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マラソンと競歩は札幌で行われるらしい…

 2020年東京オリンピックの競技種目のうち、マラソンと競歩を札幌で開催する事に、変更されたそうです。変更したのは、国際オリンピック委員会(以下、IOC)です、つまりオリンピックの主催者がそのように決めたってわけです。
 もちろん、驚いているのは、開催都市である東京であり、その責任者である都知事です。あんまりビックリして「マラソンは北方領土でやればいい」みたいな捨て台詞まで言っちゃったくらいに、都知事は怒っております。まあ、無理ないね。マラソンは、オリンピックの目玉競技の一つだからね。ここまで準備してきたのに、直前でメインディッシュを取られてしまう感じなんだろうと思います。
 マラソンと競歩が札幌に変更になった理由は「東京は暑すぎる」「涼しい札幌なら、選手の健康を守れる」からだそうです。そりゃあそうなんだけれどサア~、でもね、それって、東京の夏が命にかかわるほどの猛暑である事は、最初っから分かっていた事なんだけれど…ね。
 招致の時の東京の立候補ファイルには、東京の7~8月の気候について「晴れる日が多く、かつ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」で書いてあったそうです。それを信じたIOCの委員の皆さんは、まさか日本人の言う「温暖」が30度超えの“真夏日”や35度超えの“猛暑日”の事であるとは、思わなかったろうね。ヨーロッパの夏って、30度を超える事って、まずないでしょ? 彼らの考える「温暖」って、たぶん20度代の前半ぐらいじゃないかな? つまり、日本人の「温暖」とは10度の感覚の違いがあったってわけだ。
 もっとも、私は生粋の日本人だけれど、東京の夏は「温暖」であるとは思わないよ。あれはやっぱり「酷暑」だよね、命の危険を感じます。そういう意味で、私の感覚はヨーロッパ人並なのかもしれません。なにしろ、東京の夏って、暑いもんなあ…。夏のリゾート地のイメージの湘南よりも、暑いもの、信じられる?
 なので、マラソンと競歩が札幌に変更されるのは、オリンピックを真夏に開催する以上、決定時期が遅くて、準備がめっちゃ大変だと思うものの、まあ妥当だと思いますよ。ついでに、トライアスロン、馬術、サッカー、ラグビーなど、その他の屋外競技も東京以外の涼しい場所でやればいいのに…って思います。馬術なんて、メッチャ暑くても、競技の時はスーツ(馬術服)を着ないといけないんだよ。長袖長ズボンでジャケット着用で帽子までかぶるんだよ。熱中症で倒れないのが不思議なくらいです。まさか、マラソンランナーの健康には配慮して涼しい地域で競技をするけれど、その他の競技の選手は暑い地域だけれど根性で乗り切れとか言うんじゃないでしょうね。
 オリンピックって、都市ごとに開催するって原則があるにも関わらず、東京オリンピックって、東京以外の都市でも開催するんですよね。つまり、東京オリンピックは挙国体制なんですね。挙国体制なら、どこでやっていいいじゃんって思うわけです。
 ちなみに、東京以外の都道府県で行われる競技だと、こんな感じです。
神奈川県…セーリング・野球・ソフトボール・サッカー
埼玉県…バスケットボール・ゴルフ・サッカー
千葉県…テコンドー・レスリング・フェンシング・サーフィン
北海道…サッカー
静岡県…自転車
茨城県…サッカー
宮城県…サッカー
福島県…野球・ソフトボール
 ううむ、北海道を除けば、東京以外の地域もほぼほぼ酷暑な地域ばかりだなあ。それでも東北地方は、関東よりも少しは涼しいかな?
 もういっその事、冷房を入れられる屋内競技はガンガン冷房を入れて東京でやって、冷房を入れられない屋外競技は、北海道を始めとした、比較的涼しい地域で行う…じゃダメ?
 でもまあ、競技場が涼しければいい…ってわけじゃないのも確かです。
 オリンピックの選手たちって、基本的に選手村で寝泊まりしているでしょ? 選手の事を考えると、競技会場が選手村から遠いと移動が大変だから、本当は望ましくないんだろうと思います。まあ、神奈川県・埼玉県・千葉県は、遠いと言ってもバスで行ける程度でしょうから問題ナシですが、その他の地域はどうなんでしょうね。移動しているうちに、体調を崩してしまう選手はいないかしらね?
 マラソンと競歩を札幌でやる事に個人的には反対しない私ですが、選手村から競技会場までの移動は大丈夫なのかしら? バス移動は無理だよね。飛行機で日帰り移動? それもどうなの? そこはほんと、心配です。おそらく、札幌にも選手村を作って、前日に乗り込むくらいのスケジュールで行かないと、選手の体調は守れないんじゃないかしらね?
 以前から、マラソンに関しては、東京は暑すぎると言われていました。そこで東京都は、暑さ対策として、今まで税金をかなりたくさん(一説によると3千億円ほど)投入して、少しでも涼しい環境でマラソンができるように工夫してきたそうですが、マラソンが札幌に変更になったら、それが無駄になってしまうわけで、そりゃあ都知事が怒って、ヘンチクリンな事を言ってしまうのも無理は無いっす。
 東京の夏が温暖だと言い切った、オリンピック招致委員も無責任だけれど、それを鵜呑みにしたIOCの方々もどうかと思います。昔の東京オリンピックみたいに秋に開催できれば良かったのだろうけれど、夏季オリンピックを真夏に行うってのは、アメリカのテレビ局の資金がオリンピックに流入した21世紀以降では既定路線であり、それを承知で、東京は立候補しているんだから、いまさら「夏は暑いです。秋がいいです」とは言えないわな。秋じゃなきゃできないくらい暑いなら、最初っから立候補するな…と言われそうです。実際、カタールみたいにオリンピックを招致したいのに「カタールは夏が暑いのでオリンピックはダメ」と言われてオリンピックを招致できない国だってあるわけだからね(で、世界陸上を開催して夜中にマラソンやったら、暑さで選手がバタバタ倒れたとか…、それが飛び火して、今回の「マラソンは札幌で」につながったとかなんとやら)。
 東京の夏が酷暑である事がバレてしまったので、東京でのオリンピックは、今回が最後になるんだろうなあ…。
 だから、次に日本で行う夏季オリンピックは、真夏の気温を考えて、それこそ札幌を始めとした北海道でやるといいよね。あるいは、高原地帯である長野とか(笑)。これら両都市は、冬季オリンピックを行った実績もあるんだから、頑張れば夏季オリンピックだってできるんじゃないの?
 現在のオリンピックは、アメリカのテレビ局の1コンテンツとして運営されているわけだし、そこに参加させてもらっている以上、スポンサーの意向に合わせるしかないのだけれど、本来日本でオリンピックをやるなら、やっぱり、春か夏がいいよね。個人的には、桜の季節にオリンピックをやれたら良かったのに…と思ってます。花粉症でつらいけれど(涙)。
蛇足 今回の変更は選手のため…という事だけれど、おそらく選手たちは東京の夏を走る前提でコンディションを整え、戦略を立てていたと思うんだけれど、札幌で走ることになれば、それらの変更を余儀なくされるわけだけれど、それって、レースまで1年を切った現在でも調整可能なのかしらね? 私はマラソンについては全然分からないけれど、どうなんだろ?

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コメント

  1. tetsu より:

    こんばんは。
    > 東京の夏が温暖だと言い切った、
    https://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0907ioc_presentation.html
    フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています。
    ビックリです。数十年、数世代後にはチェルノブイリのように石棺にするとしかおもえません。
    https://www.greatman-words.com/politics/adolf-hitler-the-public-tends-to-be-at-the-expense-of-the-big-lie.html
    大衆は小さな嘘より大きな嘘の犠牲になりやすい。とりわけそれが何度も繰り返されたならば
    と言ったのはヒトラーです。
    失礼しました。

  2. とも より:

    自治体独自ボランティアに応募し、プレイベントで活動しています。
    今は涼しいし、建物の中での活動ばかりなのでありがたいですが、2020での独自ボランティアって屋外の案内がメインらしいのです。
    正直、活動に恐怖を感じます。
    屋外で待つ人たちの案内を炎天下の中、数時間行うなんて、大丈夫なのかと思ってしまいます。
    いまやボランティアなしでは大規模イベントは機能しませんし「できることを無理なく」行うはずのボランティア、意味合いが違ってきているのではないかと時折思います。

  3. すとん より:

    tetsuさん
    >統御されています。
     日本語訳で見ると、福島(カタカナ表記のフクシマは好かんです)は全く安全である…という風にも読めるので、安倍さんが嘘を言っているように思えますが、実際は“The situation is under-control”と言っているだけで「福島の件に関しては、完全に我々の管理下にある」と言っているだけで、安全であるとは言ってません。まあ、安全であると思いたいのですが…。
     まあ、福島の事は、理性で考えるなら、県内に新設された競技場でスポーツ競技をする/観戦する程度の短期の滞在なら、問題はないだろうと思ってます。むしろ、そこに大勢の人を呼び込む事で、経済的に復興支援につながっていくんだろうなあとは思います。
     もちろん、原発跡地に行けとか、その近隣で一生暮らせとか言うのなら問題が無いとは言い切れないと思いますが…。
     このやり方、経済的にはうまいやり方でしょうが、政治的には隙だらけなやり口であると言えなくもないです。
     福島の場合、広島とは違って、目には見えないけれど、今もまだ核燃料は燃え盛っているわけですから、それを完全に排除しなければ、安心できない人たちもたくさんいます。それなのに、そこでスポーツ競技をやっちゃうわけですから、文句を言いたい人たちに文句を言わせる口実を与えちゃうわけですね。ほんと、隙だらけです。
    蛇足 福島と言うと、私は五色沼が好きで、以前はよく行ったものです。最近は縁がなくて行っていないのですが、あれこれ落ち着いたら、また訪問したいものです。

  4. すとん より:

    ともさん
    >正直、活動に恐怖を感じます。
     こちらは東京の話ですね。屋外での案内がボランティアの仕事なら、確かに恐怖を感じても仕方ないと思います。東京での真夏の数時間に渡る屋外活動って、かなり対策をきちんと施した上で、健康的にも体力的にも不安のない人々で行うならともかく、一般の方によるボランティアでは、本当に大丈夫なのかしら…って思わざるを得ません。
     気持ちはあっても、体力や熱耐性に不安のある方も大勢いらっしゃるでしょうね。そういう方へもきちんと配慮した上での、ボランティア計画をオリンピック関係者にはお願いしたいものです。
     少なくとも、私は無理かな? 夏の日差しの中で3時間ぐらい立っていたら(おおげさでなく)倒れちゃいます。1時間働いたら、涼しいところで30分ほど休憩して、また1時間働いて…くらいのゆるい環境でなら、なんとかなるかもしれませんが、連続で数時間は無理です。ジジイの体力をなめちゃいけません。

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