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古典は押さえておかなきゃダメだな

 実にお恥ずかしい話ですが、私は今まで「オズの魔法使い」という映画を見た事がありませんでした。もちろん、有名なシーンは断片的には知っていたし、話の内容も辞書的(ってかwiki的)な程度は知っていましたが、実際の映画をきちんと見る事はありませんでした。だいぶ前にDVD化され、DVD自体は持っていましたが、なかなか時間を作れずにいて、見る機会がなかったのですが、このたび、やっと時間を作って「オズの魔法使い」を見る事ができました。
 で、見てビックリです。色々な事が頭の中で一気につながりました。いやあ、やっぱり、古典は押さえておかなきゃダメですよ。
 「オズの魔法使い」は1939年のアメリカの映画です。1939年と言えば、昭和14年です。いわゆる戦前です。ノモンハン事件が起きたり、ナチス・ドイツやソ連がポーランドに侵攻したり、東芝やJASRACが設立したりしていました。映画の話をすれば「風と共に去りぬ」や「嵐が丘」「駅馬車」なども公開されています。この翌年にはチャップリンの「独裁者」も公開されています。ほんと、昔の映画だね。
 「オズの魔法使い」は、いわゆる児童向けの映画で、アメリカでは今でも年間2~3回ほどテレビで放送されるほどのドメジャー作品(日本のジブリ映画なんて、比較にならないほどの、高頻度での再放送ですね)で、アメリカ人なら誰でも知っていて当然という作品のようです。もう、常識も常識って感じの映画のようです。
 ですから、この映画に出てくる事は、何の解説もなしに、アメリカ人の言い回しとか映像表現にポンポン出てきます。
 例えば…、オズ(オージー:OZ)って、よく耳にしますが、オーストラリアの事(オージー:Aussi)ではなくて(笑)“どこでもない場所”って意味で、最近の日本語で言えば“異世界”または“異世界人”って意味です。ビックリでしょ?
 黄色いレンガ道(Yellow brick road)が、しばしば幸せ/成功へ至る道として使われるのは、この映画でそうなっているからだし、アメコミでは、しばしば緑色の皮膚のキャラがいて、それがたいていは悪役なのは、やっぱりこの映画ではそうだからです。日本だと、緑の皮膚の人なんて、くさ系ポケモンを除けば、ガトランティス帝国人ぐらいしかいないじゃん。
 童話やファンタジーでよく聞く“西の魔女”も、この映画が初出だし、かかしのダンスはマイケル・ジャクソンのダンスにクリソツでビックリで、そのマイケル・ジャクソンは、ソロデビュー前に「オズの魔法使い」のリメイク映画の「ウィズ」でかかし役をやっているし、プログレ・バンドのトトのバンド名の由来も、この映画にあるようだし…。
 たぶん、私が気が付かないだけで、他にも色々な事が、この映画が下敷きになっていたりするんだろうと思います。
 日本人には日本人の常識があり、アメリカ人やヨーロッパ人には彼らの常識があり、それぞれのエンタメをきちんと楽しむためには、我彼の常識を踏まえた上で鑑賞しないと分からない事だらけです。
 例えば、最近また続編が公開されているけれど、映画「ターミネーター」におけるサラ・コナーって“聖母マリア”で、ジョン・コナーは“幼子イエス”だったりするわけだけれど、そのメタファーがパッと見抜けるかどうかって、あの映画を鑑賞する際の重要なキーだと思うし、アメリカ人たちは肌でそれが分かっているんだけれど、たぶん、大抵の日本人は(映画評論家も含めて)そこに気づいていないんだよね。だって、聖書物語って、アメリカ人にとっては常識だけれど、日本人は知らないのが当たり前だものね。
 あちらのエンタメ(オペラとかミュージカルとか海外ドラマとか)をたっぷり楽しみたい、私みたいな人は、あちらの人たちの常識を理解していた方が、より楽しめるわけで、そういう点で、やはり古典作品は押さえておかないといけないなあと、今回「オズの魔法使い」を改めて鑑賞してみて、そう思った次第です。
 さて、次に見るべきは「雨に唄えば」とか「アラビアのロレンス」とか「ベン・ハー」だろうなあ…。 実はこれらの名作映画も見てないんだよね(汗)。あ、そうそう、チャップリンもほとんど見ていないよ。考えてみると、あれこれ抜けているなあ…。これからの人生は、そういった“古典に親しむ”事に気を使ってみるとしますか。
 最後に「オズの魔法使い」って、古い映画なので、すでに著作権が失われていて、パプリックドメインになっていますので、ネットで見ることもできます。
 パブリックドメインの映画って…お金をかけてまで日本語版ってのが作れないので、吹替版が作られなかったり、字幕も推敲が足りなかったして、イマイチと言われますが、この動画はどうでしょうね?

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コメント

  1. tetsu より:

    こんばんは。
    >「オズの魔法使い」
    劇場とかVHSではなくたぶんBSで見ていました。スタジオセットで時代を感じました。ストーリーは小さい頃本では読んでいたので、という程度です。
    いまはwikiもバカにならないです。どこまで本当か怪しいとされながらリンクはいくらでもあるのでチェックし始めるとキリがありません。
    Totoの起源は今までトイレメーカーとおもっていて、完全に彼らのジョークに騙されていました。
    >パプリックドメイン
    ディズニーが著作権を延々と延ばし続けるのでパプリックドメインの映画はないと勝手に思い込んでいました。
    https://publicdomainflix.com/
    Night of the Living Dead(人を襲うゾンビ映画として最初の作品 by wiki)があって時間のあるときゆっくり見たいです。
    『カメラを止めるな!』はこの映画へのオマージュですね。
    ありがとうございます。

  2. すとん より:

    tetsuさん
     そうそう、バンド名がトイレメーカー由来と言うのは、全くのジョークで、彼らは来日してトイレに行って、自分たちのバンド名が便器に印刷されていてビックリしたというのが、本当のところです。でも、日本人なら、ついついトイレメーカーが由来と言われると信じてしまいがちです。
     あのトイレメーカーの便器のミニ模型(色見本)が昔、我が家にたくさんありました。と言うのも、私の弟が以前、そこのメーカーで働いていた(今は違います)ので、そんなわけで、たくさんのミニ便器があったんです。
     パブリックドメインの映画はたくさんありますよ。廉価DVDとして発売されている映画は、大半がパブリックドメインです。映画自体はタダでも、字幕とか吹き替えはタダにはならないので、それの製作料が価格になっているんですね。ですから、英語がペラペラなら、tetsuさんの貼ってくださったリンクのようなところから見てもいいんです。
     私は映画は日本語吹き替えで見たい人なので、1枚千円程度のDVD(この価格帯なら翻訳もちゃんとしているそうです)を購入して見ています。今回の「オズの魔法使い」もそのパターンです。

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