声楽のレッスンの続きです。曲の練習に入りました。まずは、シューベルト作曲「美しき水車小屋の娘」の 3番「Halt!/止まれ!」です。
音を取って、メロディーに歌詞を載せて歌えば終わり…とならないのが、ドイツリートなんだそうです。大切なのは、声に色気を乗せる事。1音1音に歌詞のニュアンスを載せて歌わないといけません。頭を空っぽにして、ピャーっと歌っちゃダメなんです。
初音ミクのような歌ではダメなんです。
さて、声に色気を乗せるとは、具体的にはどうすれば良いのでしょうか? それは多彩な音色を駆使して歌うことです。そして、音程を意思を持って動かして歌う事です。
ピアノはポンと鍵盤を叩いて音を出したら、それ以上、出てしまった音に関与する事はできません。しかし声楽では、あ~と出した声であっても、音色も音質も音程も強弱も、出した後から何とでも操作できるわけで、そこが器楽と声楽の大きな違いであって、歌は、歌いながら声をいくらでも操作できるのだから、それを意図的に操作する事で“色気”を付け加えることでできるのです。
言葉じゃ理解できるけれど、実際にやろうとすると、あまりに自由度が高過ぎて、難しいね。
“Süßer(ジュッサ~)”の発音は日本人には難しいので要注意。きちんと意識して発音する事。
また、歌詞をリエゾンして歌うのは別に構わないが、リエゾンせずに歌えるなら、なるべくリエゾンしないで歌う方が良い。私は、米語の癖で、何でもかんでもリエゾンして歌ってしまうのだけれど、本来、リエゾンする発音は美しくないし、リエゾン多発の発音は、ヨーロッパ人的には、品のない発音に感じる(ヨーロッパの多くの国で、リエゾン多発の発音は下層階級の発音と思われているようです)ようなので、格調高くドイツリートを歌いたいなら、なるべくリエゾンは回避する方向で歌うようにする方が良い(私自身が、下層な人なので、なかなか難しい…)。
さて次は、ドニゼッティ作曲「ドン・パスクワーレ」のテノールアリア「Sogno soave e casto/青春の甘く清らかな夢よ」です。
まずはレガートが足りません。まるで声を音符に置いていくように歌っているんだそうです。それと、イタリア語がカタカナに聞こえるようです。
息をつなげて、もっと軽く歌うと良いそうです。高音も、息の流れの中で自然に出していく事。しっかり高音を狙って出すのは、ちょっと違うようです。特にこの曲は、高音と言ってもA♭止まりなので、それほど高いわけではないので、自然に自然に歌っていくべきなのです。
ピアノ伴奏の無い箇所は、もっとたっぷり休んで良い…と言うか、もっとたっぷり休むべきです。しっかり休んで、体勢を立て直してから歌わないといけません。
聞かせどころの高くて長い音符は、たっぷり色気を込めて歌わないといけません。そのためには、口腔の容量を目一杯広げる事に留意する。
高音から低音に音が移っても、決して気を抜かない、安心しない。
カラダを使って歌っていくのは当然なんだけれど、カラダの使い方はダンサーのような使い方が歌には良いそうです。で、良くないのが、格闘家のようなカラダの使い方で、私は、その良くない格闘家のようなカラダの使い方をしているので、歌うのにアレコレ苦労しているというわけです。強い力ではなく、しなやかな力が必要だし、ガシッと受け止めるのではなく、フワッと流していく事も大切なのです…って、こんな書き方じゃあ分からないよね。
てなわけで、この曲は、次のレッスンで、あと1回歌ったら、お終い。次回のレッスンからは、ヴェルディ作曲の「イル・トロヴァトーレ」のテノールアリア「Di quella pira l’orrendo foco/見よ、恐ろしい炎を」に取り組みます。とても有名なアリアだけれど、アリア全部を歌うのではなく、始まって1/3ぐらいまでの部分に取り組みます。今回使用する楽譜には、そこまでしか書かれていないからね。このアリア、最後はHi-Cがある事で有名だけれど、まだ私にはHi-Cは早いしね。へへへ。
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