さて、今回の連載企画ですが「素人の発表会でよく耳にする歌曲 」というのをやりたいと思います。
私の趣味の一つに「身も知らない人の発表会を聞きに行く」というのがあり、結構、あっちこっちの門下の発表会を聞くわけですが、それらの発表会でよく耳にする曲があります。それらの曲を紹介してみたいと思ったわけです。
第一回目の今回は、トスティ作曲の「理想」です。「理想の女」という邦題もあり、一般的にはテノールの歌と思われていますが、発表会等では、よくソプラノさんたちが歌っていたりします。と言うわけで、今回はソプラノさんの歌う音源を貼ってみたいと思います。歌っているのは、ジリアン・ザミットで、彼女はトスティの歌曲でアルバムも発売しているほどのトスティ歌いさんです。
歌詞はこんな感じです。なお、この訳詞は、こちらのサイトのものです。
Io ti seguii come iride di pace
ぼくは平和な虹のようなあなたを追いかけたのです
Lungo le vie del cielo:
天国の道を通り抜けて
Io ti seguii come un’amica face
ぼくは親しげなたいまつのようなあなたを追いかけたのです
De la notte nel velo.
夜のヴェールの中をE ti sentii ne la luce,ne l’aria,
そしてあなたを感じました、光の中に、大気の中に
Nel profumo dei fiori;
花たちの香りの中に
E fu piena la stanza solitaria
そしてこの寂しい部屋は満たされたのです
Di te,dei tuoi splendori.
あなたに、あなたの輝きにIn te rapito,al suon de la tua voce,
あなたに心奪われて、あなたの声の響きに
Lungamente sognai;
私はずっと夢を見ていました
E de la terra ogni affanno,ogni croce,
そしてこの世のすべての悩みも、すべての苦しみも
In quel giorno scordai.
この日の中で忘れたのですTorna,caro ideal,torna un istante
戻ってください、大切な理想の人よ、ひとときだけでも戻って
A sorridermi ancora,
もう一度微笑んでください
E a me risplenderà,nel tuo sembiante,
そうすれば私に輝くのです、あなたの面影から
Una novella aurora.
新しい夜明けがUna novella aurora.
新しい夜明けが
Torna,caro ideal,Torna,Torna,
戻ってください、大切な理想の人よ
歌詞の内容を見ると、男の歌となっています。しかし歌曲では、歌の主人公と歌手は同一人物でなくても良いのですから、別に女性歌手が男の歌を歌ってもマズイことは一つもありません。それにイタリア歌曲では大半の詩人が男性であるという事もあって、男性目線の歌詞が多く、歌曲の主人公の性別にこだわっていては、女性歌手たちの歌える歌曲に制限が掛かりすぎます。ですから、歌手と歌の主人公は切り離して歌うべきだし、聞くべきだと思います。
とは言え、この歌の場合、テノール歌手ばかりが歌うので、聞く側もテノールでの歌唱に慣れているフシがあります。イメージとしては“男性歌手専門の歌曲”というイメージもないわけではないので、発表会などで女性が歌っているのを聞くと、正直、ドキッとしたりしますが…そこにこだわってしまうと、名曲揃いのトスティを女性歌手が歌えなくなってしまうし、聞けなくなってしまいます。そこはやはり『名曲は、男性が歌っても女性が歌ってもいいですね』という事にしておきましょう。。
こんな感じで、今回の連載は続きます。しばらくはお付き合いのほど、よろしくお願いします。
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