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少子化の原因は、恋愛至上主義なんじゃないの?

 一体、いつから恋愛しないと結婚してはいけない世の中になってしまったのでしょうか?

 昔々…と言っても、そんなに昔の話ではありません。少なくとも私が若い時はまだ残滓があったし、私の親世代では、ごくごく当たり前の話でしたが、その頃の結婚ってのは、親とか家とかが決めるものであり、結婚相手は、親とか親戚とか、あるいは地域の世話役(“見合いババア”とか呼ばれていた人たち)が“お見合い”というカタチで結婚の世話をしてくれたものです。恋愛を経て結婚に至る人たちもいたけれど、全体的には少数派だったかな? だから明治~昭和前半の文学作品のテーマに「親がすすめる見合いのために、愛し合う二人の仲が割かれる」ってのがあったわけです。

 つまり、ほんのちょっと前までの日本では、恋愛と結婚は別物だったわけです。だから、恋愛しなくても、多くの人は結婚して家庭を作っていたわけです。

 戦争に負けて、アメリカ的な文化が入り込み、いつしか結婚は『“愛し合う二人”による愛の完成形』という事になり、恋愛を経なければカップルとなれず、カップルになれなければ結婚できない、という事になってしまったようです。

 でしょ?

 陽気なヤンキーにとっては、恋愛なんて日常茶飯事でしょうし、それこそ「愛のない結婚生活なんてアンビリーバボー!」って事なんだと思うけれど、日本人にとっては、有史以前からつい最近まで、結婚は周囲のオトナたちが準備してくれるモノであって、結婚式の当日まで結婚相手の顔も見たことない…なんて事だって、あったわけです。

 そんなやり方で、つい最近まで、私たちが暮らす社会は成り立っていたわけです。

 つまり、ごくごく最近まで、多くの日本人にとって、恋愛は必要不可欠なものでなく、しなければしなくても全然構わないモノだったのです。それこそ、仕事一筋、あるいは趣味に没頭した生活をしていても、年頃になれば、適当な相手を見繕ってもらって、結婚して、家庭を営み、その中で相手に対する情愛が生まれ、子どもも生まれて、家族として育っていく…わけです。別に恋愛感情なんてなくても、結婚できたし、家庭も作れたし、社会生活も営めたわけです。

 でも昨今は、まず恋愛でしょ? 恋愛結婚こそが結婚へ至る王道であり、かつてのような、親とか親戚とか見合いババアの紹介による見合い結婚はすっかり廃れてしまいました。代わりに、同世代たちによる合コンなどの集団見合い的な催しは行われるようになったけれど、合コンと結婚は別につながらないし、業者による結婚仲介サービス業もあるけれど、成婚率もそうだけれど、そもそもこれらのサービスを利用する人たちって、どれくらいいるんでしょうね。また、地元振興の名目で各自治体が各種お見合いサービス(例えば“街コン”のようなモノ)もしてますが、これだってどうなんでしょうね。

 私が思うに、日本人の基本的な性格って、決して陽気ではないし、外交的でもないんだと思います。どちらかと言えば、見知らぬ人を警戒する用心深さと、仕事などの自分の役割に没頭する真面目さを兼ね備えた、ヲタク的な性格の持ち主が多いと思います。その上、結婚適齢期の、まだまだ人生経験の少ない若い世代では、他人とコミニュケーションを取る事自体に慣れていない事もあり「恋愛? ムリムリ」と思っている人も多いことでしょう。

 実際に若い人たちと話をしていても、男女問わず、自分が将来結婚できるとは思っていない子って、本当の本当に多いです。自分が恋愛をしている姿が想像できないそうで、恋愛しない以上、相手がいないわけですから、結婚も無理…って思うそうなんです。

 …だよね。私も若い人たちを見ていると、この連中が恋愛できるとは思えなかったりするもの。コミュニケーションが下手くそで、人間関係を構築するのが不器用で、顔見知りの同性同士で遊んでいるのが楽しくて居心地が良くて、ほどほどに真面目だから仕事に勉強に熱心だったりして…そりゃあ、恋愛するチャンスなんてないし、仮にチャンスがあっても、それを活かせるとは、オジサン、全く思わないわけです。

 おまけに、それらの難題をクリアしてカップリングに成功しても、若い世代は経済的にも恵まれていない子が多いから、結婚を先送りにしているうちに仲が冷めて、別れちゃったりするわけでしょ? で、一度失恋すると、いつまでもそれを引きずってしまうのも今の若い子の特徴のようで、なかなか次の恋愛には踏み出せないようです。

 結局、恋愛なんて、我々日本人には、ハードルが高いんだと思います。恋愛を日常的に行うためには、オープンマインドと巧みなコミュニケーション能力が求められるわけだけれど、残念ながら、それらを標準装備している日本の若者って、ほんと、少ないよね。

 我々は、与えられた人間関係を維持するのは得意でも、新規の人間関係を作り上げるのは苦手なんです。だって、与えられた人間生活を維持しつつ新規の人間を排除するってのは“村社会”の特徴だもの。結局、先進国となった今でも、我々のメンタルは昔ながらの“村社会”のままなんだと思うわけです。

 日本人はやっぱり日本人なわけで、陽気なヤンキーにはなれないわけです。それを無理して恋愛至上主義みたいなモノを取り入れちゃったから、多くの若者が恋愛できずに、結婚にたどり着けず、高齢独身となって出産する事なく人生を終えるわけです。

 そりゃあ、人口だって減るよね。

 恋愛なんて趣味的なモノであり、やりたい奴はやればいいけれど、恋愛しなくても、きちんと結婚をして家庭を築いていける、かつての日本のような社会を取り戻さないと、ドンドン日本人が減っていき、やがて絶滅危惧種になって、この世から日本人と日本国と日本文化が無くなってしまうよ。

 そうしたら、きっと、この日本列島には中国人たちが住むんだろうなあ…。だってあの人たちの繁殖力たるや、実はすごいもの。半端ないよね。やがて世界人類の大半が中国人になってしまうんじゃないかしら…って思う時、あるからなあ。

 それもなあ…、なんかなあ…。

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コメント

  1. ドロシー より:

    すとんさん、こんにちは。
    そう、私も田舎の叔父からお見合い、勧められたことがありましたが、断りました。
    「ホラ、公務員だぞ。ハイスペックだろ~」と言われましたが、都会でキャリアを築きたい私には余計なお世話でした。
    結局のところ、職業にせよ、結婚相手にせよ、例え本人が希望したことではなくても、どこかしら「これで良かったんだ」と思いたいのだと思います。

    20年くらい前の女性向の雑誌では、「姉妹を二股」「クリスマスイブは5人の彼女を梯子」という男性の浮気の武勇伝みたいのが、載っていましたが、今は「面倒」の一言ですね。
    ファイナンシャルプランナーによると、生涯の可処分所得を考えると、夫婦共働きの方が、独身単身者より有利なのだそうですが、そんな知識もなく、「どうせ、こんな低収入だからムリ」といっている男性って、実は多いですね。

    そういう私も、日本に中国人を増やさないために、子供を産もうなんて考えたことは全然ありません(笑)

    >かつての日本のような社会
    よくすとんさんのブログに出て来る文言ですが、その具体策は?「かつての日本」とは、情報の量もスピードも全然違いますよ。若者にとって「かつての日本」に魅力がないから、「かつての日本」になれないわけです。SNSで日ごろ通う飲食店の自慢さえしていれば、恋愛も結婚も不要な価値観になりつつあります。というか、そのうち恋愛の相手もAIで代用できるようになったりして。

  2. すとん より:

    ドロシーさん

     私が「かつての日本」と言っても、別にその時代に戻りたいと願っているわけではありません。私は、今の日本が、過去のどの時代よりも幸せだと思っているからです。もちろん、バブルの頃と較べても、いくら不況で経済的に苦しんでいるとは言え、今の方が良い世の中だと思ってます。

     ただ、今の世の中が満点であるとは思っているわけではなく、やはり部分部分では不満があります。その一点において「かつての日本」が良いと言っているわけだし、その「かつての日本」は具体的にどの時代なのかと言えば、論点ごとに全然違うわけで、そういう意味では、あまり深く考えて使っている言葉じゃあありません(ごめんね)。

     今回の恋愛結婚の記事で言えば、戦前の日本が「かつての日本」になりますが、だからと言って、戦前の日本のような社会になればいいとは思ってません。パソコンやインターネットの無い社会なんて、まっぴらごめんですね。でも、恋愛せずに結婚できた、あの時代は良い時代だったろうなあって思ってます。

     恋愛反対な私ですが、個人的に、きちんと大恋愛をして今の妻と結婚していますので、私的には、恋愛結婚は容認派であったりします。でも、日本の社会全般を見回した時に、恋愛しないと結婚できないという風潮には物申したいわけです。

  3. ドロシー より:

    すとんさん

    「かつての日本」を戦前の「恋愛しなくても結婚できた時代」とするのであれば、今は「恋愛しないと結婚できない時代」というよりも「恋愛しないと結婚の意欲も薄い時代」なんだと思います。
    恋愛や結婚よりも楽しそうに見えるものなんて、いくらでも探せますからね。
    昔の「お見合い」にしたって、恋愛はしなくても相手に対して生理的に受付られない人でもなかったでしょうし、きっと「大好きってわけでもないけど、ま、いっか」くらいの意識はあったのではないでしょうか?

  4. すとん より:

    ドロシーさん

    >恋愛しないと結婚の意欲も薄い時代

     否定しません。同性同士で遊んでばかりいて、異性と暮らす楽しみとかワクワクとかドキドキとかを知らないと、結婚なんてしようと思わないからね。

     恋愛よりも楽しそうに見えるものは、確かにたくさんありそうです。でも、恋愛ほど楽しいものは他に無い…って私は思いますが、若い人たちはそうは思わない…のかな?

     どちらにせよ、恋愛は体力気力の両方を必要としていますので、若い時代じゃないと出来ないって思ってます。そういう意味では、恋愛に興味が無いって思っている人は、体力気力に不足があるんじゃないかしら…なんて余計な事を考えたりします。

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