そろそろ第九の季節ですね。もちろん演奏ではなく練習のね。あ、第九とはBeethoven作曲の「第九交響曲 合唱付」という奴。通称「第九」とか「合唱」とか言われて、年末になるとやたらとテレビでやる歌入りのクラシック音楽のことです。
私の地元でも毎年、九月になると第九用に市民合唱団を結成して、三カ月ばかり練習して、年末に市民会館でオケ(去年は神奈フィルでした)と一緒に演奏します。私は昨年一昨年と歌いましたので、市から「今年も歌うよね」って感じで案内状が来ましたが、申し込みませんでした。
第九は好きなんだけれど、今年はなんか気乗りしなくて…。キング先生からも「今年は第九やんないの?」って尋ねられましたが、やっぱりやる気になりません。先生的には、無理せずに歌うのは良い勉強になるからドンドンやればよろし! って感じなのですが、問題は「無理せずに歌う」という部分。
歌ったことある人は分かると思いますが、第九って、とても激しい曲です。これを「無理せず」に全部歌うのは初心者レベルではまず不可能。無理めのところは口パクにすれば可能ですが、それは私の性格上、できない相談ってことで、色々と逡巡した結果、潔く今年はパスすることにしました。
キング先生に声楽を習い始めて、少しずついい感じで歌えるようになってきたのに、ここで無理して歌うと、元の木阿弥と言うか、なんかせっかく積み上げてきたものを自分で崩してしまうような…そんな気がするのです。今は自分のペースで自分なりに声を育ててゆく時期…そう思ってます。
そんな事を書きながら、去年まで散々聞き込んだ第九のCDを思い出しました。音楽ファン的には賛否両論のディスクですが、合唱人目線で見た場合、特に市民合唱団で第九を歌う人向けには、とても面白いCDです。
それは、ラトル指揮・ウィーンフィルハーモニー管弦楽団・バーミガム市交響楽団合唱団のCDです。これの合唱部分はいいですよ、聞いててすごくワクワクする演奏してくれます。もちろんオケもウィーンフィルだから問題なし。
この演奏は、市民合唱団等でよく使う「ベーレンライター原典版」という楽譜を使ってます。表紙が海老茶色の奴ね。大抵のCDがブライトコプフ社やそれに準じる楽譜を使っているので、自分の楽譜の表紙の左下にBarenreiter(aの上にはウムラウト記号[文字の上に点が2個横に並ぶ]が付きます)と書いてあったら、このCDは買いです。さらに合唱を歌っているバーミンガム市交響楽団合唱団って名前は立派ですが、アマチュアの市民合唱団だそうです。アマチュアコーラスならではの熱気と迫力があって、プロの合唱団にはないある種独特の凄味を感じさせてくれます。その意味でもこれは買いです。
ちなみにこのCD、レギュラー商品ではなく、限定発売盤だそうです(少なくとも私の手持ちのCDにはそう書いてあります)。2007年9月現在、国内盤も輸入盤もだいぶ少なくなってます。見つけたら要チェックかな? でも人気指揮者のCDだから、品切れ気味の今年の暮れあたりに再発するかもしれないけどね…。
とにかく第九。今年はパスだけれど、来年はやろうかなあ…なんて思ってます。
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