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“○○警察”なんて、うんざりだ!

 世に“○○警察”などと呼ばれる人たちがいます。“自粛警察”が有名ですが、最近では“マスク警察”と呼ばれる人たちが出現しているそうです。
 おそらく自分たちは世直し軍団か何かのつもりでしょうが、その実態は、他人を攻撃することで自分の不安を一時的に解消しているだけに過ぎません。いわば、不安の代償行為としての“○○警察”活動です。
 まあ、不安になる気持ちは理解できなくもないです。私にだって不安はあるもの。
 でもね、日本におけるコロナの流行なんて、諸外国と比べると、せいぜい1/100程度の規模でしか流行していないのに、まるでこの世の終わりであるかのように、連日、マスコミが煽っているでしょ? そりゃあ不安になりますよ。
 1/100程度の流行でも油断はしちゃいけませんが、だからと言って、必要以上に不安になる必要はありませんし、ましてや、この世の終わりでは全然ありません。
 これまでコロナで亡くなった方は日本全国で約5000人程だそうです。5000人の人が亡くなる事は悲しい事だし「コロナで5千人も亡くなった」と聞いてショックを受ける人もいるかもしれませんし「ああ、だからコロナは怖い」と恐怖に震える人もいるでしょう。
 でも、日本では毎年130万人以上の方が亡くなっています。コロナで亡くなる方を全死者数に対する割当で表現すれば、5000/13000000で、1/260となります。つまり、260人亡くなる方がいるとすると、その中の1人だけがコロナで亡くなるわけで、割合で言えば、約0.4%でしかありません。99.6%の人はコロナ以外の原因で亡くなるのです。
 日本人の死亡原因は「ガン(約35万人、約27%)」「心疾患(約20万人、約15%)」「老衰(10万人、約8%)」がトップ3です。コロナで亡くなる人たちよりも注目度は低く、マスコミで報道される事はありませんが、コロナよりも圧倒的に死者数が多いのです。
 私はよくこのブログで、コロナで死ぬ人よりも、自殺者の方が多いと書いてます。まだ、コロナ禍になってからの自殺者数は発表になっていませんが、実は例年、自殺で2万人程度の人が亡くなっています。昨年~今年の自殺者数は、すごく増えているそうです。統計が出ればはっきりしますが、コロナの数倍もの人が自殺で亡くなっているのです。
 だから「コロナなんて怖くない」とは言いません。しかし、コロナよりも怖がる対象はいっぱいあるし、コロナで亡くなる心配をするよりも、ガンや心疾患や老衰(!)で亡くなる心配をするべきなんです。
 で、マスク警察ですが…
 なんでもスーパーコンピューター富嶽でのシュミレーションが発表されたそうです。で、それをまとめた全音楽譜出版社によるイラストでは、吐き出し飛沫量(つまり息を吐き出して飛沫を飛ばす量)を何もなしと比べた時、
 不織布マスク 20%
 布マスク 18~34%
 ウレタンマスク 50%
 フェイスシールド 80%
 マウスシールド 90%
 だそうです。もちろん、数字が大きいほど性能が悪いのです。これを見ると、いわゆるシールド系はほぼ無能ですね。某歌劇団ではフェイスシールドをして舞台をしてますが、これを見ると、あまり意味は無いみたいです。
 さて、最近の注目はウレタンマスクのようで、不織布マスクの20%と比べると、ウレタンマスクの50%の数字が大きすぎて、まるでウレタンマスク使用者をマスク未使用者と同じような扱いにして攻撃をするってのが流行っているようです(この行為を“マスク警察”あるいは“ウレタンマスク警察”というそうです)。
 私は「半分も防いでいるなら、いいんじゃない」って思いますが、そうは思わない人たちがいるって事ですね。
 でもね、良しとされている不織布マスクだって完全じゃないわけで、ウレタンマスクの50%を不安に思うなら、不織布マスクの20%には不安を感じないのでしょうか? 統計学的に考えるなら、50%と20%には大きな違いはありません。どっちもザルだし、どっちも気休めだと考えるべきでしょう。そこまでマスクにこだわるなら、医療用のマスクでもしないといけませんが…医療用マスクなんて日常生活の中では使えませんよ。値段も高価だし、流通量も少ないし、なんと言っても通気性が悪いので、ちょっとした運動をするとすぐに酸欠状態になって生命の危険すらあるわけですからね。だから、マスクなんて、してくれていたら、不織布でもウレタンでOKだと思うんですよ。
 それに、狭くて密な空間に他人と一緒にいるとして“不織布マスクをしている感染者”と“ウレタンマスクをしている健康な人”のどっちと一緒がいい? と尋ねられたら、私は「“ウレタンマスクをしている健康な人”の方がいい」と答えるし、それ以前に「密な空間に知らない他人といるのが、そもそもイヤ」と答えます。つまり、マスクの種類うんぬんを言う以前のチェックポイントがあるって話です。
 なので、ウレタンマスク使用者を攻撃する以前に、まずは人混みに出かけない事をオススメします。私は不織布マスク使用者しかいなくても人混みには出かけたくないです。
 「人混みの中に出かけるしかないんだ!」という理由で、ウレタンマスク使用者を攻撃するのなら「あなたは本当に人混みの中に出かけるしかないの?」と尋ねたいです。
 住んでいる場所が都会ならば、地方に引っ越しをする事をオススメします。地方は良いよ、広々しているし、空気がうまいし、密じゃない。職場が都会でリモートワークが不可能ならば、転職をする事をオススメします。毎日毎日、恐怖におののきながら通勤するのは、コロナ以前にストレスでやられちゃいますって。どうしても都会から離れられないのならば、時間をズラして行動するとか、公共交通機関を使用しないとか、消極的ですが、それなりの対策を取らないといけません。
 ここまで広がってしまったウィルスの撲滅なんて、数年単位では無理です。これから数年間は、常に新型コロナウィルスの中で生活していくしかありません。“With コロナ”の時代になったのです。だから、我々も生活を抜本的に見直さなければいけないのです。
 それなのに、引っ越しもせず、転職もせず、ピークタイムに公共交通機関を利用して、人混みの中に出かけなければならないと思っているなら、それは覚悟を決めるしかないと思いますよ。だって、人混みを避けられる手段があるのに、それをしないのは、自分自身で決めた事でしょ? ならば他人を自分の不安の代償行為として攻撃なんてしないで欲しいです。
 「ウレタンマスクをしやがって、不謹慎な! 私がコロナにかかったら、どうしてくれるんだ」ではなく「ウレタンでもマスクをしてくれて、ありがとう。でもコロナ怖いし、密を避けるために、君たちとは離れて行動するね」で良いじゃない?
 「和をもって尊しとなす」のが日本人の美点でしょ? 怒りよりも感謝です。マスク警察をするよりも、寛容な心をもって緩やかな連帯を目指して行きましょうよ。
 恐怖もストレスになるけれど、怒りもストレスになるんだよ。ストレスは、たぶんコロナよりも怖いと思います。念の為。

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コメント

  1. reyus より:

    状況によって使用するマスクの種類を変えることも考える必要があるのではと思います。
    先日のテレビで美容室がウレタンマスクなどをしてきた客に対して不織布マスクに取り替えるようにお願いしているものがありました。
    不織布マスクはウイルスを通しにくいかもしれませんが、それは息も通しにくいということで、結果としてマスクの横の隙間からの息漏れがウレタンマスクに比べて桁違いに多いと思いますので、お客さんが感染者だった場合、顔のまわりにたくさんのウイルスがまとわりついているわけです。
    ウレタンマスクだと横漏れはほとんどないので、マスクにより減少したウイルスが少し遠くに離れた場所に飛んで拡散します。
    美容師は顔の近くで作業をするのですから、不織布マスクだと逆にリスクが高まるのではと疑問に思いました。

  2. すとん より:

    reyusさん
    >不織布マスクはウイルスを通しにくいかもしれませんが、それは息も通しにくいということで、結果としてマスクの横の隙間からの息漏れがウレタンマスクに比べて桁違いに多いと思います
     そうそう、それは私も経験的に感じている事です。医療用マスクのように、横モレ防止対策がきちんとできているマスクならともかく、不織布って、横から息がガンガン漏れるんですよね。おっしゃるように、横モレに関しては、ウレタンや布の方がしません。個人的には布よりもウレタンの方が漏れが少ないと思います。
     美容室の場合は、客は自由にしてもらって、美容師の方が医療用マスクをするのがいいんじゃないかと思います。あと、部屋の換気を徹底する事と、空気洗浄機を導入する事かな? どちらにせよ、他人と近接しないとできない職業ですから、覚悟を決めるしかないし、怖いなら転職するしかないと思います。

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