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声楽のレッスンには行きませんでした

 さて、今回の記事は、ある意味「レッスンに行った事を後悔しています」の続きと言いますか、後日談になります。

 私のレッスンは週一なので、先生と口論をした、あのレッスンから、一週間たてば、黙っていても、次のレッスンがやってきます。

 この一週間の間に、先生からは「レッスンに来てね(はぁと)」という主旨のメールが届きましたが、私は断固たる態度をもって、レッスンに行くことを拒絶しました。

 …なんて書くと、大仰ですが、実は、今仕事が繁忙期に入っていますので、元々レッスンをお休みするつもりで仕事のスケジュールを組んでいたからです。で、そのままレッスンをお休みしてしまうと、レッスン代が丸々無駄になってしまいます(ここは家計的にポイントです)ので、私の代わりに妻にレッスンに行ってもらいました…ってか、ガラコンサート前は、私の個人レッスンを妻と半分半分に分けてレッスンを受ける事になっていたので、単純に今回は妻の番だったというだけなんです…よ。

 レッスンから帰って来た妻に「レッスンどうだった?」と尋ねたら「本当に時間一杯、きちんとレッスンをやって、ビックリした」と言ってました。
 
 
 この一週間の出来事を書きます。

 口論レッスンの後、夫婦で話し合った事は『最悪の展開になった場合、どうしようか?』という事です。ここで言う『最悪の展開』とは、キング先生から『破門』を言い渡される事を指します。また、破門はされないまでも、今後も前回のような、口論メインのレッスンが続くようなら、声楽の先生を変えざるを得ないだろうという話にもなりました。つまり『レッスンをしてくれないなら、先生と決別する』って事ですね。

 破門であれ、決別であれ、どちらも私が声楽を辞めるという事には代わりがないわけで、それはさすがにイヤだなって思いました。私はたとえ状況がどうなっても、まだまだ歌い続けたいです。

 となると、独学で歌の勉強をする…のは明らかに無理なので、すぐさま、次の先生を探さないといけません。そこで、うだうだ悩んでいても仕方ありません。妻と二人で、我が家の近所(歩いて行ける~自転車で通える範囲)に、お住まいのオペラ歌手の皆さんをピックアップし、声楽教室を開いているお教室をピックアップして、それぞれをリストアップしてみたら…いやあ、結構な数になりました。いやあ、驚きました。もちろん、大半の先生はソプラノさんで、男声の先生は少なかったのですが、それでもテノールさんもバリトンさんも探せばいらっしゃるモンですね。

 もう私も「声楽を習うなら、絶対テノールの先生じゃなきゃダメ」という段階は終わっていると思いますので、次の先生はソプラノでもバリトンでもいいかなって思うと、先生については、選び放題という事が分かりました。中には、キング先生同様に、お弟子さんに合唱団やアマチュア歌劇団(!)を主催させてらっしゃる方も複数名いらっしゃって、先生との相性さえ合えば、新しい先生のところでも、楽しく歌えるんじゃないかなって気がしてきました。

 そこで実際に、ある先生にご相談かたがた電話連絡を取ってみました。が、現実はなかなか厳しく、私が都合よく通える曜日時間のコマが空いていない事が判明(ま、そりゃあそうだね)。都合の良い枠が開くのを待つか、私の方で色々と都合をつけて、現在空いている枠でお願いするか、ちょっと悩みましたが…ひとまず、保留という事にしておきました。何しろ、先生は一人しかいないわけじゃないですからね。

 万が一の時の先生のアテが確認できたので、次には金銭的な問題の見通しをつけてみました。

 キング先生のレッスンは、いわゆるカルチャースクールと呼ばれる形態の学校で受講しています。私たちと先生の間に、事務方が入り、御月謝などは事務方に支払う形を取っています。そこで問題は、すでに数カ月分を御月謝を前払いしていますので、破門や決別となった場合、すでに支払い済みの御月謝はどうなるのか、このあたりの心配がありました。

 さっそく事務方に相談です。

 一度支払われた御月謝については、事務方のミスとかでない限り、返金する事は無いのだそうです。つまり、破門や決別では、御月謝の返金はありえないって事なんです。

 これには困りましたね。すでにソコソコの金額を前納していますから、破門や決別した場合、それらが帰って来ないで、そのままスクールのポケットに入ってしまうと言うのは、家計的に実に痛手です。

 ううむ…という顔をしていたら、「ヨガ教室に通われますか?」と尋ねられました。つまり、現金は返せないけれど、他の講座の御月謝に振り返る事は可能なので、ヨガ教室に行きませんかとアドヴァイスをいただきました。「ヨガ?」 私も妻もヨガにはピンと来ませんでした。「ヨガ…ねえ……」

 すると妻が「ベリーダンスじゃダメ?」と来ました。実はキング先生のレッスンと同時開講で、すぐそばの部屋で、ベリーダンスのお教室が開催されているんですよ。「もちろん、ベリーダンスに振り返る事も可能ですよ」「ベリーダンス、いいじゃない? あっ、こっちではフラダンスもやっているし…フラもいいなあ」 どうやら、妻のダンサー心が疼いているようです。

 私がちょっとひらめいて尋ねてみました。「フルートに振り返る事はできるの?」 そうなんです、実はH先生のレッスンも同じスクールで習っているんですよ。ですから、キング先生と破門や決別した場合、前納されたお月謝をH先生への御月謝に振り返る事は可能かと尋ねてみました。

 「御月謝をフルートにお振り返る事は可能ですが、フルートの方が高額なので、不足分は別途お支払いしていただく事になりますが、それでよろしいでしょうか?」

 無問題っす!

 なので、もしも御月謝をフルートに振り返る事ができるなら、別に無理して新しい講座に通う必要もない事が判明。妻はちょっぴりガッカリしようですが、万が一の時は、その手が使える事を確認しました。

 これで金銭的な心配もなくなりました。『破門でもなんでも、ドンと来やがれ!』って気分になりました。

 最悪の状況に対する備えはできたので、次は、破門や決別に至らなくても、色々と懸念される事について、対応策を考えてみました。

 まずは、直前に迫るガラコンサートですね。何しろ前回のピアノ合わせでは大失敗をしていますし、次のピアノ合わせは私抜きだし、私抜きだと、妻はピアノ合わせに行かないって言っているし、二人ともピアノ合わせに行かなければ、自動的にガラコンサートは出場取りやめになってしまいます。

 ヤバイじゃん。

 私はガラコンサートに出られなくなったら『それはそれでいいか』と思ってます。ケセラセラと言いますか、運命に流されてみるのも粋じゃないかなって思ってます。

 でも妻は、ガラコンサートのためにわざわざ新しいドレスを購入したのだから、ぜひこれを着て舞台に立ちたいと言い張ります。「歌じゃなくて、ドレスのために、出演したいの?」と意地悪く尋ねたら「いや、せっかく練習して暗譜までしたんだし、それが無駄になるのもイヤだから、ガラコンサートには出演したい」と言いました。ま、そういう事にしておきましょう。

 「ガラコンサートに出たければ、一人でピアノ合わせに行ってきなよ」
 「それはイヤ。でも、コンサートには出たい」

 そうこうモメているうちに、先生から『ピアノ合わせには夫婦二人で来て欲しい』という主旨のメールが届きました。え? その件で前回のレッスンは散々もめたのに、それでいいわけ?

 さらに合わせて、ガラコンサートの原稿も届きましたので、妻がさっそくコンサートのプログラムをチャチャっと仕上げて完成させました。プログラムのトリには、しっかり私たち夫婦の名前が入ってます。

 妻曰く「ほら、もう、ピアノ合わせも二人で行って、コンサートに出るしかないよ」
 「…まあね」

 ちなみに、プログラムには、12月に行われる歌劇団の初公演の宣伝も入ってます。破門されたら、歌劇団も強制退団でしょうが、そうでなければ、責任もあります(し、楽しいし、歌劇団の仲間とは別れたくないし、おまけに主役じゃん)から、歌劇団の公演には参加する事になるでしょう。
 
 
 ブログをご覧の方はすでにお分かりでしょうが、基本的に、私は“キング先生ラブ”な人間です。尊敬もしているし、人間的に好きだし、何より、先生の歌手としての才能と、声楽教師としての力量は大いに認めています。だから、キング先生に師事できる事は喜びだし、先生のために、色々な作業を請け負ったり、走り回って雑務をこなす事は、決してイヤじゃない(むしろ喜び)なんです。

 ただ、キング先生が好きで、その力量を認めているからこそ、レッスンはしっかりと受けたいし、キング先生ラブだからこそ、他の門下生同様に扱ってほしい(つまり、愛してほしい)と願うわけですよ。

 せっかく大好きな先生に習っているのに、その教えをちゃんと受けられないなんて(で、他の生徒さんはちゃんとレッスンしてもらっていたりするのを見ると…)ストレスが溜まるよ。そんな思いをするくらいだったら、いっそ、別の先生と、形ばかりのレッスンを受けた方がマシじゃ~んって思うわけです。ま、なんて言うの…『かわいさ余って憎さ百万倍?』 ま、そんな感じが無いわけじゃないんだよね。

 どうも、そういう私の気持ちが、うまく先生には伝わっていないような気がするんだよねえ。

 そんなこんなで過ごした一週間でした。

 で、一週間後のレッスンでは、妻はしっかりとたっぷりとレッスンを受けてきたようです。次に私がレッスンに行った時、ちゃんとレッスンしていだだけるよねえ…? 実はそこがかなり心配です。
 
 
 P.S. 姿見先生とレッスンを始めました。姿見先生、なかなか凄腕のコーチのようです。姿見先生とのレッスンでは、今まで歌えなかった歌が歌えたり、出せなかった高音が出せたりと、なんなんでしょうか? 実に不思議な事が起こってます。

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コメント

  1. フミエ より:

    先生の方から歩み寄りがあったようでよかったですね
    さらに絆が深くなりますね、きっと!

    しかしすとんさんのベリーダンスにも興味津々です

  2. 椎茸 より:

    うーん
    なんだかなあ…

  3. すとん より:

    フミエさん

     まだ途中経過ですからね。『雨降って地固まる』のか『考えてみれば、あれが別れの始まりだったのか』となるのかは、神のみぞ知る、です。

     先生にも色々と言い分はあるでしょうし、物事が紛糾する時は、一方だけに原因があるという事は無く、双方に問題を抱えているのが常です。私にも相分の非はあるはずです。

     とりあえず、妻は先生に受け入れられているし、信頼されていますが、私は、決してそうではありませんから、まだ、破門あるいは決別の可能性は大きく残っています。

     何しろ、私は、先生に見限られている部分があるからねえ。破門されても、しゃーなし、です。

    >しかしすとんさんのベリーダンスにも興味津々です

     実は私、ベリーダンスがどんなダンスなのか、知りません。それに、社交ダンスですら、フーフー言っているわけですから、これに他のダンスを加えるなんて…無いですよ(汗)。

  4. すとん より:

    椎茸さん

     なんか、スッキリされないようですね。まあ、まだ途中経過ですから、何がどう転ぶかは、私にも分かりません。ただ“何があっても歌は辞めない”という点だけは、貫きたいと思ってます。

  5. ネオワン より:

    ネオワンと申します。はじめてコメントします。
    先生からのお誘いがあったことですし、何食わぬ顔で、次回のレッスンを受けられてはいかがでしょうか?すとんさんの一ファンとして切望します。
    6月24日を楽しみにしています。

  6. すとん より:

    ネオワンさん、いらっしゃいませ。

     そうですね、おっしゃるとおりだと思います。24日の本番は、妻が出演したがっていますし、そのためにも、がんばらないといけませんね。

  7. 私もいろいろある子 より:

    いやあ、似たような目に会ってる方って、けっこういらっしゃるんだなあとおもいました。
    今頃のコメントで失礼します。

    実は、同じ頃、私は声楽の師匠と決別しました。
    お互いに音楽的な方向性が違うことがわかったので、話し合っての別れで、
    お互いに納得した上でのことでした。
    ・・・の、はずが、
    その先生が、今になって、あのときの言い方が気に入らなかった、この言葉が気に入らなかった、と言い始め、お前mixiでこんなこと呟いてただろ(御注進する人がいるんですw)と言い、弟子を使ってお前が悪いというメールを送りつけ、ついには謝罪に来い、そうしないと決別ではなく破門扱いになり、この話が広まると誰も伴奏を引き受けてくれる人もいなくなるので日本のクラシック界では歌って行けなくなる、とのこと。
    つまり、「ワビをいれに来なきゃあっちこっちに手を回してお前が舞台に立てなくしてやる」
    との脅迫ですねorz・・・
    なんっかよう・・・ちっちぇーなあ。。。
    あ、ちなみにその先生、そんなに影響力のあるような有名人ではありません。
    えーえ、ご注進の可能性のある元妹弟子(つか、こいつしかいねえ)は即刻マイミク外してアク禁にしましたとも。

    現在、うちの敏腕マネージャ(旦那w)とともに、今後の対策を検討ちう。。。

    ・・・はあ。めんどい世界ですなあ、つくづく。
    男の先生だと、もっとさばさばしてるんですけどね、皆さん。

  8. すとん より:

    私もいろいろある子さん

     うわー、女の世界だー!

    >そうしないと決別ではなく破門扱いになり、この話が広まると誰も伴奏を引き受けてくれる人もいなくなるので日本のクラシック界では歌って行けなくなる、とのこと。

     んな事、あるの? そりゃあ、ラインの伴奏者はダメになるかもしれないけれど、ピアニストさんにも色々あるし、むしろ義侠心のある人だっているわけだから、そう簡単に“日本のクラシック界では歌って行けなくなる”なんて事にはならないんじゃないかな? 

     とは言え、その先生は、ひと言ワビを入れてほしいだけ?なんでしょ。頭を下げるなんて、無料でできる事なんだから、私だったら、さっさとワビを入れて、面従腹背でいきます(笑)。

    >男の先生だと、もっとさばさばしてるんですけどね、皆さん。

     ですね。私も今、一件、歌の仕事があるんですけど、それをどなたに発注しようか悩んでます。当然、キング先生もその範囲に入ってます。訣別したと言えども、彼の歌手としての力量は買ってますからね。そういう意味ではサバサバしてます。とは言え、クライアントの希望もあるし…実際にどなたに発注するか、まあ、色々と悩んでいる最中です。

     まあ、ドロドロしたところも、無事くぐり抜ければ、笑い話になりますから、頑張ってください。

  9. 私もいろいろある子さん より:

    まあ、なんですか、そこまでさせないとその先生のプライドがおさまらないという状況なんでしょうがね。。。

    なんかね。。。この経緯も、先生当人から詫びいれろと命令があったわけではなく、私の親を(何故私じゃないんだw)自宅から1時間あまりかかる遠方へ呼び出し、4時間にわたって自説を解き、親に「娘さんの将来を考えてください」とかなんとかいって、洗脳(?)したみたいな感じです。親に泣かれましたもん。

    ・・・もうね。ここまでやられちゃ、先生を今まで通り尊敬なんてできませんよ。詫びにいくのは簡単だけど、親が4時間なら私は何時間ねちねち言われるんだ?

    まあ、言ってみれば、先生が私を育てきらんだけだったということですが、どうも私が無礼を働いたという方向に持って行きたいみたいで。。。ちっさいなあ。

    詫びに行ったはいいけど、こっちが逆切れしないか心配ですw

  10. 私もいろいろある子 より:

    >まあ、ドロドロしたところも、無事くぐり抜ければ、笑い話になりますから、頑張ってください。

    ・・・え、映画化決定?・・・(爆!)

  11. すとん より:

    私もいろいろある子さん

     先生も色々とストレスがたまって、自分でもどうにも出来なくなっているんでしょうね。ストレスと言うのは、一番弱い立場のモノに向かって吐き出されるものですからね。べつに、ある子さんの事だけでなく、色々なストレスがあって、でも、それを一つ一つ解決できなくて、で、一番立場の弱い、辞めていくお弟子さんに向かって吐き出している…とまあ、そんなところじゃないですか?

     最後の先生孝行をしたら、いかかでしょうか? まあ、気持ちの上じゃ色々あるでしょうが、詫びに行って、何も言わずに聞いていればいいんじゃないのかな? 反論するから、相手も燃えるわけで、ただ黙って聞いていれば、たぶん4時間の倍の8時間程度で済むんじゃないの? 時間を短くしたかったら、無関係な同伴者を連れて行くといいですよ。他人の目があると、先生の矛先も鈍るでしょうから。

    >どうも私が無礼を働いたという方向に持って行きたいみたいで

     自分を守りたいんでしょうね。おそらく、自分の手元から一人の弟子が立ち去ると言う事実を受け入れがたく感じて、自分のせいで辞めるのではなく、弟子がトチ狂ったから辞めるんだとして、自分のプライドを守ろうとしているのかもしれません。“ちいさい”と言うよりも“弱い”んだと思います。

    >先生が私を育てきらんだけだったということですが、

     音楽家は教師じゃないからね。教育者なら自分の限界と言うか、守備範囲と言うものを知っているから、自分の手に余るようになれば、次の先生にお渡しするだけだけど、音楽家って人種は、自分が万能だと勘違いしている人もいるからね。まあ、舞台の上じゃ、自分は万能だと思っていてもいいけれど、人を育てる場では、それじゃあ困るわけなんですが…。特に、才能でのし上がってきた、苦労知らずの音楽家は、弟子を育てるのには不向きだと思います。

    >え、映画化決定?・・・(爆!)

     そう言えば、そういうタイプの映画って無いよね。力のある監督さんが映画化したら、結構面白いんじゃないの? だって、共感して映画館に足を運ぶ人もたくさんいるだろうから、そこそこのヒットだって狙えるし(爆)。いや、マジで。

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