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「ゆとり教育」は失敗だったのか?…な~んてね[2010年4月第3週・通算14週]

体重:107.4kg[-0.6kg:-0.5kg]
体脂肪率:32.4%[+0.1%:-0.4%]
BMI:33.9[-0.5:-0.4]
体脂肪質量:34.8kg[-0.1kg:-0.7kg]
腹囲:105.0cm[+-0.0cm:-0.3cm]
     [先週との差:2010年当初との差]

 体重は、少なくとも先週の危機的状況から半歩ほど戻したつもりですが…ううむ、まだまだだなあ。なぜ体重は増える時は遠慮なく増えるのに、減らすのは、こんなにも困難なのでしょうか? …ヤバイっす(汗)。

 さて、文部科学省が、2011年度から小学校で使用される教科書の検定結果を発表したそうです。

 新しい教科書の特徴は「ゆとり教育」から「脱ゆとり」という方向に舵を切ったようで、例えば、教科書の厚さで見ると、新教科書は現行教科書と比べて、各社の平均ページ数が、算数で33%、理科は37%、全体でも25%増えているそうです。

 授業時間そのものは「ゆとり教育」なままなので、一つ一つの授業の中身が濃くなっていくわけです。教師の腕の差(つまり、当たりはずれ)がより明確になるでしょうね。当然、落ちこぼれも出てくるだろうし、学校も荒れてくると思います。

 「ゆとり教育」って、建前としては、体験的な学習や、地域との交流、家庭教育の充実などを目的としつつ、ストレスレスな学校生活を目指す教育だったと思います。勉強内容や勉強時間が減るし、テストで測れる学力の成績は下がるけれど、子どもたちに精神的な余裕を与え、テストで計れない学力を伸ばすことを目的としていたはずです。

 そんな「ゆとり教育」が行われて、やっと10年。まだまだ10年。ほんの10年。だけど、思っていたような効果は目に見える形で現れず、弊害ばかりが目立つようになりました。そんな現状を踏まえて、朝令暮改の雰囲気はありますが、日本の教育にテコ入れが行われます。

 「ゆとり教育」を受けて育った世代を“ゆとり世代”というそうです。

 いわゆる“ゆとり世代”って、色々諸説はあるけれど、きちんと勉強しないといけない、中高生の時代に「ゆとり教育」を受けた世代の事だと思います。つまり、1987年4月~1997年3月生まれの人で、現在は13才[中学2年]~23才[大卒1年目])の人です。

 10年やった「ゆとり教育」がここで見直されると言うことは、つまり「ゆとり教育」って失敗だったって事? ゆとり世代って「失われた世代」って事になるのでしょうか?

 この世代の特徴について考えてみます。

 この世代は、前の世代と比べて、人数も少なく、本当に小さな頃から、あまり競争にさらされずに子ども時代を過ごしてしまった世代です。それゆえに、精神的に弱いと言われる事も多いです。

 性格的な特徴として「失敗を極端に恐れ、間違いのない答えを求める」とか「自分から動き出せない」とか「まじめで、言われたことはきちんとやる」とか「指示待ちで、言われたことしかできない」「発想力、応用力に欠ける」と分析する方もいらっしゃいます。いやあ、可哀相なくらい、見事にマイナス評価が並びましたねえ。まあ、つまり、未熟で覇気がないと思われている世代なのかな?

 でも、私が見ていると、確かに大人しい子が多いけれど、決してダメとは思えません。ちゃんと優秀な子は優秀だなあと思います。ただ、優秀な方向性が従来の日本人の持っていた方向性とは、ちょっと違うかもしれません。

 そういった点では、ある意味「静かな脇役」と呼べる世代なのかもしれません。なにしろ、バブル景気を経験した親に育てられ、モノに恵まれて育ち、生まれた時から、パソコンもネットもあるし、使っていた世代です。そのため、ほんとに欲がない。不満がない。自己主張が弱い。なにしろ、欲しいものはなんでも、すでに身の回りにあるんだもん。欲望を発露するチャンスがなかったわけです。そんな人たちに覇気があろうはずがないです。

 生まれた時から、不安も不満も競争もない社会で生きている、まさに幸せを絵に描いたような人生を生きてきて、ひとまず自分の小さな世界で幸せを感じている世代。全然、ハングリーじゃない世代。それが彼ら。善くも悪しくも「坊ちゃん嬢ちゃん」なんですね。

 生まれた時からネットにいるので、リアルなコミニュケーションがちょっと苦手。基本的な性格も神経質に見えて、実はかなり大雑把。今までにいなかった、新しい種類の日本人と言えます。

 新しい種類の日本人と言えば、昔々“新人類”と呼ばれた人たちがいます。実は、それ、私たちの世代の人間なんですね。それこそ“新人類世代”という奴で、この“ゆとり世代”の親世代にあたるわけです。

 私たちも、その前の世代と比べて、人数の少ない世代で、普通に暮らしていても前の世代とは、社会における競争率が低くて、色々な面で楽でした。子どもたち同様に、上の世代から不思議がられ、元気がないと言われた世代です。

 まあ、私たち新人類世代も、楽に人生渡ってきましたが、その子であるゆとり世代は、さらにもっと(少なくとも子ども時代は)楽に生きてきたと思います。

 自分たちの事を棚に上げて申し訳ないけれど、人間、あんまり楽に生きちゃ、ダメだね。

 私は教師時代、ゆとり世代の子たちを教えていたけれど、この子たち、驚くほどモノを知らない。なにしろ学校でロクに教育を受けていないのだから、徹底的に知識と学力というものがない。元々が「落ちこぼれを失くす」というキレイゴトで始まった、ゆとり教育で、そのおかけで、確かに落ちこぼれはいなくなったかもしれないけれど、その代わり、全員が落ちこぼれてしまったわけで、その結果が学力低下でしょ。

 彼らは決して馬鹿ではないんです。ただ、無知なんですよ。モノをあまりに知らなさ過ぎるわけです。だから教師時代の私は、授業中、教科書の知識はもちろんだけれど、そこから逸脱した応用的な知識やたくさん雑学とか経験知というのも教えたよ。子どもたちは、他の先生からは聞けない話だと言っては喜んでいたけれど、教科書の範囲を平気で逸脱して教えてました。あまり良いことではないかもしれない。

 それにだいだい、実は、教科書がペラペラだから、あっと言う間に教えるべき内容を教え終わってしまうので、時間調整のためのやっちゃった事という側面は否定できません(汗)。(しかし、あんなペラペラの教科書ですら、配当時間内に、満足に教えられない教師もいるんだよなあ…:嘆)

 あの10年間は…本当に失敗だったのか? 私は失敗したのは、教育内容はもちろん、国の将来像を考えずに、そして当時噴出していた落ちこぼれ批判をかわすために、お花畑的発想で作り上げたキレイゴトであるゆとり教育を実施してしまった、当時の教育官僚たちのあり方、そのものが失敗だったと思います。

 所詮、ゆとり教育なんて、今となっては、日本人の知性を落とすために行った教育施策だったんじゃないかと思っちゃいます。失敗と言うよりも、愚民化政策? 一種の占領政策? ああ、ほんと、このツケは大きいぞ。

 確かに今、労働人口の現象に伴い、日本の国力は明らかに下がっていると思います。その上で、国民(つまり労働者)の教育水準も下がっているとしたら、弱り目に祟り目です。一時の官僚たちの誤った判断のおかげで、日本は滅びてしまうのでしょうか?

 私は、労働人口の現象に関してはともかく、国民の学力低下問題については、あまり心配していません。確かに若い世代の学力は低下してしまったかもしれませんが、腐っても、彼らは日本人です。学力はダメでも、日本人としてのDNAは優秀です。彼らは彼らなりのやり方をもって、きっと日本を立て直してくれるはずです。学生時代にロクに使わなかった知力や才能を、社会に出てから、きっと伸ばし発揮してくるはずです。我々、上の世代の人間は、子どもだった彼らにロクな教育を与える事はできなかったけれど、大人になった彼ら自身が、必ず自分を鍛え伸ばし、きっと国を成長させてくれると信じてます。

 なので、質的低下はあまり心配してません。ただ、人口減少は…こっちは深刻だと思います。移民も一つの手段だけれど、問題は優秀な日本人の数が減っている事なんだよね。そこは移民じゃ補えないんだよ。だから、より一層の機械化を進めて、単純作業はロボットにお願いしていくしか手がないかな…。

 とにかく振り子は、一度振り切ると、必ず反対側に戻っていくものです。ようやく、我が国も100年の愚策である「ゆとり教育」から脱却できそうです。確かに学力だけではヒトは足りないけれど、学力が足りないヒトは、この高度情報化社会の中では、何の役にも立たなければ、自分の身を守ることもできません。

 がんばれ、日本。そして、ゆとり世代の若者たちも、自分磨きにがんばれ!

コメント

  1. ダリア より:

    難しい問題ですよね。口を揃えて「ゆとりゆとり」って唱えてたのはいつのころかというと、たった10年ほど前なんですか。今、あれは失策だったからゆとりはナシの方向で、と言われると、遠い昔のような気がします。たった10年、されど10年ですね、この谷間の世代の方たちはほんとに振り回されてお気の毒ですね・・・。お子さんとか持ったときに、「パパやママはそれは習ってないからわかんないよ」では子供さんが困惑するかも・・。
    振り切れた振り子は必ず反対側に戻ってくる、ほんとうにそうですね。

  2. すとん より:

    >ダリアさん

     ほんと、可哀相なのは「ゆとり教育」で振り回された「ゆとり世代」の人たちです。ま、知識そのものは大人になってからでも増やせるので心配してませんし、雑学だって、昨今のクイズ番組の隆盛状況を見ていれば、なんとかなるだろうと思ってます。

     しかし、学校の欠けをテレビ番組で補っているなんて…日本の教育行政の無能さを民間がカバーしているみたいで、情けないです。

    >お子さんとか持ったときに、「パパやママはそれは習ってないからわかんないよ」では子供さんが困惑するかも・・。

     いや、それはないから大丈夫。私の両親は二人共に低学歴でしたから、小学校の段階で「学校の勉強の事は尋ねないで!」と言われていました。両親が勉強苦手なら、子どもは子どもで、どうにかするものです。

     それにしても、政治の世界も早く振り子を振り切って欲しいものです。

  3. YOSHIE より:

    ゆとりはコドモの学力低下を謀った奴ら(口汚くてすみません)には、6〜7割くらい成功だったのではないかなー、と思います。
    今の平均的な大学1年生の学力は昔の中3くらいということで、イェ〜ぃ(^^)vでしょう。
    早くに気付いた親は結構個々の家庭でレジスタンスしていたと思いますが、
    そういう家の子は結構学校では空気を読むのに苦労してます(ってうちの子だよ)。勉強ができる、できないって話ではなくて、
    「いかに思考停止しないでいられるか」ってことなんですが。

    私は、たまたまここで、すとんさんに直接だったり、遠回しにだったり(別に私向けではないですが)教えられたりしていて、とてもラッキーだと思います。

  4. すとん より:

    >YOSHIEさん

     確かに、今の「ゆとり世代」の人たちは、知識不足で学力不足な人が多いですが、日本人をなめちゃいけません。やがて、きちんと必要な知識を身に付け、立派な日本人になるはずですから、私は心配していません。

    >「いかに思考停止しないでいられるか」ってことなんですが。

     こっちの方が問題だし、これは何も「ゆとり世代」に限った話じゃありません。今の日本社会には、馬鹿の壁があっちこっちにそそり立っております。馬鹿の壁を克服していくには、ひとりひとりがきちんとモノを考える事が大切なんだと思います。

     ちなみに、ブログをやっていると、日々、色々な事を考えざるを得ません。これはブログの効用の一つですね。

    >結構学校では空気を読むのに苦労してます

     ……学校には、教師の思想信条には、大きな問題を感じる事が多々あります。私立学校なら選択する余地がありますから、学校や教師がどれだけ思想的に偏向していよう全然問題ないと思いますが、公立学校や、そこに勤務する教師は、愛国心あふれる優秀な日本人を育てる事が、彼らの仕事のはずなのですが…現状はしばしば逆の事が行われている場合が多いです。

     教育システムを変えることも大切ですが、教員の入れ換えも念頭におかないと、日本の教育は再生しないかもしれません。

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