なかなか良かったパソナでのコンサートから、テクテク歩いて、東京国際フォーラムまで戻ってきました。のんびり歩いていたら、徒歩約30分。いや~、結構ありました。
東京国際フォーラムに戻ってきて、展示ホールに入って、座席をゲットしました。展示ホールでのコンサートは無料コンサートの上、座席も全席自由だし、立ってみているのも段々しんどくなってきたお年頃なので、まずは座席ゲットですよ。ちなみに、このコンサート、事前には『声楽アンサンブル』をやると聞いてましたが、具体的な演目は何も知らなかったのですが、直前に演目発表があり、やるのは…なんと『カルメン(抜粋)』です。うほー、そりゃあ楽しみだね。
オペラ『カルメン(抜粋)』(丸の内フェスティバルシンガーズ)
序曲~ハバネラ~闘牛士の歌~花の歌~フィナーレ
まさか、抜粋とは言え、オペラが聞けるとは思わなかったので、思わぬ拾い物をしたような気分でした。
出演者は…ソリストは三人、メゾ(カルメン)、テノール(ホセ)、バス(エスカミーリョ)で、ソプラノ(ミカエラ)は無し。ま、カルメンを30分にまとめるなら、ミカエラはカットだね。さすがにあの広い、半ばオープンスペースである展示ホールで生声で歌い上げるのは無理なんでしょうね、ミュージカルマイクをセットしての歌唱となりましたが、東京国際フォーラムのP.A.は、素晴らしいね。実に歌声をクリアに拡声してくれます。これなら、P.A.が入っていても文句ありません。
私はP.A.反対派ではないんですよ。生音には音量の限界がありますから、広い会場なら、音声を拡声する必要ってあると思うんです。でもね、音声は自然な響きのまま拡声して欲しいのです。音量アップのために、音色や音質が影響受けるなんてダメだと思うし、余計なエコーなどかけてほしくないんですよ。そのためには、アンプもマイクもスピーカーもそれなりのクオリティーで揃えてほしいのです。そこへいくと、東京国際フォーラムのP.A.は合格点です。エリアコンサートでも、このくらいのP.A.を使ってもらえるなら、私も文句はないのですが…。
演奏は…たぶんアマオケさんですね。でも、なかなかお上手でした。歌手さんたちの変幻自在な歌によく付いてこれました。オペラの伴奏って、アマオケには難しいんだよね。だって、歌手さんって、絶対にリハーサル通りに歌わないからね(爆)。
合唱もアマチュアでしょう。[以下95文字削除:2013年5月23日]。
ソリストとオケは良かったのですが、合唱が[以下203文字削除:2013年5月23日]…って思いました。
それと、[以下8文字削除:2013年5月23日]って思ったのは、歌もそうだけれど、合唱の人たちの[以下55文字削除:2013年5月23日]。歌をさらうのに一生懸命で、演技の方まで気を配っている余裕がなかったって事なんだろうけれど、オペラって、歌芝居だからね。[以下43文字削除:2013年5月23日]
いくら無料コンサートだからと言って、ラ・フォル・ジュルネ[以下39文字削除:2013年5月23日]、なまじ衣装など着ずに、きちんと整列をして、演奏会形式でオペラを演奏すれば、それでいいんじゃないの?
この合唱団、名称からしても、常設の団ではなく、ラ・フォル・ジュルネのためにメンバーを集めた団体なんでしょうから、このステージのための団体のはずなのに、[以下27文字削除:2013年5月23日]、ソリストとオケだけでやってもよかったんじゃないの? 心底、そう思いました。ソリストとオケが良かっただけに、[以下29文字削除:2013年5月23日]。
あと、関係者なのかな? 事前アナウンスで「写真やビデオはおことわりです」と何度もアナウンスがあったにも関わらず、客席の客が複数ですが、演奏中に何度も立ち上がっては写真を取ってました。はっきり言って、すごい迷惑。その人たちのおかげで、私の視界が何度も塞がれました。「写真はご遠慮ください」とアナウンスがあっても、関係者なら写真を取りたくなるのかもしれないけれど、だったら客席に座らずに、客席の外側から、望遠レンズを使って撮影してほしいです。
なぜ人は、カメラを持った瞬間に、傍若無人になれるんでしょうか? カメラマンなら、黒子に徹してほしいです。少なくとも、自分たちの思い出のために、他の客に不快な思いをさせるなよ。
いつまでもプンプンしていても仕方ないので、おやつを食べました。おやつは、神戸屋の喫茶に入って、サンドウィッチやパンをつまみました。神戸屋に限らず、ここ数年で東京国際フォーラムに入っている業者が、すっかり様変わりしてしまいました。以前は、高級でお高い店ばかりだったのに、そういうお店はいなくなって、代わりに入ったのが、どこも、庶民的…とまでは言わないけれど、そんなセレブっぽくないというか、庶民が背伸びして入れそうなお店ばかりになりました。まあ、私的にはうれしいのですが、それだけ日本の経済がなだらかに悪くなっていたって事ですよね。やっぱ、都会のちゃんとしたところのレストランは、ビビるほどの高級店であって欲しいものです。それが先進国ってモンでしょ?
で、おやつを食べて、お腹とココロが落ち着いたところで、夜のコンサートに出かけました。
フルート(フルート:工藤重典,ピアノ:長崎麻里香)
ルーセル作曲『笛吹きたち』
フォーレ作曲『幻想曲』
サン=サーンス作曲『ロマンス』
ドビュッシー作曲『亜麻色の髪の乙女』
ドビュッシー作曲『小さな羊飼い』
ドビュッシー作曲『シランクス』
プーランク作曲『フルート・ソナタ』
本日、最初の有料コンサートです。…ってか、今年は有料コンサートを1枚/日でしか購入しませんでした。例年は2~3枚/日にしていましたし、今年もそうしようと思ったのですが、どうにもこうにも、見たいと思える有料コンサートが無くって…。
私なら、フルートや声楽のコンサートがあれば、ぜひ見たいと思うものですが、フルートや声楽のコンサートが、以前と比べて、激減しているんですよ。残念ですよ。やっている有料コンサートは、オーケストラものか、ピアノもの、あとヴァイオリンものが少々って感じです。オケには興味がないし、ピアノやヴァイオリンなら演奏者次第では、見たいのですが、私がヒイキにしてるピアニストもヴァイオリニストも、最近、来日してくれないんじゃ、有料コンサートのチケットなんぞ買えないってモンですよ。
どうも、東日本大震災…ってか、フクシマの原発事故以来、実力派ミュージシャンたちの来日が減りましたね。主催者さんは、それでも頑張って出演者を揃えてくれるんだけれど、そうすると、どうしても、ミュージシャンの小粒化と偏りはまぬがれないもので…ああ、管直人元総理を心の底から恨みますよ(プンプン)。
ってなわけで、本日の最初(で最後)の有料コンサートは、工藤重典氏のコンサートでした。考えてみると、私、フルートを始めてから、毎年必ず一回は工藤氏のコンサートを見ています。今年はたまたまラ・フォル・ジュルネだったわけですね。来年は、どこでやるコンサートで工藤氏を見るのでしょうか?
工藤氏の演奏は、いつものごとく、素晴らしかったです。何がスゴイのかというと“太い低音”と“消え入るようなpp”が実に素晴らしかったです。あれは、なかなかできるものじゃないです。それと、プーランクのソナタに時々出てくる、高音の「ピッ!」という感じのフレーズなんですが、この高音がまたキレイなんですね。
一流奏者の条件は『指がまわる』じゃないんだなって思いました。指がまわる…のは当たり前で、大切なのは『どの瞬間の音も、実に美しい』って事なんじゃないかなって思いました。音楽なんて、美しい音で奏でないと、やっぱダメだよね。
そうそう、工藤氏って、すっごく極端な内吹きでしたよ(笑)。
続きはまた明日。
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コメント
たびたび、書き込んでしまうことを、お許しください。
工藤さんの>>消え入るようなpp”が実に素晴らしかったです<<
を拝見して、思い出したエピソード。
ベルリンフィルの東京公演、オーボエ、シェレンベルガー氏のppp、
客席の茂木さん(N響オーボエ)、ハラハラしながら聞いていて、
「危ない、危ない」と思ったら、pppが途切れてしまった、
と言っても、プロにしかわからない小事故だった由。
茂木さんが楽屋に行ったら、
シェレンベルガー氏は、もちろん、茂木さんをご存知で、
「うわ、聞かれてしまったか!」という顔で苦笑しつつ、
「大阪公演では完璧だったんだが」とおっしゃった由。
いやあ、ppやpppって、
消えちゃいそうで消えない、あるいは、
途切れそうで、途切れない、ギリギリの演奏、
聞いていてハラハラしつつも、
うまくいったときは、聞いていて、感動ですね。
(⌒∇⌒)ノ”
おしまい
工藤さんだ。
いいですねえ。美しい音でフランスもの。
コンヴェンションで聴けるかしら。
一曲目がルーセル? けっこうややこしい曲ですね。
吹き手のセンスがでるというか???
あるデビューリサイタルでこの曲を吹いたひとに、
「この曲を選ぶのはどうかと思う」とコメントしたらしい。
それきいてびっくり。いろいろあったんでしょうね。
大学の試験でこの曲選ぶ人って、あんまりうまくないというか…。
もったいない曲。
ルーセル、いい曲だと思います。( ̄ー ̄)ニヤリ
operazanokaijinnokaijinさん
ppって美しいですね。ffは頑張れば、我々アマチュアでもモノにできるかもしれませんが、ppはモノにできる気がしません。
ほんと、工藤氏のかそけきppは美しかったです。感動的でしたよ。
su_zanさん
コンヴェンション…思わずググりました。今年は、高松でフルート・コンヴェンションが行なわれるんですね。うどんが美味しそうだなあ。でも、8月の高松は熱そうだなあ…。
>ルーセル? けっこうややこしい曲ですね。
そうなんですか? 工藤氏がサラっと演奏していたので、そんな風に思えませんでした。まあ、名人ってのは、難しいことを客前で簡単そうにやるんだよね。本当はすごく難しいのに、涼しい顔してやるんだよ。改めて、iTunesで聞いてみると…確かに技巧的な曲だねえ…。そして、ちょっと変な曲だね(笑)。
あぁ、カルメンの、合唱がしょぼいって話(汗)、まぁ合唱をプロにしたらもういくらかかるんだってことになるからしょうがないですけどね。素人は、歩かせたらダメです。並んでじっとして歌わせないと。
…と、心から思うんです。前に、会社オケでカルメンの合唱に参加したので。でも、募集のときは動きなし(並んで歌う)だったんですよ!? それが、指揮者さんどんどん欲張りになって、劇形式に発展し…私ゃ、そんなのやりたいっていってないよ!! 動きの指導をする人もいないわけなので、大筋は指揮者さんが決めるけど、細かいところはすべてみんなの自主性に任されていました(怖) そんなややこしいことしながらマトモに歌うって無理だよ。
ところで、ラ・フォル・ジュルネは私、一度も行ったことなくて、それは私が人混み苦手だからなのですが、やっぱり記事を読んでみて、私には無理そうな気がしてきました(^^;; 生の音楽はサイコーですけど、一日にいっこ、どうしても行きたいコンサートのチケット買って、友だちと二人か三人くらいで、じっくりおいしいところでランチして音楽聞いて帰る。ってのが身の程なんだろうなやっぱり。体力と気力が貧乏なので。
アンダンテさん
>素人は、歩かせたらダメです。並んでじっとして歌わせないと。
私もそう思います。ほんと、素人、なめんなヨ~って感じです。我々は、歌なら歌、歩きなら歩き。一つ一つ全力投球じゃないと、こなせないって事を忘れているんだと思いますよ。たかが「歩くだけじゃん」とか思っているなら、それは全国の俳優さんたちに失礼だと思います。ほんと、歩くだけだって難しいのよ。まして、外国語の歌を歌いながらなんて、素人なら、長い時間をかけてじっくりとやらないとできないのにね。
ええと、ラ・フォル・ジュルネは、人混み耐性がないと厳しいですね。あと、行列耐性かな? それと立ちんぼ耐性もないと無理かも。とにかく、ラ・フォル・ジュルネは体力勝負ですよ。
すとんさん
ありがとうございました。
ご配慮に感謝いたします。
これからも宜しくお願いいたします。