今年の連載の最後はジェスロ・タルです。たぶん、皆さんはジェスロ・タルの事はご存知ないと思います。1967年デビューで、70~80年代が彼らの全盛期ですから、昨日取り上げたクイーンと同時代のロックバンドだと思っていれば、ほぼほぼ正解です。もっとも、クイーンはフレディの死後はご存知の通りですが、ジェスロ・タルは2012年まで、メンバーチェンジを何度も繰り返しながらもバンドとして存在していましたし、今現在はジェスロ・タルというバンドは存在しませんが、現在では、イアン・アンダーソンのソロ活動がほぼほぼジェスロ・タルの活動だったりするようです。つまり、未だに活動中と考えてくれても、そう間違いではないというバンドだったりします。
で、今、バンドと書いちゃいましたが、このジェスロ・タルというバンド、実際のところは、イアン・アンダーソンというミュージシャンのワンマンバンドであって、彼が作詞作曲し、彼が歌い、アルバムコンセプトを考えて…で成り立っているバンドです。なので、バンドもソロも一緒…って乱暴な言い方がまかり通ってしまうわけです。
さて、日本ではほぼほぼ無名なバンドですが、世界的には、少なくとも20世紀の間は、かなり売れて人気のあったバンドなのです。11枚もゴールドディスクがありますし、アルバムチャートでもトップ20の常連だったほどです。それほど人気があったバンドなのに、なぜ日本では受けなかったのか? 私が思うに、その理由は2つほどあると思います。
一つは、メインヴォーカルであるイアン・アンダーソンを含め、バンドにイケメンがいなかった事。イケメンどころか、アンダーソンなんて、不潔なブ男だもんなあ…。ヴィジュアル面で整っていたクイーンとは、そこが大きく違います。
あと、ジェスロ・タルはフルートをフィーチャーした曲が多かった事。なにしろ、イアン・アンダーソンがフルーティストなんだよね。ロックとフルート、こりゃあなんじゃい?と思われても仕方ないし、ロックは男臭い音楽だけれど、フルートって(日本じゃ)女の子の楽器なわけで、そんな女の子向けのガーリーな楽器を、むさ苦しいオッサンがロックバンドをバックに吹いているわけだから、そりゃあ日本人には受けないわけさ(涙)。 ああ、悲しい。
そんなわけで、彼らの音源を2曲紹介します。彼らの曲は、本当にどれもこれも素晴らしくて、たった2曲に絞るのは困難なのですが、1曲はいかにもロックしている曲を、もう1曲はアンダーソンのフルートがたっぷり聞ける曲をご紹介します。
最初の曲は、ロックでノリノリな「Locomotive Breath」です。ライブ映像でどうぞ。
次の曲は、彼がソロになってからのもので、フォーレの「パヴァーヌ」を彼風にアレンジしたものです。
どちらの演奏もカッコいいでしょ? でもまあ、フルートって極めると、どうしてもクラシックになっちゃう…って事なんだろうなあ。
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