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練習スペシャルでした

 ヴァイオリンのレッスンに行ってきました。今回のレッスンは、新しい曲をやらずに、「練習スペシャル」と銘打ったレッスンでした。つまり、私が自宅でやっている練習方法を先生がチェックして、変な練習をしていないかを確認し、必要な練習を付け足すという、自宅練習見直しレッスンでした。

 なので、私が普段、家でやっている練習をここでやってみなさいと言われました。

 私の日頃の練習は、特別な事をしているつもりはありません。時間があれば、チューニング -> ボウイングの確認 -> 音程練習 -> 音階練習 -> 曲の練習、という当たり前の流れでやっています。もちろん、これはたっぷり時間がかけられる時であって、いつも全部の練習過程をやっているわけではありません。むしろ、最初から始めて、その日の時間的な余裕とか体力的な余裕を見計らって、できるところまでやるというのが、私のヴァイオリン日課となっています。

 特に今は、歌劇団での(小さな)本番があるし、フルートは発表会を控えているし、なかなかヴァイオリンまで手が回らないのは事実です(申し訳ないです)。

 さて、そんな私ですが、まずはチューニングから始めます。いつもはチューナーの発信音にA線を合わせてますが、レッスンでは、せっかくピアノがあるので、ピアノの音と、各弦の開放弦をピッチカートで合わせ、それを5度の響きで確認するというやり方をしました。ちなみに、自宅では、A線をチューナーの発信音に合わせたら、あとはピッチカートで5度の響きを使ってチューニングをして、それをチューナーのメーターで視覚的に確認するというやり方でやってます。ただし、ヴァイオリンは構えて演奏姿勢でチューニングするのではなく、膝の上に正面向きに置いてやってます。

 まだまだ重音奏法が苦手であることと、ヴァイオリンを構えたままペグをまわすのが苦手なので、やむをえず、この方法でチューニングしていますが、まだ今の段階ではそれでも良いと言われました。ただ、やがては、重音奏法で音合わせをし、ヴァイオリンを構えたままペグを廻せるようにしましょうと言われました。

 とりあえず、自前のチューニングでOKをもらったので、次はボウイングの練習です。

 ボウイングは開放弦を使って、弓元、弓先、弓中で軽くデタッシェで弾いて弓の感覚を確認し、全弓でロングトーンの練習をします。

 まずは全弓でダメが出ました。右腕の動きが悪すぎです。まず、全般的に右手がカラダから離れすぎて、その結果、弓がかなり斜めになってしまっている上に、右腕の動きが、ほぼ円運動になっているので、基本に立ち返ってのダメ出しでした。ミヤマにして以来、ボウイング矯正器具を使っていませんでしたが、ひさしぶりに、あの器具を使って練習してみようと思いました。

 とにかく、ボウイングは右手の動きに注意しないとダメなんですが。さらに、右手の動きだけでなく、その音にも注意するように言われました。

 弓を軽く弦に乗せて、ヘナヘナな音を出しがちな私です(弓を弦に押しつけないようにしているためです)が、それではダメで、しっかりと弦の上に弓を置いて(押さえつけずに、しかもしっかりと弓を弦に乗せて)弾く様に言われました。その時に大切なのは、下腹に力をいれて弓を操作することです。確かに、それを心掛けるだけで、ヴァイオリンの音がガラリと変わるので、おもしろいです。

 ここで先生に言われた事は、ボウイングに限らず、すべての練習で、下手をやると、その下手が定着してしまう事を肝に命ずる事。下手な練習をすればするほど、ドンドン下手になってしまうので、練習は常に真剣に正確に妥協する事なく行うように、と言われました。

 たかが、ボウイングだけれど、これも最初の段階できちんと出来るようにならないと、いくら練習してもヴァイオリンの上達はありえないと言われました。

 そしてさらに、練習は集中して真剣にやらなければいけないけれど、無駄に長い時間練習する必要はないから、短時間でもきちんとやりなさい。まずはそれで良いとも言われました。

 ボウイング練習の次は音程練習ですが、これもいきなりダメ出しが出ました。

 音程の練習は、つまり左手の練習なんですが、これは、一つの弦について集中して練習するのではなく、一つの指に集中して練習するように言われました。つまり、4弦の1指の練習をしたら、次は3弦の1指、次は2弦の1指、次は4弦の1指という要領で、指に着目して練習をするのです。やり方としては「開放弦(ド)-1指(レ)-開放弦-1指-開放弦-1指-…」というやり方ですね。

 指の練習をする時は、常に正しい音程で行うこと。そして、手がかりなしで一発で正しい音程が出せるように、しっかりとカラダでそのポジションを覚えてしまうこと。私は1指の音程を低めに取る癖があるそうなので、そこに気をつける様に言われました。それと各指はしっかりと立てておくようにも言われました。

 それと、その時の1指の動きは、俊敏に力強く行うこと。弦を押さえた時と離した時に、1指の動きだけで音が鳴る様に行うことが肝心(ハンマリングとプリングオフの要領かな?)です。これが初歩の段階でマスターできているかできていないかで、後のヴィブラートの練習にとりかかる時期が変わってくるのだそうです。

 それと右手と左指の連動にも気をつける様に言われました。私は右手に比べて左手の動きがやや遅いそうで、そのため、まるで前打音付きの音のように聞こえるそうなので、しっかりとタイミングを合わせて音を鳴らす様に言われました。

 1指の次は2指です。これはメジャーとマイナーに気をつける事が大切なのだそうです。練習としては「開放弦(ド)-2指(ミ)-開放弦-2指-開放弦-2指-…」をデタッシェでやります。そして、それが一通り終わったら、次は「開放弦(ド)-2指(bミ)-開放弦-2指-開放弦-2指-…」をやります。そして最後は当然「開放弦(ド)-2指(ミ)-開放弦-2指(bミ)-開放弦(ド)-2指(ミ)-開放弦-2指(bミ)-…」をやります。

 次は3指の練習です。「開放弦(ド)-3指(ファ)-開放弦-3指-開放弦-3指-…」です。

 その次は4指です。これは「開放弦-4指-…」ではなく、まずは「開放弦(ド)-1指(レ)-4指(ソ)-1指-開放弦-1指-4指-1指-開放弦-1指-4指-1指-開放弦-…」でやる事が大切なんだそうです。1指を押さえたままで4指を押さえることで、4指の伸び具合をカラダに教えるためだそうです。

 それが一通り終わったら、次は「開放弦(ド)-1指(レ)-開放弦-4指(ソ)-開放弦-[ポジション移動して]2指(ソ)-[ポジションを戻して]開放弦-1指-開放弦-4指-開放弦-2指-…」をやります。これは左手の動きが硬くなるのを防ぐための練習であると同時にサードポジョンの練習の入り口なんだそうです。今の私には、かなり難しいです。

 音程練習が終わったら、次は音階練習です。この時はメトロノームを50の速さで鳴らし、ウラ取り(難しい:汗)で8拍のロングトーンで「ドレミファソラシドドシラソファミレド~」とやります。この時に肝心なのは、正しい音程、美しい音、正しいボウイングです。これらだけに集中して、根気より練習することがとても大切だそうです。

 ここまでキチンとできたら、やっと曲の練習ですが、曲の練習方法を確認する前に、レッスン終了となりました。とにかく、基礎練習、やる事多すぎです(笑)。今回も大幅にレッスン時間が超過していました。いつもいつも感謝です。

 音楽はすべてつながっているので、ヴァイオリンの練習をする事で、良い影響が歌やフルートにも現れるし、また歌やフルートの練習もヴァイオリンに良い影響を与えるので、頑張ってほしいと言われました。特にヴァイオリンの練習をしていくと、かなり音程にシビアになってくるので、音程甘々な私は、ヴァイオリンの練習を重ねていくことで、歌やフルートの音程も良くなってくるはずだと言われました。そのためにも、ヴァイオリンの練習の時は、必ず、歌いながらやる事が大切だとも言われました。

 しかし、どこに行っても、音程を注意される私って、ある意味、すごいね。これだけ音感がダメダメなのに、音楽を趣味にしていられるというのは、いくら“下手の横好き”とは言え、色々と恵まれていると思います。ちょっと心の狭い先生についていたら、きっと破門されているだろうね(過去に経験あり:爆)。現在の私を指導してくださる先生方が、本当に良い方々ばかりで、私のノロノロした成長(これでも少しずつは上達してます)につきあってくださっているわけで、感謝感謝の日々でございます。

 生涯教育というのは、生涯をかけて学んでいくものだから、そんなに慌てずに、学ぶ過程を楽しんでいく事が大切…とエラい人の話を聞いたことがありますが、今の私って、まさにそんな感じかなって思ってます。

コメント

  1. およね より:

    先生の真摯な姿勢が伝わってきます。

    「すべての練習で下手をやると、その下手が定着してしまう…」

    フルートの先生の音はまさに”一音入魂”で美しいです。ワンフレーズだけでも聴くだけでウットリします。

    決して一音たりともおろそかにしない、そんな接し方を自分もしたいと努力し続ければ、私の楽器も少しは応えて(鳴って)くれるかな…と思います。

    基礎練習が何だか楽しい、この頃です。

  2. すとん より:

    >およねさん、いらっしゃいませ。

     本当に上手な方は、指が回るのはもちろんなんですが、音が美しいのですよ。だから、ゆっくりとしたテクニック的には簡単な曲を演奏しても、我々の心をうつのです。

     そのためには、練習の時から、一音一音をおろそかにせず…なんだろうと思います。音程、音色、リズム、そのすべてをおろそかにせず、一音一音を奏でる事が、美しい音楽を紡ぐための基本なんだろうと思います。表現はその先にあるのだと思います。

     私もようやく、そう言うことが理屈ではなく、肌感覚で分かってきたところですが…やはり日々の練習となると、時間と体力と集中力との戦いになってしまいます。まずは練習時間をひねり出す事。練習を始めたなら、気を散らさずに集中して練習を続ける事。そして自分に厳しく、出来なければ出来るまで何度でも繰り返して練習する事。 …文字でなら簡単に書けますが、実際にはなかなかできません。ここが現実の抱える問題って奴でして、ああ、私に、時間と体力と集中力を与え給え!

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