和な状況の中で、このラ・フォル・ジュルネが開催されるよう願っています。

  2. すとん より:

    >おざっちさん

     東京は、一度すべてのプログラムが白紙になったんですよ。それくらいの大混乱となりました。実際、アーティストもガラっと変わりました。ほんと、こんな混乱の中、それでも開催した主催者の方々の労力に感謝感謝ですよ。

    >私の場合は「どうしてもこのアーティストが聞きたい!」というこだわりがなかったので

     私も基本的にはそうなんですが、やはり何度かラ・フォル・ジュルネに行くと、さほど有名ではない(ので、ラ・フォル・ジュルネ以外ではなかなか聞けないし、CDも入手困難だったりする)アーティストや、たまたま私が不勉強で知らなかったアーティストさんの中に、とびっきりの方を見つけてしまうのです。フランク・ブラレイ先生はまさにそういう方でしたし、昨年聞いたブリジット・エンゲラーとか、今年聞いた松山冴花氏などがそうです。無論、他にもそういう注目アーティスト、いわば「ごひいきのアーティスト」が何人も出来てくるわけなんですよ。そういうアーティストの公演を見つけたら、是が非でもチェックして見たくなってしまうものです。

    >来年こそ、平和な状況の中で、このラ・フォル・ジュルネが開催されるよう願っています

     そうですね。平和で豊かでないと、クラシック音楽の祭典なんて、開催されるはずが無いですからね。まずは“世界平和と幸せな生活”を祈って行きましょう。

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