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外国語の歌を上手に歌うには

 まずは耳を訓練する事でしょう。きちんと聞こえていなければ、それを再現する事など無理なのですから。耳を訓練するには、その言語での会話や歌を浴びるほど聞かなければいけません。おそらく、何百時間…も。最低でもそれくらいの時間は聞き続けなければ、母音や子音の繊細な違いなどは分かりません。

 よく、年末の第九をカタカナドイツ語で歌っているお年寄りがいますが、あれは、楽譜にカタカナを振っている事も原因ですが、そもそもドイツ語を浴びて、ドイツ語の耳を作っていない事が最大の原因です。ドイツ語の耳を持っていないので、日本語の音声で歌うしかなく、結果、カタカナっぽいドイツ語に聞こえてしまうのです。耳がドイツ語なら、カタカナが振ってあっても、ドイツ語っぽい発音ができるはずです。

 その言語用の耳を作る事は大切です。というのも、各言語ごとに、母音の音色は違うし、子音の発声方法が違うからです。それらを、我々が慣れ親しんだ日本語に引き寄せてしまえば、それはどうやっても、カタカナっぽい発音にしか聞こえないです。

 また、カタカナ発音は、日本語耳の人にとっては、耳にやさしく聞きやすくて快適なのもよろしくないです。ちゃんとした外国語の発音では、日本語にない音がたくさんあります。そういう音は、日本語耳の人にとっては、不快な音にしか聞こえませんので、日本語耳の人がそれらを発音しようとすると、自然とカタカナ発音に寄せてしまうのです。これは仕方のない事なのかもしれません。

 外国語の歌を上手に歌うためには、まずその第一歩として、耳を作る事が必要です。

 本来ならば、その国に移住して、その言語で暮らすことが一番の勉強ですが、これはなかなか簡単にはできません。どうしても、日本で暮らしながらの勉強にならざるをえません。そうであるならば、、例えばドイツリートを歌いたいとして、その歌をドイツ人歌手が歌っている録音を何度も聞く事が大切ですが、それ以外にも、例えば、テレビやラジオ、YouTubeなどで、ドイツ語会話の勉強用の動画を見るなどの工夫も必要になります。

 そうやって、耳を作ってしまえば、発音の方は自然とできるはずです。きちんと聞き取れれば、発音はさほど難しくはありません。

 私が未だにドイツリートに苦戦しているのは、まだまだドイツ語を浴びている時間が足りず、ドイツ語の耳がきちんと出来上がっていないのが原因なのです。

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