さて、今回もコンサート・アリア…と言っても良い曲です。カタラーニが作曲した『ワリー』というオペラの中で歌われるソプラノのアリア「さよなら、ふるさとの家よ/Ebben? Ne andrò lontana」です。
「カタラーニって誰?」
「ワリーってオペラって何?」
大丈夫、私も知りません(笑)。そう言った周辺情報は全く知りませんが、「さよなら、ふるさとの家よ/Ebben? Ne andrò lontana」は、本当によく、しばしば素人さんの発表会で聞きます。ほんと、不思議なくらいに。
こんな感じの曲です。
歌っているのは、アンナ・ネトレプコです。現在のメトロポリタン歌劇場のディーヴァですね。彼女の声には、好き嫌いがあるようですが、美貌と歌の巧さにかけては、誰にも文句は言わせません。もっとも、最近は結婚もして、体型もだいぶプヨプヨにくずれてしまいましたが(笑)。そろそろメトもディーヴァの代替わりの時期に差し掛かっているのかもしれません。
今回の歌詞と訳詞は、こちらのサイトのモノを転載しました。感謝です。
Ebben…?
それなら…?Ne andrò lontana,
私はここから遠いところに行きましょう
come va l’echo della pia campagna,
聖なる鐘のこだまがあの白い雪の間にlà, fra la neve Bianca,
あの黄金色の雲の間にlà, fra le nubi d’or,
流れていくように。laddove la speranza,
そこでは、希望もè rimpianto, è dolor!
嘆きとも苦しみともなるでしょう!
O della madre mia casa gioconda,
楽しかった母の家よ、la Wally ne anrdà da te lontana assai,
ワリーはお前から離れて遠くに行くでしょうe forse a te non farà,
そしてきっと、二度とお前のもとにmai più ritorno,
帰ってくることはないでしょう。ne più la rivedrai
お前も二度と私の姿を見ることはないでしょうMai più, mai più!
決してないでしょう、決してないでしょう!
Ne andrò sola e lontana,
私はたった一人で、ここから遠いところに行きましょうcome l’eco della pia campagna…
聖なる鐘のこだまがlà, fra la neve bianca;
あの白い雪の間に流れていくようにNe andrò solae lontana,
ここから遠いところに、たった一人で行きましょうE fra le nubi d’or…!
あの黄金色の雲の間に…!
カタラーニという作曲家は、プッチーニと同時代の作曲家で、日本では全くと言っていいほどの無名な作曲家ですが、海外では彼の作品『ワリー』はもちろん『ローレライ』なども、たまに上演されるそうです。決して、海外では無名な作曲家とは言えないようですが…やっぱり日本じゃあ無名だよね。
と言うわけで、この曲に関して、特に語るモノを持たない私ですが、なぜ、この曲が発表会でよく歌われるのか…なぜなんだろう? おそらくは声質に関係するのかなって思います。比較的、声の軽い人だと、脇役ソプラノのアリアを始めとして、歌いやすいアリアが揃っていますが、声が成熟している人で初学者だと(大人には多いタイプですね)だと、なかなか選曲が難しいのかもしれません。と言うのも、声が成熟していると、当然、声楽技巧も成熟しているとみなされて、主役ソプラノアリアばかりになって、難しいアリアばかりになってしまいがちです(そこんところは、テノールと同じ状況でしょう)。その中で、比較的、手を出しやすいのが、この曲…ではないかと、私は推測します。
ま、ハズレているかもしれませんが(笑)。とにかく、発表会でよく聞きますよ、このアリアは。
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コメント
いい曲だし、大好き。アンナネトレプコか、、。綺麗だしよい声。。彼女って、声種なんでしょうね。太い声のタイプのリリコレジェーロ?リリコではないような。。最近、歌うの重め傾向ですがね、、。。
この曲、彼女くらい質量ないと、へらべったくて良くない、よさがでないよね?アマチュアにはなかなかサマになりませぬ。。むむ(笑)
アデーレさん
ネトレプコの声種については、若い時はリリコ、最近はリリコスピントだと思います。ただ、卓越したコロラトゥーラの技巧を持っているので、多少声が重くても、上手に転がしちゃうだと思います。声が重いのに、軽々しく転がせるってのは、ある意味、理想の声の持ち主だと思います。美貌といい歌唱技術といい持ち声の良さといい、マリア・カラスと同タイプの歌手でしょう。だから、ヨーロッパ受けするんだと思います。
ネトレプコは…もっと年を取ったら、きっとカルメンを歌う…と思いますよ(笑)。