ちょっと自分の人生ってヤツを振り返ってみました。
幼い頃から音楽は好きでした。学生の頃はバンドをやっていました。歌よりも楽器の方が好きで、ギターをメインに、ベースもシンセもドラムも嗜んでいました。歌は…聞くのは大好きでしたし、興味が無いわけではなかったけれど、自分が歌う事はあまり考えていませんでした。
それが“歌いたい”と思うようになったのは、社会人になって、オペラを聞くようになってからです。具体的には、マリオ・デル・モナコのCDを聞いて以来、歌わずにはいられない感じになりました。
で、歌いましょう…と思った時に考えたのが、市民合唱団です。合唱団に入れば、おもいっきり歌が歌える…って思ったんですね。
さっそく、地元で団員を募集している大きめな市民合唱団があったので、入れてもらいました。その合唱団は、今では入団テストのようなものがあるらしいのですが、私が入った頃は、まだ発足したばかりで、特にテストのようなモノもなく、フリーパスで入っちゃいました。
合唱団時代は、楽しくてつらい日々でした。歌が歌える事は楽しかったですよ。合唱団に入った事で人脈も広がりましたし、あれこれの舞台でも歌わせてもらえるようになりました。
ただ、オペラを聞いて、感動して、それで歌いたいと思った人なので、とにかく朗々と大きな声で歌いたいのです。
今でもそうだけれど、私の声って、極めてソリストなんだよね。そもそも、声大きいし、よく通るし、甲高いし…いわゆる“内緒話ができない人”なんだよね。どんなに小声のウィスパーヴォイスで話しても、周りに筒抜けになってしまう声の持ち主だったりします。
そんな声の持ち主が、大声で朗々と歌いたがっているわけだから、そりゃあダメだよね。合唱団的には迷惑千万なわけです。
おまけに、それまで音楽はやっていたけれど、歌は全然歌っていなかったわけだから、歌は超絶下手くそだったわけです。なので、合唱団の練習中も、しばしば個人的に注意されたり、指導されたりしてました。おそらく、心の弱い人なら居たたまれなくなっていたでしょうね。私は精神的に折れる事はなかったけれど、すごく団には迷惑をかけているなあという自覚があって、そこは辛かったです。
結局、大きな本番を終えたところで、合唱を止めて、声楽(独唱)を学ぶようになったわけで、途中紆余曲折はありましたが、それが今の私につながっていくわけです。
今でも合唱で歌う事は好きだしやりたいのですが、個性を殺して、周りの人たちと声質や声量を併せて緻密に歌っていくのは苦手だし、やりたくないです。
みんな、バンバン声を出して個性豊かに歌えばいいじゃん…って思っちゃうわけですが、それじゃあ今の日本の合唱はできないよね。少なくとも、今の日本の合唱で行われている主流の音楽とは違うわけです。
だから私は合唱ができない…わけです。
いつの日か、百人程度の合唱団があったら、その歌声が「まるで一人の人が歌っているかように聞こえる」音楽が廃れ「百人の人間が汗かきながら声を合わせて歌っているように聞こえる」音楽が主流になったら、私も合唱を楽しめるのではないかと思うのです。
ま、そんな日はやってこないか(笑)。
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