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カラオケに行って困る人

 まあ、いわゆる“音痴”とか“赤面症”とか“あがり症”などの人は困るでしょうし、また“恥ずかしがり屋さん”とか“シャイな人”も困るでしょうが、私が言いたいのは、そういう人の事では、もちろんありません。

 クラシック声楽とか、合唱とかをやっている人の中に、カラオケに行って困る人、結構いるのでは? オペラアリアは上手に歌えるけれど、J-POPは無理ですって言う人、いるよねえ~。

 クラシック声楽とか合唱とかをやっている人って、本来的には歌は上手なはずです。少なくとも、J-POPを歌うには困らない程度の歌唱力を持っていると思われがちですし、実際問題、困らない程度の歌唱力(正しい音程で正しいリズムで歌える事、程度の意味です)を持っているものです。ですから、門外漢的には「合唱やってて、カラオケが歌えない? ありえないでしょう???」って思うのですが、それでも「カラオケは苦手~」って言う人はいます。

 なぜでしょう?

 クラシック声楽や合唱をやっているにも関わらず、カラオケは苦手だと言う人って、たいてい女性ですね。

 クラシック声楽をやっている男性で、カラオケが苦手だという人はあまり多くないと思います。たまに「カラオケは苦手だな」という人がいますが、そういう人はたいてい合唱をやっている人であって、それは歌唱力的な問題ではなく、多くの場合「人前で一人で歌うのは恥ずかしいからイヤだ」という理由が大半です。ほら、合唱って、決して一人で歌う事ないですからね。いつも仲間と一緒に歌っているわけで、それを一人きりで歌うと…“恥ずかしい”のと“心細い”のとが混ざってしまって「イヤだな」という気持ちにつながるようです。

 つまり、男性の場合は、心理的な障壁の問題から、カラオケに苦手意識を持っている人もいますが、女性の場合は、心理的な障壁以外にも問題があって「カラオケは苦手だな」という人がいるようです。

 だいたい、カラオケが苦手だという女性の多くはソプラノさんです。メゾとかアルトの人には、カラオケが苦手だという人は少ないように思います。

 ではなぜソプラノさんはカラオケが苦手で、メゾさんやアルトさんたちには、あまりカラオケが苦手だという声が上がらないのかと言うと…それはカラオケで使われるポピュラー発声と、ソプラノさんの発声は、かなり違うけれど、メゾさんやアルトさんは、そんなに違わないからです。

 すごく乱暴に言ってしまうと、カラオケで使うポピュラー発声と言うのは、地声で歌う発声方法の事で(本当は間違っているのだけれど)メゾさんやアルトさんたちも地声で歌う人が多いのですが、ソプラノさんは地声ではなく(厳密には違うのだけれど)裏声で歌います。日頃、裏声で歌っている人だと、地声で歌うことが苦手だったり、できなかったりするんですね。だから、ソプラノさんはカラオケが苦手だったりします。

 ちなみに男声は、テノールであれバスであれ、裏声で歌う事はありません。(厳密には違うけれど)男声は常に地声で歌いますので、カラオケに苦手意識はないのですね。

 だいたい、クラシック系の歌手で、ポピュラーソングのアルバムを出す人って、たいてテノールかメゾでしょ。やはり、このあたりの声種がポピュラーソングとの相性が良いのだと思います。

 相性が良いどころか、テノールに至っては、マリオ・ランツァ以来の伝統がありますからね、テノールにとって、ポピュラーソングは大切なレパートリーの一つだったりするわけです。

 とは言え、ソプラノにもサラ・ブライトマンのような人が現れてきました。クラシカルな発声でポピュラーソングを歌い始めているので、やがてはソプラノさんが裏声で堂々とカラオケを歌える日がやってくるかもしれませんが…それにはもう少し時間が必要かもしれません。でもそれは、あくまでもポピュラーソングであって、J-POPとは限らないんだな。

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コメント

  1. おぷー より:

    え?私ソプラノですけど、カラオケで歌いますわよ。
    カーペンターズ、得意!です。ビリー・ジョエルも歌います。
    日本のは、井上陽水とか。古くてスンマヘン。

  2. すとん より:

    おぷーさん

     おぷーさんは、ポピュラー発声(胸声発声と言うか、地声唱法と言うか…)が得意なんじゃないですか? 声を胸に落として歌う…出来ない人は出来ないそうですよ。まさか、クラシック発声のまま歌っちゃうとか?(そんな事をすると、こっちじゃ後ろ指さされます:笑)。

     ちなみに、おぷーさんは、ビリー・ジョエルとか井上陽水などの男性の歌を歌う時、1オクターブ上げて歌いますか? それとも実音で行きますか?

  3. おぷー より:

    昔、バルカン合唱団(バルカンの民謡を合唱で歌うんです。)に居た時に、
    地声の技術を手に入れました。(クラシック歌手には、厳禁とされているそうです。)
    もともと話し声が、マリア・カラスより低いです。
    ですから、ビリー・ジョエルも陽水もオクターブ上げる事なく歌ってます。
    カーペンターズの歌を歌う時に、所々裏声になります。
    Moon Riverは裏声の甘い声で、歌うと大受けです。
    使い分けてます。:)

  4. おぷー より:

    マリア・カラスの話し声。http://youtu.be/DKWIoKBKcUw
    好きな声です。

  5. 夜の女王 より:

    今日は。ご無沙汰しています。
    当に私の事です。クラッシック音楽以外は関わりが殆んど無いので幸せです。喉を守る為にカラオケは、環境が良くない(煙草の煙など)し、雰囲気もよくないので、行きません。

  6. だりあ より:

    カラオケ・・・・・あこがれてますが、なかなかお仲間が誘ってくれないんですよ。フルートのお仲間は演歌とかカラオケとか、あまりお好きではないようです。ガチのクラシックな方なのです。
    一人カラオケとかもあるそうですが、そんなことをやってのける蛮勇?あればこそ?、とは思いますが、とても持ち合わせず・・・。

    十数年前に、クラス会の宴会帰りに一度行ったときは、マイクが回ってきたときに美空ひばりさんのクラシックな演歌を歌いましたが、こぶし回らず、肝心なところでいまいち声の伸びが足りず、息切れ・・・何拍かカラオケのみがカラまわりしてしまってました。

    今のポップスで私が歌える歌はありません。だいたい覚えられません。情けないです。がんばっていまどき演歌の二つや三つ歌えるようになりたいと思っています。

  7. すとん より:

    おぷーさん

     バルカン民謡は知りませんが、ブルガリア民謡を歌う女声合唱団のCDは持ってますよ。皆さん、地声でハモっておりました。確かに、あれはクラシック系とは全く別の発声方法なんじゃないかな?

     カラスの歌声は知ってますが、話し声をきちんと聞いたのは始めてかも。確かに話し声はお世辞にも高いとは言えませんね。日本の合唱団だったら、この話し声だと、まちがいなくアルトにさせられてしまいそう(笑)。

     おぷーさんの声は、これよりも低いのだとしたら、日本だとアルトですね、完全に(笑)。カーペンターズのカレンの歌声よりも低いなら、絶対にアルトですよぉ。

     そう言えば、そちらのオペラ歌手さんって、高音歌手さんでも、話し声の低い人、結構いますよね。

  8. すとん より:

    夜の女王さん、おひさしぶり。

     確かにカラオケって、タバコ臭い部屋が多いです。私もタバコは吸わないので、よく分かります。しかし、10分もいると慣れるので、気にしない事にしてます。それに、タバコ臭さを我慢しても、ポピュラー・ソングを歌いたい時って、私にはあるんですね。

     ただただ、沢田研二を歌い続けていたい…そんな時があるんです(笑)。

  9. すとん より:

    だりあさん

     確かに一人カラオケは…寂しいですね。私も、それはできません。でもまあ、私の場合、カラオケしたくなったら、妻を誘って二人で行きますので、結構気軽に楽しめます。

     演歌、いいですよぉ。私は若い時は演歌を馬鹿にしていましたが、自分がオペラの真似事をするようになって、演歌の良さと、演歌歌手の凄さに、ようやく気がつくようになりました。美空ひばりなんて、ほんと、天上の歌手です。

    >今のポップスで私が歌える歌はありません。

     私も歌えるどころか、まず曲も知りません。でも今はYouTubeという便利なモノがあるので、知らない曲でも、タイトルさえ分かれば、とりあえず“勉強(笑)”できます。

  10. 椎茸 より:

    カラオケ好きです~! 1人でも行っちゃいますね。むしろ1人で行ってばばーっと歌って帰るのが楽しいです。
    クラシックはクラシック、カラオケはカラオケです。
    わたしにとっての天上の歌手は、ちあきなおみですね~

  11. すとん より:

    椎茸さん

     すごい、カラオケ、一人で行っちゃいますか? 尊敬します。私はカラオケ、一人で行けません。あと、一人で行けないところと言うと…洋服屋かな(笑)。だって、何を買っていいか分からないモン。洋服を買うのは、実際に面倒でかないません。

    >クラシックはクラシック、カラオケはカラオケです。

     最近の私は、ポピュラーをクラシック唱法で歌うようにしているかな? そういう遊びをしています(笑)。

  12. みかん より:

    一人カラオケ。現在一人カラオケを応援するカラオケボックスも増えているようで
    一人用の値段設定などもあるカラオケ屋も多数あるみたいですね。
    楽器練習や、一人個室でまったりお茶したいときなども結構利用しております。

    声楽の歌い方と、カラオケの歌い方は随分違うので
    声楽の歌い方の練習ばかりしている昨今、

    カラオケの歌い方を忘れつつある今日この頃。
    しかしながら、声楽の歌い方でも歌えるアニメソングなど色々探して歌っております。

  13. すとん より:

    みかんさん

     一人カラオケに特化したカラオケ屋さんがあるのですか? そう言えば、そんな情報をテレビで見たような気がします…が、当地にはそんな店はないので、失念していました。そうか、都会はそんな状況なのか?

     一人用と言えば、もう数年前になりますが、東京で一人客に特化したラーメン屋に入ってしまってビックリしました。席が一人ひとり、しっかりと区切られ、他のお客の姿を見ないでラーメンが食べれるという店です。いや、他の客どころか、店員すら仕切りの向こう側にして、呼べば手が出てくるだけで、顔も見えなきゃ、声も聴こえないという、なんかケージにでも入ってような気分にさせられるラーメン屋さんでした。ラーメンそのものは美味しかったのですが、その閉塞感に嫌気がさしたものです。一人用カラオケも、部屋は狭いんでしょう? デパートの洋服売り場の更衣室みたいな感じだったら、私はイヤだなあ。

  14. wasabin より:

    私、クラシックと演歌は歌えます、と、言うか、ポップス、ジャズ等は歌えません。
    母が演歌派、父がクラシック派で育ちましたから、耳に残って居るんです。

    音楽の好みは激しいですが、、ジャズはなんとか「お洒落な人」になろうと2、3箇所体験レッスンに行きましたが、結局嫌いでした(~~;)

    有る時、椿姫のAddio del passato (さようなら、過ぎ去った日よ)を歌ったら、「なにこれっ!?」途中でレッスン止めてもらいました。
    演歌に聞こえちゃったんです(‘@0@’) 
    美空ひばりの曲と共通点あるんでしょうかしら??

  15. すとん より:

    wasabinさん

    >椿姫のAddio del passato (さようなら、過ぎ去った日よ)を歌ったら、「なにこれっ!?」途中でレッスン止めてもらいました。

     演歌ですか…何となく分かります。この曲、哀愁の漂う部分のメロディーは四七抜きですよね。おまけに短調だし。たぶん、そういうのが、なんか演歌っぽく聞こえるのかもしれませんし、私もこの曲が演歌っぽい事には同情します。

     ただ、美空ひばりが歌うには、かなり音域が高いですね(笑)。ひばりは、メゾぐらいの音域だと思うんですよ。

  16. おぷー より:

    黒柳さんの喋り声も結構低いですね。
    ですけど、彼女が声楽を習った時は、ソプラノだったので、皆に不思議がられたと
    述懐されてます。
    多分、私の声もそんなもんです。

    そのバルカン合唱団に入っていた時、小さいブルガリア人女性が指揮者でした。
    彼女は、あの歌い方の歌手だったんです。こぶしの回し方が絶妙で、
    驚嘆させられたもんでした。
    懐かしいです。

  17. すとん より:

    おぶーさん

     よく『話し声の高い人は歌声が高くて、話し声の低い人は歌声も低い』なんて言いますし、たぶんそれでだいたいは合っていると思いますが、おぷーさんのおっしゃるとおり、話し声が低い人の中に、時折歌声の高い人がいらっしゃいます。

     一方、話し声は高いのに歌声が低いという方は、いらっしゃるのかな? 私の身近な男性で、話声かすごく高いのに、歌があまり上手ではない方がいらっしゃいます。基本的に歌がダメな人なのか、実は思った以上に歌声が低くて普通に歌が歌えないのか、話声は高いけれど歌になると高い声(と言っても中音程度)の出し方が分からないのか、なんて考えたりします(所詮、他人事なんですけれどね)。

  18. おぷー より:

    男声の場合は、大体話し声と歌の声部は一致している人が殆どだと思います。
    男性の話し声を聞いただけで、1発で声部を当てられますから。
    女性の高い話し声の人が、アルト、と言うのは先ず無いですね。
    その逆はあるのに、不思議です。

  19. すとん より:

    おぷーさん

    >男声の場合は、大体話し声と歌の声部は一致している人が殆どだと思います。

     まあ、そうかもしれません。話声と歌声が連続している…とも言えるかも。そうなると、やっぱり、私の知人の場合は…歌が根本的にダメ…なのかもしれませんねぇ。

    >女性の高い話し声の人が、アルト、と言うのは先ず無いですね。

     言われてみれば、確かにそうですね。声帯の物理的な長さとか厚さとかが関係するのかな? 声帯が長くても、高い声は出るけれど、声帯が短ければ、どうあがいても低い声は出ないものね。

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