今年もラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン、つまり、東京のラ・フォル・ジュルネに行ってきました。今年は5月4日の中日に行ってみました。今までは、初日と最終日の二日間出かける事が多かったけれど、今年は一日だけにしたので、当然、朝から晩までフルに楽しめる二日目をチョイスしたわけです。
まあ、なんで例年二日間出かけていたのを一日にしたのかというと…正直、ラ・フォル・ジュルネに以前ほどの魅力を感じなくなってきたからです。少なくとも、二日間もラ・フォル・ジュルネを楽しむ自信がなかったからです。
今年の有料プログラムを見た瞬間に「あ、ダメだ、これ」って思っちゃったわけです。「行きたくなるプログラムが…無い(涙)」って思っちゃったわけです。今までは「あれも見たい、これも行きたい」と思っていたのに、今年は全然テンションが上がらなくなってしまったのです。
飽きた?…それはないんじゃないかな? 基本的にコンサート大好きだからね。演奏者に魅力を感じない…それは多少なりともあるかも? ご贔屓のミュージシャンが来日せず、知らない若手ばかりじゃ、魅力薄と思われても仕方ないよね。プログラムがつまらなそう…少なくとも、ピアノとオケばかりじゃ悲しいですよ。
びわ湖のラ・フォル・ジュルネは、声楽がたくさんあって楽しそうだし、心もワクワクするでしょう。金沢や新潟は地元密着っぽくって、それはそれで面白そうだけれど、東京のラ・フォル・ジュルネは、なんかどん詰まり感を感じるんです。東京は全国区なのに、今年は丸の内のみならず、千代田区色も出してたけれど、私のような、周辺地域から来ている人たちにとって、ラ・フォル・ジュルネに神田とかアキバの店が出店してても、なんか違うような気がするんですよね。そういう迷走しているのが見えると、ますますドン引きしちゃうよね。
来年のテーマは、フランスでは「バロック」だそうですが、東京のテーマ(つまり、日本のテーマ)は、未発表なんだそうです。6月に発表予定だそうだけれど、何か“オトナの事情”って奴があるのかな? 例えば…開催自体が決定していない…のかもしれないですね。だって、やるなら、フランスのナントと同じ「バロック」でいいじゃん。でもそこで「来年のテーマは“バロック”です」と言えないところに、色々と事情があるんだろうね。
やれやれ。始めがあるなら、終わりがあるのは当然として、ただ、散り際を見苦しくしてほしくないなあ…と個人的には思います。
さて、それはさておき、今年の私のレポートを始めます(笑)。
好田タクト氏の指揮者モノマネ
毎年毎年、朝9時から『好田タクト氏の指揮者モノマネ』をやっているというのを知りながら、なんか毎年、ちょっとずつ遅刻して、きちんと見ていなかったのですが、今年はしっかり見ておこう、見ておかないと(来年は無いかもしれないし…と)思って、気張ってみました。9時開始ですからね、8時半には東京国際フォーラムに入りました!
いやあ、面白かったです。確か、例年は、クラシック・ソムリエのコーナーの前の平場でゲリラ的にモノマネをやっていたと思いますが、今年はしっかりトーク・ステージを使って、音響スタッフさんも入れてやってました。ううむ、なかなか本格的! まるで寄席で芸を見ているみたい。
やってくれたモノマネは、元気な頃のレヴァイン、ベト7を振るカルロス・クライバー、禁断のネタ(ネットに上げるなと言ってたので、ひとまず伏しておきます)、指揮者ラジオ体操第一(カラヤン・小沢・チェリビダッケ・コバケン・ゲルギエフ・下野竜也・佐渡裕・朝比奈隆のモノマネメドレー)をやった後、モノマネを離れて、水道ホースにジョウロをつけた簡易ホルンで“スッペ作曲軽騎兵序曲”の演奏(これがなかなかすごい)をした後、たっぷりと朝比奈隆のモノマネをしてくれました。
すごいな、本当にすごいなって思いました。これが世界ナンバーワンの指揮者モノマネなんだなって思いました。まあ、なぜ“世界ナンバーワン”と思ったのか言えば、こんなニッチな芸は、他にやっている芸人さんいないでしょうから(笑)。
好田さんのモノマネの、とても良いところは、愛がある事かな? 音楽や指揮者さんたちに愛がある事が見ていて、すごくよく伝わりました。だから、デフォルメをしていても、貶める事は無いんです。だから、直接笑いにつながらりづらい部分はある(そこは芸としては弱い部分かな)けれど、それはそれでいいんじゃないかな? 何も芸って、笑いを取らなきゃいけないってもんじゃなくて、「へえ、すごいなあ」と感心させるのも、立派な芸だと思うからです。
頑張れ、好田タクト。
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コメント
こんばんは。
> 好田タクト氏の指揮者モノマネ
youtubeでいろいろアップされていました。「題名のない音楽会」でも放送されていたようですが、知りませんでした。
http://www.geocities.jp/butsuzou28/index.html
一番ウケたのはカラヤンです。照明とかカメラの角度とか拘っていたスタジオ録音のころの映像を思い出してしまいました。
ホースでの軽騎兵序曲はここで見れました。
https://www.youtube.com/watch?v=tbxHEBPXyEQ
音楽が好き、というのはよく伝わってきます。こちらも指揮マネとか、音楽聴きながら右手を振っていたり、とかは珍しくなかったので、なんとなくわかります。
youtubenにはいろいろな指揮者の画像がたくさんあって、ビックリです。
モノマネの対象として選びやすい指揮者、というのもなんとなくあるような気がします。
次のような画像あたりはわかりにくいかもしれませんが、スゴイです。
Richard Strauss Conducting
https://www.youtube.com/watch?v=doJVlS7nn_g
Fritz Reiner Conducts Beethoven
https://www.youtube.com/watch?v=2MhzvayEVp0
結局、指揮者は最後は耳、とおもっています。
佐渡裕を「棒の振り方はきたないが、出てくる音が美しい」と誰か(名前を忘れました)が評価して、出てくるキッカケになったような話がTVで流れていました。
失礼しました。
tetsuさん
好田タクト氏は面白いでしょ? YouTubeでも面白いけれど、生で見ると、もっと面白いですよ(笑)。
>結局、指揮者は最後は耳、とおもっています。
ですね。私は、指揮者の仕事場はコンサート会場ではなく、リハーサル会場だと思ってます。本番前のオケとの練習が指揮者のメインの仕事じゃないかって思っているくらいです。指揮者は練習の時にこそ、オケとガチで取っ組み合いをし、平和協定をむすんでから、舞台に上がる…ってイメージです、私の場合。
こんばんは。
> 指揮者は練習の時にこそ、オケとガチで取っ組み合いをし、平和協定をむすんでから、舞台に上がる…ってイメージです、私の場合。
おっしゃるとおりです。こんなのもyoutubeにありました。
Karajan – Rehearsal of Schumann’s 4th Symphony – Part 1
https://www.youtube.com/watch?v=Shc-4AZVaNk
こちら所属のアマオケでは、指揮者の指示とか伝えたい気持ちとかもよくわかるのですが、結局残念ながら、音程/アインザッツの合わせとフレーズの終止だけでほとんどの練習が終わってしまいます。
> ベト7を振るカルロス・クライバー
これがきっかけで、初めてyoutubeでカルロス・クライバーの画像を見ました。ありがとうございました。
https://www.youtube.com/watch?v=2Sw97NzvvsE
カルロス・クライバーの左手の動きは右手とは全く独立して動いている、というところが当然ですが指揮者ですね。ちなみに彼のお父様のErich Kleiberの指揮振りもありました。左手の可能性はここにもあったのかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=PiF5glYvfcw
tetsuさん
好田タクト氏も言ってましたし、私も同感なんですが、のだめが流行る前から、カルロス・クライバーの振るベト7、大好きでした。だから、のだめの影響で猫も杓子もベト7を聞くようになって、ちょっぴり残念な気持ちがしました。だってね~、ミーハーなら、運命とか合唱とか田園とか英雄とか聞いて、ベートーヴェンが分かった気になっていればいいわけで、7番なんて、クラオタのために取っておいてほしかったのよ~(涙)。仕方がないので、のだめが流行っていた頃は、カルロス・クライバーのベト4ばかり聞いてました(笑)。
その後は一時期、合唱の楽譜違いの演奏の聞き比べにはまってましたよ。旧ブライトコプフ版と新ブライトコプフ版、ベーレンライター版、マルケヴィッチ改訂版などを聞き比べてました。マーラー改訂版とか、リヒャルト・シュトラウス改訂版とか近衛秀麿版とかの存在の噂を聞きつつ、一体どんな音楽になっているのだろうかと妄想しておりました。…ヲタクだね(爆)。
あ、モーツァルト改訂版のヘンデルのメサイアってのにも、一時期ハマりました。
> のだめが流行る前から、カルロス・クライバーの振るベト7、大好きでした。
こちらもその通りです。カルロス・クライバーの動画を初めて見た、という程度です。
のだめは漫画では読んだことなくて、映画版で初めて見ました。
映画版の選曲はベト7も含めてよかったとおもいます。
エルガーのニムロド、ドヴォルザークのチェコ組曲にははまりました。
チェコ組曲はアマオケのアンコールに選んでしまいました。
> モーツァルト改訂版のヘンデルのメサイア
こういうものがあるということを知りませんでした。
モーツァルトのC mollミサK.427にはヘンデルのハレルヤコーラスがそのまま出てくる、というのは吉田秀和読んで、曲は聴いて知っていましたが、改訂までしていたのですね。
tetsuさん
モーツァルト改訂のヘンデルのメサイアは、結構面白いんですよ。大きな違いとして、まず、歌詞が違います。ヘンデルは英語ですが、モーツァルト版はドイツ語なんです。それとオケの編成が違います。ヘンデルの方は弦楽合奏が主体で、それに若干の管楽器がオマケで付きます…ってものですが、モーツァルト版は管楽器を豊富に使います。モーツァルトは、フルート以外の管楽器が大好きですからね(笑)。その他にも、細かい違いはたくさんあるんですよ。
ヘンデルのオリジナルも良いのですが、モーツァルト版の方もなかなか捨てがたいと思います。もっとも私自身は、ヘンデルのオリジナルの方が、音が尖っていて好きだな。