我が家の三色金魚は、ビジョと呼ばれています。確か、本名はアリサ…だったような気がします。アリサが、カラダの厚いのでアツミと呼ばれるようになり、我が家のオス金魚たちからの絶大なる人気を誇るところから、今ではビジョと呼ばれるようになました。
そのビジョですが、品種は…ダキンです。そう、駄金です。駄目金魚、あるいはＢ級金魚とか、ハネモンってヤツですね。選別で弾かれた駄目な金魚ってヤツです。
金魚の品種って、狙って作られているモノもありますが、実際のところは、生まれた後に選別されて、特定の特徴がある子が、それぞれに品種名を付けられて、出荷されるわけです。特定の特徴が無い、どっちつかずの子はダキンとされて、大型熱帯魚のエサになるか、金魚すくい用の金魚として出荷されるか、金魚専門店ではなくホームセンター等へ、格安金魚として出荷されるかの、三択の人生を送るわけです。で、ビジョは、そのうちの“格安金魚”コースを経て、我が家にやってきた子です。ちなみに販売価格は300円でした（安い！）。
例え、格安で売られていたとしても、命の重さに変わりはありません。
我が家に来た当初は、カラダも小さくて、オランダ系の体型をしていた三色金魚だったので「これは格安金魚だけれど、Ｂ級の東錦だろう」と思ったのですが、成長するにつれ、体型はオランダ系から、明らかに琉金系へと変化してしまいました。
じゃあ、三色琉金だったのかと言えば、そうではありません。と言うのも、ビジョのウロコは東錦の特徴である透明ウロコなのです。じゃあやっぱり東錦なのかと言うと…東錦なら、頭部に大きな肉塊ができるのですが、ビジョはかなり育ちましたが、その頭部はスッキリしたものです。肉塊なんて、全然無いのよ。
東錦の特徴は、透明ウロコと大きな肉塊と三色体色であって、体型は琉金系でもオランダ系でも両方アリなのです。で、ビジョは…と言うと、ほぼほぼ東錦なのだけれど、大きな肉塊が無いのです。金魚の高級さは、頭部の肉塊の大きさで決まるので、もしもビジョを東錦（これは高級金魚です）とするなら、すんごく品質の低い、低級な東錦になるわけで、だから選別から外れた、格安金魚として売られていたのだと思います。
ちなみに、我が家には、もう一匹ダキンがいます。それはラクです。ちなみにこの子は400円でした（ビジョより100円高かったのです）。ラクが選別からはねられた理由は、黒出目金なのに、やがて赤くなる…と見抜かれていたのでしょうね。安い黒出目金って、成長するにつれて赤くなる子がいるんです。で、ラクは黒出目金から赤くなってしまった出目金なのです。結局、ラクは赤出目金になってしまいましたが、最初から赤出目金だったと思えば、別に何ということもありません。
閑話休題。ビジョの話です。と言うわけで、ビジョはＢ級の東錦なのでした。
そんなビジョですが、今や我が家では古株金魚になってしまいました。年齢は、おそらく三歳で（秋に我が家にやってきた子なので）我が家で二度目の夏を迎えました。
今の大きさは…だいたい、オトナの握りこぶしぐらいの大きさになりました。かなり大きく育ったんですよ。尾ビレを始めとしたヒレは、まあ普通サイズです。最近は、このくらいのヒレの子を“ショートテール”と呼んで売っている店もありますが、原則的に金魚って、ヒレが長いほど高級なので、そういう意味でもビジョは、たとえショートテールだとしても、やはりＢ級なのです。
カラダが大きいだけでなく、お腹はかなりデップリして真ん丸です。中身がたくさん詰まっていそうです（笑）。キレイな三色金魚です。三色とは言っても、透明ウロコなので、赤白黒の色の他に青も加わるので、本当は四色の体色をしていますが、そうであっても、種類としては“三色金魚”なわけです。
模様の特徴としては、クチビルが黒いです。我が家では「泥棒グチ」または「お歯黒」と呼んでいますが、見事に黒い口紅を塗ったように黒いのです。あと、右目のところが赤くて大きな★型の模様があります。まるで、キッスのギタリスト、ポール・スタンレーのような感じで、ちょっとカッコいいです。
あと最近では、毎夜、決まった時間に、20cm程度の金魚の◯をするようになりました。金魚というのは、◯を垂れ流しにするのが特徴なのですが、ビジョはそれを溜め込んで、一日に１回、特大のやつをします。それも人間によく見えるようにして（笑）。まあ、金魚だし、元気みたいだから良しですが、あまり上品な行いではありませんよね。おそらく、彼女なりの芸のつもりなのかもしれません。
あと、食い意地が張っているせいか、これだけ大きく育ったにも関わらず、今でもエサねだり係をしています。エサの時間になると、それはもう激しくエサをねだってます。ちなみに好物は、ねっとり系の焼き芋とシジミとタニシとガボンバです。つまり、食べられるものなら何でも好きなのです。
とにかく元気な子です。琉金体型の子は、ある程度大きくなると、転覆病になる事が多いのですが、ビジョは病気にもならず、毎日元気に暮らしています。
そんなビジョでした。
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