フルートのレッスンを受けてきました。
今回は別に遅刻をしたわけでもなんでもないのですが、おそらく前の姉様のレッスンが早く終わって、私が来るのが待ち遠しかったのでしょう。先生が教室のある建物の入り口の自動ドアの前で、私が来るのを今か今かと待っていました。私がやってきたら「やれやれ、やっと来たか…」みたいな顔をされてしまいました。…なんか罪悪感。
なので受付手続きもせず(受付のお姉さんも「いいから、早く入って…」という信号を送ってくるし…)、汗まみれの雨まみれ(この日は大雨の日でした)でビショビショのグシャグシャで、本来なら一息ついてからお教室に入りたい気分でしたが、それも雰囲気的に許されずに、さっそくお教室に入ったところ、姉様が待ち受けておりました。あちゃー。
部屋に入るなり「ロングトーンの練習やって」と先生がおっしゃるので、体中から汗が吹き出てくるのを我慢しながら、姉様とロングトーンをやりました。いやあ、気が散る気が散る。体中から、ダラダラと汗ががにじみ出るんですよ。でも、こちとらロングトーンをしている最中だから、汗を拭く事もできずに「ああ、汗が気持ち悪~い」って思いながらのロングトーンです。いやあ、何の罰ゲームだろ?
で、ロングトーンが終わると、さっそく「お疲れさまでした~」って感じで、姉様がご帰宅です。重ねて言うけれど、私、別に、遅刻とか、そんなのしてないからね~(ドギマギ…)。
さて、アルテです。15課2章のD-durのロングトーン練習をサラッと流して(もちろん、前回教わったように、フルートを響かせながらやったよ)、第2番の「アルペジオ基本練習」です。この課題はちょっと自信がなかったので、すこしゆっくりめのテンポで丁寧にやったところ、なぜかうまくできたので、合格です。やったね。続く第3番も合格。ふふ~んだ。
ところがその次の第4番「D-durのスケールとアルペジオ」って奴ですが、こいつも最初はゆっくり丁寧にやったところ、きちんと出来た…つもりでしたが、先生が「(中音)レの指が上がっていなかったから、もう一回」って言って、もう一度やったところから、突然ボロボロに崩れちゃいました。まだまだメンタルが弱い私です。正直に言うと、まだ「響かせる」演奏に慣れていなく、高いところを鳴らし損なってしまうケースがあり、自宅練習でもまだきちんと克服できていなかったので、練習でできないものが、先生の前でできるわけがなく…当然、次回に持ち越しになりました。
その心の動揺を引きずったまま突入した第5番「D-durのクロマチック」がうまくできるはずもありません。これも次回に持ち越しです。「クロマチックは寝ててもできるぐらいにやっておかないとダメだよ」って言われました。たっぷり練習して来いって意味ですね、ラジャー。
ミニヨン・エチュードは7番ですが、自宅練習ではボロボロでしたので、なんか申し訳ない気分で吹きました。当然、まだまだあっちこっち引っ掛かります。当然、次回に持ち越しになったのです。もっと頑張って、吹き込んでおこうっと。
さて、今回はこの7番の後半の八分音符のところを徹底的に直されました。例えば“レドシララ”と八分音符で下ってくるところの最後の“ラ”の吹き方がダメってわけで、何度も何度も直されました。
どこがダメかと言うと、1)“ラ”を置くように吹いている。ここはしっかりと吹きながらも、全体は短めで、音の終わりは自然に消えるように吹く事。2)“ラ”を吹き終えたところで息を吸っている(ブレスを取っている)けれど、それはダメ。ここは息を吸わずにブレスをする事。つまり“ラ”を吹き終えると同時に息がカラダに入ってくるようにやらないとダメなんだそうです。
こういう吹き方を「アーティキュレーション・ブレス」と言うのだそうです。アーティキュレーションの中で自然とブレスを取るテクニックだそうで、これを使うと、観客にどこでブレスをしたのか、気付かれないうちにブレスが取れるスグレ技なんですが「こんなの、基本テクニックだよ」ってサラって言われちゃいました。でも、確かに先生がアーティキュレーション・ブレスをして演奏すると、ブレスをしている事が(かなり気をつけて観察していない限り)分かりませんね。これは巧みなブレス方法です。
何度も何度もやり直しをさせられました。どうにも“ラ”の吹き方が下手くそなんですよ。この“ラ”はかなりしっかりと吹かないといけないのです。しっかりと短めに吹きながら、音をフルートから離す様に、すこし音を前に飛ばし気味に吹きます。でも、これだけじゃアーティキュレーション・ブレスは出来ません。その“ラ”を吹いた時に、すでに腹圧に陰圧がかかっている事が肝心です。陰圧がかかっているから“ラ”を吹き終えた時に、口を少し開くと、自然と息がカラダに入ってくるわけです。
どうやら最後の“ラ”はしっかりとお腹で息を吹き飛ばし、それで陰圧を作っておく事が肝心なようです。
「アーティキュレーション・ブレスはしっかりと腹筋使ってフルート吹いてないと、出来ないよ」と先生がおっしゃっていたのも、おそらくそういう事なんでしょう。
前回、フルートを響かせるためには、ノドやクチビルや頬ではなく、腹筋でフルートを吹く事を注意されましたが、今回は、そこから一歩前進して、腹筋でアーティキュレーションを作って、自然な感じで(気付かれない様に)ブレスをしましょうって事のようです。ううむ、確実にテクニック的に前に進んでいますね、ちょびっとうれしいです。
結局、今回は、アーティキューション・ブレスに散々苦労し、手取り足取りのレッスンだったので、これだけの内容なのに、たっぷり時間を使っちゃいました。ああ、しかしまだ出来る気がしない~~~(涙)。
さて今回の雑談はブレスの話です。アーティキュレーション・ブレスに限らず、フルート演奏の要は、ブレスコントロールなんだそうです。とにかく、ブレスブレスブレスで、ブレスをきちんとできる事が上手なフルート演奏なんだそうです。確かにブレスは難しいよね。
とにかくブレスは上手に目立たない様にしっかりと取る事が肝心で、そのためのブレステクニックをしっかりと磨きましょうってわけです。
「フルートは吹きながら、息のほとんどを捨てているんだから、ブレスコントロールがきちんと出来ないと、いつまでたっても、フルートなんて、吹けるようにはならないよ」って事らしいです。しごく当然の話ですね。
ブレスが難しいなら、ブレスをせずに吹いちゃうって手段(つまり循環呼吸ですね)もあるわけですが「循環呼吸ってのがあるけれど、あれは不自然だから、使っちゃダメだ」 って事らしいです。
「おおぉっ!」って顔をしていたら「だって不自然でしょ、どの世界にブレスをしないで歌い続けられる歌手がいますか? いないでしょ?」ってきました。
ますます「???」って顔をしていたら「フルートって歌なんですよ。フルートは歌う楽器なんです。ブレスをしないで歌ったらおかしいでしょ。ブレスも音楽のうち。どこでどうやって息を吸うのかってのは、とても大切な事。ブレスせずに演奏しつづけるなんて、おかしいでしょ」
そりゃあまあそうですが…って顔をしていたら「もちろん、一息で長い時間フルートが吹ける事は大切だよ。私は1分間ならブレスせずにフルート吹けるよ、もちろんその時はppだけどサ」って、先生、それってつまり『ロングトーンなら一息で1分はいけるよ』って事ですよね。
私は歌う人で、ロングトーンはかなり得意な人だけれど、それでも1分は、かなりの無理です。さすがは先生はプロ奏者です。正確に言うと、私の場合、40秒を過ぎたあたりでアウトです。いや、40秒程度なら、まだまだカラダの中に息が残っていますのでロングトーンそのものは出来るのですが、体内の酸素濃度が下がりすぎてしまって、カラダに息は残っていても、息苦しくて新しい酸素をすぐさま取り入れないとエマージェンシー状態になってしまいます。きっと1分間、ロングトーンしつづけたら(体内の息の量だけ考えたら可能なんだけれど、体内の酸素濃度的にはかなりアウトなので)きっと、意識消失でブラックアウトしてしまうでしょう。ああ、ロングトーンも突き詰めれば、かなりデインジャラスです。
だからこそ、色々なブレスのテクニックを習得し、音楽的にブレスをする事で、音楽の流れを妨げないような演奏ができるってわけなんです。
がんばろうっと。
コメント
アーティキュレーション・ブレスと言う言葉は初めて聞きました。
やっぱり「息を吹き入れて鳴らす」管楽器ゆえに、
息の使い方は切っても切れない大事な事なんだと思いました。
私の方は現段階ではまず一つ一つの音を確実に出せることが
大事と言う先生のレッスン方針により、教本に指示されている
ブレス箇所以外でブレスをしても指摘はありません。
息遣いに関することとしては「息を吐きすぎない」と言う点のみ
よく注意される点です。
アーティキュレーション・ブレスは腹筋がキモとのことですので、
まず私ならしっかりお腹の支えを意識して吹くことから
始めないと・・・となりますね。
ちなみに私の先生も循環呼吸は出来るけれど、
音色的に音楽的にはやっぱり不自然だそうで、
やや否定的な意見をもってらっしゃるようです。
神楽坂雪華さん
>ブレス箇所以外でブレスをしても指摘はありません。
私も最初の頃はそうでしたよ。なので、結構無頓着にブレスをしてました。で、いつ頃だったか、時期は忘れしまいましたが、やがてブレス場所以外でのブレスは禁止されるようになりました。
学習初期は、色々なことを大目に見てもらえるんだと思います。最初から細かいことを注意しても、出来ないし、あんまりうるさいとイヤになってしまうからでしょうね。
私も先生から見れば、まだまだ多くのことを大目に見てもらっているのだと思いますよ。なにしろ“スラーとそうでないところの吹きわけ”と“中音レでの左人指し指”とかを今頃注意されているくらいですから。
また、今の先生は、私が指定速度より遅く演奏しても大目にみてくれます。これもやがては、指定速度どおりの演奏ができないと叱られるようになるんだろうと思ってます。
とにかく、今与えられた課題を少しずつ自分のものにしていくことが、上達への早道だろうと思います。お互い、頑張りましょう。