ネットで、歌声は大きいほど立派であり、小さな声でしか歌えない人は恥じるべきである…という論調の記事をたまに見かけますし、私自身、少し前までは「歌声は大きくて当たり前であり、小さくてか細い声でしか歌えない人間はダメだ」と思っていました。
でも、これって間違いなんですよ。歌声なんて、小さくても良いんです。
と言うか…最初は誰でも、小さな歌声なんです。そこから訓練をして、カラダが歌向きにチューニングされていくと、やがて大きな声で歌えるようになるわけで、最初から大きな歌声で歌えなくても良いのです。徐々に訓練を重ねて、最終的に大きな声で歌えれば良いわけですから。
それに、最終的と言っても、声量には才能が関わってきます。かなり大きな声で歌えるようになる人もいれば、普通に大きな声止まりの人だっています。普通に大声止まりであっても、それはその人の個性であって、歌う場所や曲のジャンルを選んで歌えばいいだけの話であって、誰も彼もが馬鹿みたいな大声で歌える必要はないのです。
それに、そんな大声が必要なら、素直にP.A.装置(マイクとスピーカーね)を使えばいいんです、現代人だもの。文明の利器を大いに利用しましょう。
人間は謙虚であるべきです。初心者や初学者は、それなりである事を恥じてはいけません。誰もが最初は初心者なのです。小さな声であっても、胸を張って歌っていればよいし、それを馬鹿にする人間なんて、心の中で見下してやればいいのです。
そもそも、初心者のうちに声量を求めてしまうと、大きな声で歌っているつもりでも、他人から聞けば、ただの怒鳴り声や金切り声になってしまいます。当然の話だけれど、怒鳴り声や金切り声は悪声です。そんな悪声を出し慣れてしまうと、美声で歌うのが難しくなってしまいます。
だから、最初のうちは、声量を求めずに、正しいフォームで美しい声で歌うように心がけること。悪声で歌うのを癖にしてはダメです。求めるべきは、大きな声ではなく、美しい声です。
歌手にとって、一番の武器は美声です。それをわざわざ初心者の段階で捨ててしまうなんて、ほんと、もったいない話なのです。辛抱していれば、美しい声でも大きな声量で歌えるようになるのですから、その時まで、きちんと辛抱していきましょう。
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