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高くて弱いと…難しい(涙)

 声楽のレッスンに行ってきました。

 前回のレッスンを邪気にやられてお休みしたため、私の前の枠でレッスンを受けているMさんに心配されてしまいました。

 「すとんさん、風邪ひいたの?」

 「いや、医者的には風邪なんですが、実は風邪とも違うんですよ」

 …と、その時「石にやられたんだよ!」と先生のひとこと。

 「え? すとんさん、石持ちだったんですか?!」

 「いやいや、石は石でも、その石じゃない(笑)」

 普通「石にやられた」と言うと、胆石とか腎臓とかの病気を思い浮かべるものなんだろうなあ…。その後、私に代わって、キング先生がMさんに私がブラックシリカの邪気にやられた事を説明してくださいました。「石の威力が強すぎると、体調を悪くする人もいるんだよ」 まあ、そういう事ですね。石が悪いわけじゃないですものね。
 
 
 さて、歌劇団の「赤ずきんちゃん」の次にやる候補の曲の楽譜が入手できたので、先生に渡して、ピアニストさんともども、ちょっと研究してもらう事にしました。この曲では、男声は二人(当然、テノール&バリトン)必要なのですが…やるなら、声質的に私がバリトン役の方を(テノールの声で)歌う事になるそうです。「ええ? だって、ヘ音記号じゃないですか(イヤだなあ…)」「でも、すとんさんは絶対に、こっちの役だよ」 まあ、確かにYテノールさんと私と比べると、私の方が声が太いからねえ…。
 
 
 「で、どうなの? 体調は?」と先生に尋ねられました。

 「内臓的には良くなって来ましたが、背中がどうにも…」

 さすがに、紫水晶を胸に乗せて休んでみたりと、ここんとこ熱心に邪気払いをやっておりますので、内臓系のダメージはだいぶ回復してきましたが、そっちが良くなるにつれて、アウターマッスルが痛むようになりました。首筋、背中、腰と言ったところが、特に激しく痛みます(たぶん、腫れてます)。日常生活を送る分には、騙し騙し、なんとかやれてますが、歌となると、話は別です。

 発声練習をささっとやって、声の調子を見ます。あまり良い状態ではないので、今回は、ファントムをサラっと歌って終わりにしようと言う事になりました。

 で「The music of the night」です。今回も、マスクを持参するのを忘れました(ダメだね)。

 とりあえず歌ってみたところ、二つほど注意を受けました。一つは、最後のロングトーンのところの歌い方と、もう一つは最初の高いAsの歌い方です。

 最後のDesのロングトーンは、私は音楽的な効果も考えて、軽くクレシェンドをかけて歌ってみたのですが、それよりも消え入るように歌った方がいいのではないかとアドヴァイスされました。特に私がDesを歌っている間に、伴奏のコードは、Gb-Ebm-Dm-C-Dbと動くのですが、Dm-Cの部分は明らかに、声とピアノがぶつかっているわけで[私が歌うDesは、Dmに対しては“maj7”だし、Cに対しては“-9th”という、なかなかエグいテンションノートです]、この曲は、この部分までは、ファントムが彼の持つ純粋な心で歌っているのですが、最後の最後で、ファントムの邪悪な部分が顔をのぞかせているのが、このDm-Cの部分というわけです。だからここは、チラっと、それこそ彼の隠した心が見え隠れするような歌い方の方が良いのだとおっしゃるのです。確かに私も、その方がいいかなって気になりました。

 あと、つい、声が前に出てしまうので、せっかくの聞かせ所だし、声は後ろにして、深めの音色で歌いましょうと言われました。そりゃあ、そうだよね。

 もう一ヶ所が最初の高いAsの箇所です。私はここをppで歌いたいので、ファルセットで歌ってみたのですが、先生がおっしゃるには「ここでいきなりファルセットだと、まるで高い声が出なくて、失敗したように聞こえるから、ファルセットはダメ」だそうです。ううむ、失敗したように聞こえるのでは、そりゃあダメだよね。

 そこで、フレーズ的には「Close your eyes let your spirit start to soar」で一つのカタマリなんですが、ここを「Close your eyes」「let spirit start to soar」で分けて、「Close your eyes」までを、それまでの流れに乗ってffで歌いきって、ブレスを入れて、残りの「let your spirit start to 」までを改めて仕切り直してmp -> pで歌って、高いAsになっている「soar」の部分を、小さめのpあたりの実声であててみて、うまく当たってから、p -> pp にしてみたらどうかとアドヴァイスを受けました。

 ちなみに、最後の“soar”の部分は、高いAsの上に、二分音符にフェルマータがかかってます(つまり、好きなだけ声を伸ばせって事です)。この箇所では、高い音を弱音で歌う事で、なんとかファントムの“切なさ”を表現したいんです。

 先生が私の意図を酌み取り、見本で歌ってくださいました。ううむ、これは良いですね。それ採用しましょう。で、私がマネて歌ってみると…全くできない(汗)。…難しい。高い声を弱音で歌うのは難しい。いや、歌うどころか、当てるのさえ難しいです。ffなら簡単に当たるのに…。

 「練習してきてね~」「はい…」
 
 
 ffと言えば、二度目のAsはffで歌います。一度のppと比べれば、かなり楽に歌えますが、実はちょっとフラットしてしまいました。先生には指摘されませんでしたが、失敗と言えば失敗でした。

 敗因はブレスにあります。今回はAsの直前でブレスを取ったのですが、そのブレスの取り方に失敗して、音がぶら下がってしまったのです。

 高音の直前にブレスを取るなら、ブレスの際に、しっかりとポジションを確保して、ノドの奥を開けてブレスをしないといけないのに、ついうっかりして、ポジション確保を忘れた上に、お腹もちょっとゆるんだまま歌ってしまったのでフラットしてしまったわけです(おまけに声を押してしまったし…)。

 できれば、高音の直前にはブレスは取らずに行きたいのですが、その箇所のフレーズが割と長いフレーズなので、ブレスを取らなかった場合、しっかりフェルマーターで伸ばせなくなってしまうわけで、そこのところのジレンマに一瞬悩んでしまったために、ブレスを失敗してしまったわけです。
 
 
 「The music of the night」を歌っている間、劇中の時間は止まっています。そこから考えると、この曲は、当然“アリア”なんだろうと思います。じゃあ、アリアなんだから、アリア然として、楽譜が見えるように歌ったら…ダメなんだろうと思います。やはり、いくらアリアっぽくても、この曲はアリアじゃなくて、ミュージカル・ソングなんです。つまり、ポピュラー音楽なんです。クラシック音楽の手法で歌ってはダメなんです。

 でもミュージカル・ソングはポピュラー音楽だからと言って、いわゆる、ロックやジャズやポップスのような歌い方ではダメで、ミュージカルにはミュージカルとしての歌い方があるような気がします。

 とりあえず、ミュージカルって“音楽”と言うよりも“演劇”なので、まずは「言葉ありき」なのかなって思います。ですから私は、音楽よりも歌詞を優先して歌ってみたいと思います。とりあえず「The music of the night」も、かなりの箇所を、歌のフレーズではなく、しゃべり口調で歌う事にしていますし、ところどころは、マジで歌わずにしゃべっています。その手の試行錯誤を繰り返して、歌と語りのいいバランスを見つけていきたいなあと思ってます。

 それにしても、ミュージカル・ソングには、オペラアリアとは違った難しさがあるんだなあと思いました。

 ガンバンないと。

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