合唱の時に感じていた体調の悪さを、まだ引きずったまま、声楽のレッスンに行ってきました。体調が悪いと、気持ちも弱くなるのでしょうか。レッスンの前に、散々、先生に愚痴ってしまいました。
今、私の懸案事項の一つに、来年の夏ごろ開催予定のガラコンサートがあります。一応、私(正確には歌劇団ですが)が主催者になってますので、色々と裏方仕事があります。裏方仕事そのものに不満はありません。しかし、裏方仕事をしながら、ガラコンサートに出演するのはどうなの?って思うようになりました。
…ガラコンサート。世の中には、色々なタイプのガラコンサートがあると思います。
ここで、私たちが言っている“ガラコンサート”とは、いくつものミニコンサートを同じ会場で連続して上演するタイプのコンサートの事です。それぞれのミニコンサートは、時間にして約15分程度で、それぞれに中心となる出演者がいて、その人が15分をソロコンサートにしたり、友人をさそって重唱や合唱のコンサートを開いたり、ミニオペラをやったりと、それぞれの責任でミニコンサートを開くわけです。ザックリ言っちゃうと、『1曲2曲歌ってお終い』の“通常の発表会とはちょっと違った、一人の持ち時間が結構長い発表会”なんです。
15分間にも及ぶ長いミニコンサート(日本語が変ですが気にしないでください)となると、出演者としてのプレッシャーも相当なものだし、用意も計画も周到でなければなりません。当日、裏方仕事をやりながら、果たしてガラコンサートに出演する、心の余裕というものが私にはあるのだろうか? そこが心配になってきました。
そこで先生に、ガラコンサートへの出演は辞めて、裏方に専念したい旨を伝えました。
はい、即座に却下されました(涙)。私の場合、ガラコンサート不出演という選択肢はないそうです。ただし、当日の裏方仕事の多くを、先生ご自身がおやりになり、なるべく出演者である私への負担を少なくしてくれる事を約束してくださいました。
少し前まで「ガラコンサートの当日は、何もしないからね」と宣言されていた先生でしたが、まあ、色々と譲歩してくださったのだと思います。感謝です。もっとも、今回のガラコンサートでは、キング先生も(ソロ歌唱はありませんが、二重唱の相方として)たくさん歌われる予定なので、先生も大変なんですがね…。
先生が譲歩してくださったので、こちらも譲歩して「じゃあ、出演します…」と返事をしたものの、やっぱり、当日の心の余裕が心配な私です(なにしろ、裏方やりながらの出演なんて、未経験だからね)。
愚痴と言うものは、言い始めたら、一つでは済まないもので…。
ガラコンサートに出演するしかないとなると、次はどんなテーマで自分のステージを作っていくかという事が悩みになります。
先生との今までの話し合いの中で、ロッシーニの「約束」は歌う事が決まっています。
私にしても、この曲は難しいし、その難しい曲を頑張って仕上げているわけなので、これをガラコンサートで歌うことは、願ったり叶ったりで全く同意していますが、この曲だけでは、せいぜいが3~4分ですから、ミニコンサートとして成り立たせるためには、あと3~4曲は用意しないといけません。そこで、ベッリーニやドニゼッティの歌曲を加えて『ベルカント期のサロン音楽』をテーマにガラコンサートをやりたいと伝えました。
即座に却下です。ベッリーニはすでに別の人がガラコンサートに向けて練習を始めているので、今回は、ベッリーニの歌曲はダメと言うのが、一つ目の理由。二つ目の理由は、ロッシーニの別の曲や、ドニゼッティの歌曲などは、現在の私の力量ではとうてい手に負えるものではないからダメって事です。さらに言うと、歌唱テクニック以前の問題として、私の声はベルカント歌曲には本来向いていない(私の声はオペラ向きなんだそうです)ので、そういう選曲は先生としてはお薦めできないのだそうです。
私も負けてはいけないので「じゃあ、ロッシーニとベートーヴェンで行きましょう…」とか、まあ、色々と提案するんだけれど、ことごとく却下。先生がおっしゃるには「すとんさんの出してくるテーマって、どれもこれもマニアックで、そんなんじゃあ、お客さんには伝わらないよ」って事です。「だいたい、ロッシーニにこだわりすぎだよ。だったら、ロッシーニをやめちゃおう。そうすれば、テーマも簡単に決まるでしょう」 そして「素直にオペラアリアを歌えばいいじゃないか」と言うのが、先生の提案です。
先生の提案は分かるんだけれど、それはイヤなのね。と言うのも、前回の発表会での手痛い失敗がトラウマになっていて、まだジクジク心が痛いのよ。だから、しばらく人前でオペラは歌いたくないわけです。
ああだこうだと言い交わして、結局、何の方向性も見えなくなりました。
「結局、何が歌いたいわけ?」と先生がおっしゃるから「私は最初から、クラシック・クロスオーバー系の、歌謡曲やポップスっぽいノリの良い曲が歌いたいんです」と言えば「ここはクラシックの声楽教室だから、それはダメ」と答えられます。「じゃあ、ミュージカルがいい。ウエスト・サイド・ストーリーが歌いたい」と言えば「あれは音が高くて、すとんさんじゃあ、まだ歌えないので、ダメ」と来ます。
はい、手詰まりになりました。……やっぱり、裏方に専念しようかな?
「そんなにミュージカルがやりたいなら、ファントムを歌うかい? あれなら、すとんさんでも何とかなるんじゃないかな?」
…ファントムと言うのは、ロイドウェーバー作曲の「オペラ座の怪人」の事です。あれは以前楽器屋で楽譜を見て、ファントムはテノールの持ち役なんだけれど、あまりに音域が低い(下は五線譜下のAsまで使います)ので「こりゃあ、私には向かない…」と思ってパスしたミュージカルなんです(実は私、低音域は得意じゃないんです。特に五線の下の音はかなり苦手…)。
「低い音は捨てて歌えばいいんだよ」とは先生の言葉です。ちなみに高い方は五線上のAsまで使います。まあ、この高さなら、たしかにぎりぎり私の手に負えるけれど…。ううむ、何でもかんでも「イヤだ、ダメです」じゃあ話にならないので、ひとまずファントムで、ガラコンサートは考えることにします。
さて、レッスンに入りましたが、発声練習から、私は集中力がまるで無し。「健全たる精神(集中力)は健全たる肉体に宿る」でございまして、全然ダメでした。
そこで、コンコーネは止めて、初見視唱をしました。イタリア古典歌曲(実は相当数、歌った事無いんですよ)から「ニーナ」をやりました。初見視唱と言っても、楽譜を開いてすぐに歌うのではなく、妻が隣で別の曲のレッスンを受けている間に楽譜を眺めて、それからいきなり歌ってみるという程度の初見視唱でした。ちなみに私は「ニーナ」という曲、あんまり記憶にないんですねえ…。
とりあえず、歌ってみました。この曲は、ピアノが常にメロディをなぞっている曲なので、初見と言っても、なんとかなります。高い音をあっちこっちで失敗した事と、いくつかの単語の発音を間違えた事以外は、まあまあって感じです。
「なぜ、高い音を失敗したと思う?」と尋ねられました。ちなみに高いと言っても、せいぜいがGですから、出せない高さってわけではないのですよ。それを失敗した理由は…最初の譜読みで失敗しているからだそうです。歌の譜読みは、まず、ザーとメロディの流れを見て、声のポジションを確認して、それから音を拾っていったり歌詞を付けていったりするべきなのに、私は声のポジションを確認しないで歌いだすから、高い音に失敗するのだそうです。
…譜読みの時に、声のポジションなんて考えないもんなあ…。
「とにかく、すとんさんの、今の課題は“声のポジション”。これを常に考えて歌ってください」との事です。
最後に、いつものロッシーニ「約束」を歌いました。いつもダメですが、今回はひときわダメでした。先生がおっしゃるには「カラダが歌うことを拒否している感じだね。そういう日もあるでしょう」との事です。そういう時は、無理に歌わない方がいいので、今回のレッスンはこれで終了です。ちなみに、次回までに、この曲は暗譜して来いと言われましたが…たぶん、すでに暗譜は大丈夫です。問題は、ちゃんと歌えるかどうかです。
「ニーナ」の一件で、私がイタリア古典歌曲をあまり歌ったことがない事が白日の元にさらされたので、それではマズイと言う事になりました。そこで、年内の残ったレッスンは、イタリア古典歌曲を集中的に勉強しましょうと言うことになりました。
宿題として、以下の10曲を譜読みして来る事になりました。以前、歌った曲も含まれていますが、それはその時点で歌いきれずに保留になったものなので、今回、改めてのリベンジってわけです。また、前回の時は中声用の楽譜で歌いましたが、今回は全曲、高声用の楽譜で歌うことになってます。[ちなみに、番号は、全音「イタリア歌曲集」での番号です]
02)モンテヴェルディ作曲「私を死なせて/Lasciatemi morire!」
10)トレッリ作曲「あなたは知っている/Tu lo sai」
11)スカルラッティ作曲「私は心に感じる/Sento nel core」
15)スカルラッティ作曲「私は悩みに満ちて/Son tutta duolo」
19)ガスパリーニ作曲「いとしい絆よ/Caro laccio」
22)カルダーラ作曲「たとえつれなくとも/Sebben, crudele」
24)ヘンデル作曲「樹木の陰で/Ombra mai fu」
25)ヘンデル作曲「私を泣かせてください/Lascia ch’io pianga」
29)ペルゴレージ作曲「ニーナ/Nina」
31A)グルック作曲「ああ、私のやさしい熱情が/O del mio dolce ardor」
たぶん、全部、有名な曲なんだろうね。知っている曲もあるけれど、全然知らない曲もあります。たぶん、10曲程度ではまだ足りないのかもしれませんが、まずはこれらの曲からです。
イタリア古典歌曲もロクに歌えないのに、やれロッシーニだ、やれトスティだじゃ、順番が違うってもんです。ま、この調子で、イタリア古典歌曲を次々と制覇していくのも、悪くはない気分です。ガンバロっと。
蛇足。さっそく「ファントム」の楽譜を買ってきました。ううむ、やっぱり低いところは低いけど、高いところも私の限界ギリギリだなあ…。テノールの曲なのに、音域がきちんと2オクターブもあって、こりゃ大変だ。あと、ハンズに行って「怪人セット」も買ってきたよ(爆)。
コメント
ファントム、ですかあ?
私の母も今度の発表会で歌うのですよ。
クリスティーヌ、出来るのかなあ?
この夏、母は、毎日ファントムを聴いてました。
アリアが先で、古典歌曲が後の勉強なんて、こっちじゃ
あり得ないのですが、日本ではあり、なんですね。
上記の10曲は、こっちではテノール必須練習曲たちですね。
Sebben, crudele, 大好きです。私もたまに歌ってますよ。
おぷーさん
>アリアが先で、古典歌曲が後の勉強なんて、こっちじゃあり得ないのですが、日本ではあり、なんですね。
いやあ~、たぶん、こっちでもレアケースだと思いますよ。なにしろ、先生は、私はすでにとっくのとっくに古典歌曲を終えていると思っていたフシがあります。でも、実は終えていなかったわけで(笑)。
私は、歌の習い始めがグループレッスンだったのですが、諸般の事情でグループレッスンの時期が長くて、本来、古典歌曲をやらないといけない時期にグループレッスンにいたんですよ。で、グループレッスンでは新人さんが加入するたびに、学習内容が毎回振り出しに戻っていたし、学習進度もかなりゆっくりで、レッスンの回数そのものも少なかったので、古典歌曲を数こなして勉強するという事がなかったんですよ。
それに当時は中声用でしたが、今度は高声用を使用するので、G前後が今一つ不安定な私にとって、そのあたりをバシっと固めるには、いいチャンスだと思ってます。
ファントムのクリスティーンは難しいかもですね…。あの役は、サラ・ブライトマンへのあて書きなんです。つまり、どの曲もサラ・ブライトマン並に歌えないとキビシイってわけで、ハードルはなかなか高いですね。そこへ行くと、ファントムは普通のミュージカル・テノールの役なので、多少は気が楽です。
歌いたい曲イコール歌える曲ではないのがいつも辛いところです 私も本当は 真珠採りのナディールとか 春風よなぜに?とか 歌えればと思うのですが 何せ 声が合わなくてムリ(ソプラノで歌っても気味悪いでしょうし) ニーナは音楽の教科書に載ってました。イタリア古典も綺麗な曲多いですね、リトライしてみようかしら?ガラコンサートって面白い企画ですね、15分あれば 色々なこと出来ますもの
グレッチェンさん
>歌いたい曲イコール歌える曲ではないのがいつも辛いところです
ですね。声質の問題もあるでしょうし、性別や音域やテクニックの問題だってあるでしょうし、言語の問題は無視できないし…。そこらへんが、楽器の人には分かってもらいづらいムズムズしたところなんですね。逆に言うと、フルート奏者なら、テクニックの問題さえクリアできれば、この世のすべてのフルート曲が吹けるわけだから、うらやましいと言うか、悩みがないと言うか…。
イタリア古典歌曲は、声楽初心者がまず習う曲なので、ちょっと安易な存在に見られがちですが、あれらの曲の大半が、バロックオペラのアリアかなんかで、決して、軽んじても良いようなタイプの曲ではありません。おそらく古典歌曲が軽んじられる理由の一つは、下手くそが歌っているのばかり聞いてしまうからなんでしょうね。現に、先日のキング先生のリサイタルで、先生が「ニーナ」を歌ったのですが、これが絶品でした。ちゃんとした歌い手が歌えば、古典歌曲もなかなか立派な曲に思えるものです。
>ガラコンサートって面白い企画ですね、15分あれば 色々なこと出来ますもの
色々な事できますが、大変ですよ(笑)。まずは、15分歌いきる体力が自分にあるか、そのチェックから始めないといけませんからね。ちなみに、私は15分連続歌唱は無理ですがら、どこかのタイミングで一度袖に引っ込みたいです(できるかな?)。
ファントム、好きだけどな~[E:heart02] かっこいいもん。
イタリア歌曲、ヘンデルくらいしか知らない・・・。
すとんさまぁ、おすすめのCDあったら教えてくださーいっ!!
男声でも女声でもいいですぅ[E:lovely]
あ、でもこれって男声用の曲ばっかりなの?
02)モンテヴェルディ作曲「私を死なせて/Lasciatemi morire!」
これなんか、曲名もいいカンジ~[E:happy02]
キング先生の「ニーナ」聴きたかったぁ[E:crying]
って、曲知らないんだけれどね(笑)
プリロゼさん
ファントムは有名な曲が多いから、やりがいがありますね。譜読みをしてからでないと、ガラコンサートで歌うかどうか、本決まりにはなりませんが、私の中では、結構前向きになってます。
>すとんさまぁ、おすすめのCDあったら教えてくださーいっ!!
うわぁ、イタリア古典歌曲のCDはそれこそ、山のようにあるので、薦めるのが難しいなあ。一般的に、教材とかお手本として聞きたいなら、日本人歌手がピアノ伴奏できっちりと歌っているのが、いいと思います。あくまで“曲”として楽しみたいのなら、外国人歌手がオーケストラをバックに歌っているものが、聞き応えがあっていいと思います。
お薦めねえ…。個人的に好きなのは、カレーラスとかジーリなどのテノールの名歌手がイタリア古典歌曲ばかりを吹き込んだCDがあるので、それなんだけれど、両方とも、確か廃盤じゃなかったかな?
と言うわけで、ひとまず、定番のCDを紹介しておきますと…やっぱり、松本美和子氏の「イタリア古典歌曲集」でしょうか。実際、私も「あの曲、どんな曲だっけ?」と思って聞くのは、松本美和子氏のものですね。松本氏はイタリアものを精力的に録音しているので、私の中でのイタリアもののリファレンス的な存在の歌手さんです。ちなみに松本氏のイタリア古典歌曲集は、ピアノ伴奏のものと、オーケストラ伴奏のものと、二種類のCDをリリースしてますが、現在、オケ伴奏の方は廃盤じゃなかったかな?
>あ、でもこれって男声用の曲ばっかりなの?
歌曲は、歌う歌手の性別を基本的には問わないので、別に男性用、女性用という明確な区別があるわけではありません。と言うのも、歌の中の主人公と歌手を切り離して歌うので、女性の歌を男声で歌ったり、男性の歌を女性で歌ったりするケースは結構あるんですよ。実際、今、私が練習している、ロッシーニの「約束」は、本来、ソプラノのために書かれた曲なんですよ。でも、気にしないで歌っちゃえるのが、歌曲の良いところなんです。…オペラでは、性別とか声質の縛りがあるので、そういうわけにはいかないのですが…ねえ。
>キング先生の「ニーナ」聴きたかったぁ
良かったですよ。私は直前のレッスンの時に「ニーナを歌うから、心して聞きなさい」と言われて、さてどんなふうに歌うのかなって思ってましたが、私の予想のはるか上の歌唱でした。当日のピアニストさんのお話では「何かが降りてきた」らしいです(笑)。
松本美和子さんのCD、結構難しいお値段がついていますのねぇ。
イル・ディーヴォDVDに負けちゃったぁ[E:happy02]
けっきょくね、スミ・ジョーのイタリア古典歌曲を買ってみましたの。(安かった)
楽譜見ながら聴いてみようかな。
ちゃんと声楽を習い始めたら、きっちりとした教材用になるCDを買いますわ。
最近はフルートより声楽に軸が移りつつあって、コワイ・・・。
教材CD作ろうかしら・・・・w売れるかなw
プリロゼさん
スミ・ジョーのイタリア古典歌曲集ですか。私、スミ・ジョーは好きなんだけれど、そのCDは聞いたことないので、実は薦められませんでした。安いし、私も買っちゃおうかな。
>ちゃんと声楽を習い始めたら、きっちりとした教材用になるCDを買いますわ。
声楽を始めたら、イタリア古典歌曲は避けて通れないし、やはり女性は女性の歌い方ってのもあるから、きっといい教材CDになると思いますよ。それに、古典歌曲って、曲そのものがいいからね。
キング先生
教材CDは、絶対需要はあります。問題は販売チャンネルですね。その問題さえクリアすれば、バッチグーですよ。
「ニーナ」というと沢田研二の歌を思い出す私です。
大体この曲、ペルゴレージの曲じゃないらしいです。(Chiampiとか言う人の曲らしいです。)
“O del mio dolce ardor”私も機会があれば歌ってみたいですね~。
それから”Lasciatemi morire!”はこれ単品だと短いのですが、全曲ヴァージョン(?)で歌ってみたいです。(全音のイタリア古典歌曲集3巻にあります。)
「ファントム」、いいなあ!
よくカラオケで一人デュエットしているのですが、誰かと歌ってみたいです。
Ceciliaさん
>「ニーナ」というと沢田研二の歌を思い出す私です。
「追憶」ですね、ソロの最初の頃の曲で、あの頃のジュリーの歌詞は、どことなくヨーロピアンな雰囲気がありましたね。好きだったなあ…。最近では「我が窮状」という歌を歌う護憲派歌手として名を馳せているようですが…。
>それから”Lasciatemi morire!”はこれ単品だと短いのですが、全曲ヴァージョン(?)で歌ってみたいです。
へえーそれは知らなかった。今度楽譜を見てみましょう。
ファントムは…女声パートは歌うとなかなか面白そうですよ。ただ、ファントムにはソロ曲が少なくて、大半の曲が重唱ですから、確かに歌うならパートナーが必要ですね。
いま ざあっと イタリア古典歌曲を 検索かけて来ました。曲によって 色々な人が歌っていて カレーラスのような有名な人から見るからに素人さんと言う感じの方まで。とてもシンプルなのが多いですが それだけに個性が出やすい、例えば 教会のアリアは デルモナコもクラウスも歌ってますが 祈りの質が全く違う、違って当たり前なのですが そういうの怖いです。ルチア狂乱のように、ともすればテクニックに走りやすい、言い換えれば テクニックで誤魔化す事ができる音楽では全然ないですね。おまけに声そのものにエレガンスがないと!まだまだ高い峰は続いていきます。
グレッチェンさん
今、グレッチェンさんのコメントを読みながら「もしかすると、声楽におけるイタリア古典歌曲って、料理で言うなら、卵料理みたいなものかな?」って思いました。
卵料理なんて、どれもこれもレシピ的には簡単で、誰もが作れるけれど、きちんと作ろうとすると、熱の通し方一つ取ってみても、素人と名人では全然違う。おまけに名人だからと言って、同じものが作れるかと言うと、料理人の個性で味も全然違ってしまう。誰もが簡単に作れるけれど、極めようとすると、やたらと難しい。
イタリア古典歌曲も、誰もが歌うけれど、聞いている人を感動させるのは難しいし、歌手によって、その味わいは全然違う。初学者も歌うけれど、一流のプロ歌手も録音をして、立派なアルバムを作るわけだ。そして、極めようとする、やたらと難しいのも同じ。
なので、私が、今、この時期に、イタリア古典歌曲を勉強しなおすのは、良いことなのかもしれないなあ…なんて思いました。
いつもながら、教材の選曲がgoodなんです、キング先生は。
高望みするのはやめましょうね。