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頭部管が錆びてきてうれしいです

 まずは写真を見てください。手元にいいカメラがなかったので、携帯で取りました。画質的にはちょっとショボいけれど、勘弁してください。

 一枚目は、左が足部管を胴部管の差込み口の方から見ています。右は頭部管です。もちろん、中に光をいれるために、歌口はきちんと上を向いているのですが…。ね、右の頭部管は真っ黒でしょ。二枚目は歌口をアップにしてみましたが、歌口の奥が真っ黒になっているのが、お分かりですか? 

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 写真だと、やっぱり分かりづらいですかね? でも実に、頭部管の中が真っ黒になってます。その黒も、艶のないマットな黒なんですよ。いい感じです。ああ、これが“銀のサビ”なんですね。硫化銀ってやつですね。ほんと、炭の様に真っ黒です。うれしいです。

 この真っ黒なのは、実は頭部管だけです。いや、胴部管も頭部管側は、割と飴色になってきていますが、足部管側は未だにピカピカですし、足部管そのものは、写真でご覧になれるとおり、まだまだピカピカです。

 アゲハを吹き始めて、だいだい1年半ですか? ようやく、ここまで育ってきました。とりあえず、頭部管内部は硫化銀のコーティングが終わったようで、音色的にも良い感じになりました。いわば“黒メッキ”ですね。あとは、この硫化銀による腐食が胴部管や足部管にまで及び、中が真っ黒になったら、使い込まれた、総銀フルートの完成となるわけですね。ああ、楽しみ。

 もちろん、足部管の中が真っ黒になる頃は、胴部管のキー周辺やメカも黒くなるだろうけれど、それは、オーバーホールの時に「外側だけ磨き上げてください。中の黒いのはそのままにしてね」と注文すれば、たぶんOKだよね。

 ああ、うれしい。ようやく、フルートが錆びてくれた。ああ、うれしい、ああ、うれしい。総銀フルートは、錆び錆びになってからが、本領発揮だそうですから、これからがアゲハの真骨頂だよね。

 ちなみに中は黒く錆びておりますが、外側は白く錆びてます。調べたら、銀のサビって「白→黄→黄金→赤→青→緑→黒」と変化するそうです(こちらで見ました)。中も外も同じようにお手入れをしているつもりなんですが、だいぶ結果が違います。ま、外側は黒くなる前にオーバーホールに出してしまうつもりだから、関係ないけれど。

 でも、私は結構、これでもマメに調整に出しているから、オーバーホールはそんなに急いで出す必要はないでしょうね。じっくり、アゲハを錆びさせてからオーバーホールに出しましょう。そうしましょう、そうしましょう。

 今日は、フルートが錆びて、とってもうれしいです、という報告でした。

コメント

  1. かのん より:

    まえの先生の教室に、リッププレートの上の一部(唇接触部)以外真っ黒なムラマツのユーザーにあったことがあります。残念な事にお話する機会はありませんでしたが、すごく豊かな音を吹かれる方でした。

    きっとみえない部分も熟成してるのでしょうね。

  2. ディア より:

    マスターズをすとんさんとほぼ同時期に購入しましたが、全く黒くなってません。
    キラキラ好きの私にとってフルートが黒くなってしまったら、逆にショックだと思いますが。。。
    体質もあるのでしょうね。

  3. すとん より:

    >かのんさん

    >すごく豊かな音を吹かれる方でした。

     それは素晴らしいですが、たぶん、豊かな音とフルートの錆びは関係ない(笑)。それは単純にその先生が素晴らしいフルート奏者だって事だと思います。

     …とは言え“人が触れる部分以外は真っ黒”ってフルートは、かなり使い込まれていますね。“黒いフルート”って、客観的に見ると、やっぱり『汚い』と思います。でも、私は、その汚さは、古道具が持っているような風格に感じられるんです。これは価値観の違いかもしれないけれど、それがいいなあって思います。

     と言うのも、黒いフルートの“黒さ”には、奏者と楽器の、付き合いの長さが現れているような気がします。なんか、それがいいんですよ。

  4. すとん より:

    >ディアさん

     キラキラはフルートの魅力の一つですね。「キラキラしている」って理由でフルートを始める人も少なからずいらっしゃるくらいだから、そのキラキラしたフルートが黒くなったら悲しくなる人もいるのは理解します。

    >体質もあるのでしょうね。

     でしょうね。あと、地域的な問題もあるみたいですよ。ただ、私の場合は、黒くなるのが遅かったみたいです。購入して、一年目くらいの調整の時に「まだ黒くないねえ…」とメーカーの人やお店の人、数名に囲まれて言われた時は、何となく悔しかったです(笑)。

     丁寧に磨いていると、銀は錆びづらいようです。私のフルートの外側がピカピカで中が真っ黒なのは、外側は毎日丁寧に磨いているからだと、勝手に思ってます。

  5. いがぐり より:

    私も早く熟成されたエールちゃんに会いたいです。
    アルタス先生のフルートはどれもコレも(アルタス数本)それはそれは
    いい感じの色になっています。
    私のはまだまだキラキラ(そりゃそうだ^^;)
    私と共に歳をとっていろいろ変化するのが楽しみです。

  6. すとん より:

    >いがぐりさん

     そうそう、フルートは外見のみならず、音色もドンドン熟成していくものらしいです。

     この前、私のアゲハ(フルートの名前です)を製作者さんに見せたところ、音色がいい感じの育ってきていると言われました。

     フルートには色々なタイプの子がいるらしく、同じ製作者が作った同じモデルの楽器でも、その育ち方が違うらしく、私のアゲハは、年を追うごとに、音色が明るくキラキラした楽器に育っていくそうです。そういう方向のフルートは好きなので、うれしいです。楽器によっては、渋い音色や深い音色になっていく子もいるそうですよ。

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