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子音にも音程をつけて歌ってみようか

 声楽のレッスンに行ってきました。

 まずは発表会の反省からです。客観的な出来はあまり良くないのですが、先生的には「よくやりました」って事らしいです。自己評価的にも「まずまず」って感じなので、とりあえず、OKって事ですね。とにかく、学ぶ事の多い発表会だったし、今後の課題もいくつか見えてきました。

 まず、私が発表会当日にいきなり声を壊したのは…あれは、ある意味必然で、先生的には想定の範囲内の出来事だったらしいです。と言うのも、私は午前中に声を出してしまうと、必ずその場で声を壊して、その日一日ダメダメになるのだそうです。いやあ、先生に言われるまで、自分の事なのに気づきませんでした。確かに今までそうだったかもしれない。

 でも、それって、私個人の問題と言うよりも(発展途上な?)テノールの宿命みたいなものなんだそうです。そう言えば、以前、別のテノール歌手の方から同じような事(午前中に歌えるテノールなんていない…的な発言)を聞いた事があります。

 とにかく、テノールという人種(笑)は、声が目覚めるのに時間がかかるものなんだそうです。体はしっかり目覚めて活動的になっていても、声はまだまだ寝ぼけた状態なので、大半のテノールは午前中はロクに歌えないものなんだそうです。ロクに歌えない状態なのだから、ちゃんと歌わないで軽く流しておけばよかったものを、私は根が真面目(笑)ですから、ロクに歌えなくても、そこをムリムリに歌おうとしちゃうので、声を壊すわけです。

 と言うわけで「テノールにとって午前中は鬼門」という有難いお言葉を胸に刻ませていただきました。これからは午前中は声を出さないように心掛けたいと思います。

 ちなみに、寝ている声をたたき起こすには、丹念にストレッチとか筋トレとかをするのが効果的なんだそうです。だから、発表会当日、声がぶっ壊れた私に、丹念なストレッチを命じたのも、寝ている声を、無理やり起こすためだったんだそうです。

 それと、声はホールなりに出さないといけないのだそうです。今回のホールは、響きの良い小さなホールにも関わらず、私は(声が出ないため)無理に声を張りあげて歌い、そのため、息を使いすぎて、その息の勢いで、ノドに負担がかかりすぎて、結果として声が壊れてしまったわけです。つまり、息を使いすぎのもBadなわけです。

 会場なりに歌う事。その上で、常に息は少なめにして歌う事。この二つの癖を身につけることが大切なようです。ま、これらの事が骨身に沁みて分かっただけでも、今回の発表会は有意義な発表会だったと思いますよ。

 と言うわけで、今回のレッスンは、発声練習からです。

 とにかく、大切な事は、鼻腔で歌うことです。今回は鼻腔の入り口をクイッと開く練習をしました。やり方は簡単で、頭の横に手をアヒルさんのような形で構えて、高音になったら、そのアヒルさんの後頭部をクイッって持ち上げてあげるんです。で、そうやって歌った声を先生が聞いて、ヨシとダメを出して、ヨシの感覚を覚えるって練習です。これからは当分、こんな感じの練習をしていく事になりそうです。地味な練習だけど、ここで一皮むけるためには必要な練習なんでしょうね。

 で、このアヒルさん練習ですが、先生と一緒だと簡単にできるのに、自宅で一人で試してみると、全然できません。不思議だなあ~。

 曲は「陽はすでにガンジス川から」です。ひとまず、サラっと歌ってみました。昔みっちりやった曲ですが、結構歌いづらいです。先生からも「歌いづらいでしょう~」って言われました。はい、歌いづらいです。

 私的には、言葉が音楽に付いてこれずに歌いづらいように感じていましたが、先生がおっしゃるには、言葉ではなく、発声が歌に追いついてこれないために、歌いづらいのですと言うことです。

 私の歌い方の癖と言うのがあって、それは母音で歌いすぎるという癖です。これはレガートに歌うという意味では良いのですが、あまりに母音中心で歌ってしまい、子音がなおざりになっているのが現状なのだそうです。何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」ってわけです。

 なので、ガンジスの冒頭部も「ジャイル・ソーレー・ダル・ガンジェ」ではなく「ジアイル・スオールエー・ダー・グワンジエ」みたいな感じ(分かりづらくてゴメンなさい)歌っているそうです。ちょっと聞いた感じ、しゃくり上げて歌っているような感じ? …言われてみれば、そうかもしれません。

 つまり、母音で音程を取って歌っているのです。

 だから、子音がなおざりで、それが結果として“発声の準備が遅い”印象になるわけです。

 音と言うのは、母音だけで成り立っているわけではなく、子音+母音で成り立っているのだから、その子音を発声する段階で、すでに目的とする音程のポジション(ノドの開き具合)にいないといけません。言葉を変えて言えば「子音でもしっかり音程を取って歌え」って事です。

 しかし、今の私にとって、子音は単なるノイズ(音響学的には正解です)であって、その子音に音程を与えるなんざぁ、夢のまた夢の話なんですが、そこはあえて、子音にも音程を与えるような感じで歌う事が大切で、それが“発声の準備”なのだそうです。

 「ガンジス川~」では、その発声の準備とポジションの練習をたっぷりするのだそうです。有難い事です。

 ま、とりあえず、発表会も終わり、今はしっかりとテクニックを磨く時期ですから、こういう地味な練習も熱心にやります。半年もすれば、今度はガラコンサートの練習が始まるわけですから、この半年で、磨けるだけのテクニックをしっかり磨いておかないと…ね。野望実現のためにも、しっかりテクニック向上を目指さないと(笑)。

コメント

  1. Yテノール より:

    門下生演奏会では、お互い,奇跡的に撃沈を免れ、なんとか歌いとうすことができ、本当によかったですよね♪

    実は、私が「女心の歌」のカデンツ最高音Hで撃沈しなかった理由は、直前のレッスンでキング先生から授かったアドバイスの御陰でありました。

    それが、ストンさんの今回のコメントにも言及されている、子音発声の時にポジションを作っておくというものした。
    もしこのご指導がなかったら、200%撃沈間違いなしでした。
    コンサート前後は自身の個展で終日お客様の対応に終始し声はガラガラ完全に潰れHを出すどころのさわぎではありませんでしたからね。

    キング先生のご指導の的確さに今さらながら感謝と感嘆の思いを禁じ得ません!
    お互い良い先生に巡り会えて本当に幸せですよね〜♪♪

    また次回に向けてテノールどうし、腕に、じゃなかった、声に磨きをかけて参りましょう〜♪♪

  2. すとん より:

    >Yテノールさん

     Yテノールさんが、子音発声のコツをつかんだので撃沈をまぬがれた話は、キング先生からも、うかがいました(先生、とてもうれしかったみたいですよ)。実は私、準備を早くするとか、子音発声の時にすでにポジションを作っておくとか、似たような注意は以前から何度もされていますが、一向に理解もできなきゃ、身にも付きません。レッスンの時は、何となく分かったような気がして、それなりにできるのですが、家に帰ると、その感覚をキレイに忘れて、じぇんじぇんできません(涙)。

     どうも、物覚えが悪いと言うか、学習能力が低いと言うか…難儀しております。

     進歩の速度がかなり遅い私ですが、それでもちょっとちょっとは進歩していますので、昨日の自分に負けていなけりゃ、まあいいか…という気持ちで頑張ってます。

    >また次回に向けてテノールどうし、腕に、じゃなかった、声に磨きをかけて参りましょう〜♪♪

     次はガラコンサートですね。それまでに、階段を一つ昇っておきたいと思ってます。だからこそ、声に磨きをかけないと…。

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