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免許返納について、私が思うこと

 免許返納とは“運転免許書の自主返納”を指します。要は「年を取って、色々と耄碌(もうろく)したので、車の運転を止めますから、免許はお上にお返しします」って事です。

 物事には、必ずメリット・デメリットがあります。

 免許返納に関しては、返納者にはあまりメリットはありません。せいぜい「自動車事故を起こさなくて済む」程度でしょうか? 後は「免許更新の手間が無くなる」(笑)、「車の維持費がかからなくなる」(爆)ぐらいですかね?

 事故うんぬんに関しては、どの年齢の運転者にもつきまとうリスクであって、高齢者に特有の話ではありません。事故の発生を杞憂するなら、どの年齢の人であっても、免許返納を視野に入れなければいけません。

 確かに事故に関しては、高齢者が事故を引き起こす確率は高いのだけれど、確率論だけで言うなら、実は24歳以下の若年層の事故も、高齢者に負けず劣らずに多いのです。事故の発生確率を考えた上で、高齢が理由で免許返納が求められるなら、低年齢が理由で、24歳以下の人間には免許が取れないようにするべきだと思います。

 もちろん、これは屁理屈です。

 さらに確率論で言えば、事故を起こす高齢運転者の数は、事故を起こさない高齢運転者の数と比べると、誤差のような少数なのであって、高齢を理由に免許返納を求めるのは、理由としては弱いと思います。

 ですから、高齢者に免許返納を求めるよりも、交通事故の発生を減らす事自体を、我々は考えていくべきなのです。

 こんな感じで、免許返納に伴うメリットって、少ないなあって思うわけです。

 次に免許返納に伴うデメリットについて。

 まずは免許返納をすると、自分で車の運転ができなくなるので「交通手段が減る」のです。公共交通機関が十分に発達している地域であるとか、身近に気軽に運転を代行してくれるような人がいるなら良いのですが、人によっては、地域によっては、交通手段が減るどころか「交通手段が無くなる」人だっています。これは、本当に、死活問題です。

 私は幸いに、生活に必要なすべての施設が徒歩圏内にあります。あえて、そういう地域を選んで住んでいるわけです。だから現状、車を利用しない無い生活をしています。むしろ、車を保有し利用した場合、デメリットの方が多い生活をしているわけで、結果として、我が家には車はありませんし、家族の誰も車の運転はしません(免許を持っていないわけではありません)。

 日本人がみんな、私のようなライフスタイルであれば、免許返納問題なんて存在しないのですが、実際問題、生活に必要な施設が徒歩圏内に揃っている…なんていう、私の生活環境は、かなり恵まれた生活環境だろうと自覚しています。むしろ「生活に必要な施設なんて、徒歩圏内にはありません」という人の方が、日本には多いのではないかとすら思います。

 日常的に使うスーパー(あるいは食料品店)は徒歩圏内にありますか?
 かかりつけのお医者さんは歩いて通えますか?
 それどころか、ある程度の規模の総合病院が歩いて通える距離にありますか?
 最寄りの鉄道の駅、せめてバス停まで歩いていけますか?
 最寄りの駅やバス停から発車する交通手段は、ある程度頻繁に出ていますか?
 各種手続きをしないといけない、銀行や郵便局、お役所等も歩いていけますか?
 ご近所に友達はいますか?

 以上の条件がクリアできていれば、近所にコンビニが無くても、外食産業や飲み屋、エンタメ系の施設が無くても、日常生活はできます。まあ、多少の不便は楽しんでいきましょう。

 都市生活者なら、以上の条件のクリアは可能かもしれません。しかし、ちょっと地方に行くと、これらの条件のクリアは、かなり難しくなります。

 そんな生活環境でも、楽しくワイワイと暮らせてきたのは、車という交通手段があったからです。そういう生活環境の中で暮らしいている人が「明日から車の運転はダメですよ」と言われたなら、そりゃあもう、移動手段を失って、あっという間に生活が詰んでしまうわけです。

 そりゃあ、簡単に免許の返納なんてできません。死活問題ですからね。

 そのデメリットを考えれば「身分証が無くなる」程度のデメリットなんて、デメリットのうちに入りません。

 「そうは言っても、高齢者が引き起こす事故で、多くの人が亡くなっているんだよ」

 それはマスコミの情報操作であって、事故は高齢者だけが引き起こすわけではないし、高齢運転者の多くは、毎日安全運転をしているわけです。地域の警察署に行けば分かりますが、交通事故なんて毎日のように発生しているし、悲しいことに死傷者だって、それに伴って発生しています。毎日のように、テレビで高齢運転者の事故を報道しているのは、免許返納を促す国の施策に沿って、その手の報道を優先的に積極的に行っているだけだからです。

 では、私は免許返納に反対しているのか? と問われれば、答えは、否です。むしろ、ある一定以上の年齢になったら、強制的に免許を取り上げるべきだと思ってます。

 理由は簡単で、免許取得は18歳以上と定められているのだから、免許返納年齢も決めるべきだと考えているからです。単純でしょ?

 ただ、同時に、主に地方に住んでいる「車が無いと生活できない人」たちをどうするべきかという問題に、国や地方自治体が取り組み、早急に成果を示す必要があると思います。「予算がないから無理!」と言われそうだけれど、費用や人材面は、世界に誇る日本の車メーカーから拠出してもらえはいいんじゃないの?って考えてます。お金も、優秀な人材も豊富にあるわけだし、今まで多くの運転者によって儲けさせてもらったわけだし、これからだって儲けさせてもらえるんだから、そのあたりは割り切って気前よく動いて欲しいなあと思うわけです。

 私だって、高齢運転者の運転ミスによって、若い命が失われていく報道を毎日のように見せられるのは、ほんと、嫌なんですよ。だからと言って、今の状況の解決に免許返納だけで対応するのは、あまりに近視眼的な解決方法でしかない…というか、解決方法にすらなっていないと思っているわけなのです。

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