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自分でも思うほどに残念なヤツなんです

 声楽のレッスンの続きです。

 デ・クルティス作曲の「Addio bel sogno/美しい夢よ、さようなら」です。何はともあれ、グルックの曲とは全くスタイルが違います。こちらの曲は昔のポピュラーソングのノリで歌うのが大切です…ってか、作曲家がデ・クルティスなので、実際、昔のポピュラーソングなんだよね。だから、その時代の様式で歌うのが、この曲を最も活かす歌い方ってわけです。

 と言うのも、この曲って、約100年前のポピュラーソングなんですよね。約100年前と言えば…クラシック音楽界が分かりやすいと思うけれど、あの時代って“後期ロマン派”の時代だし、ポピュラーの世界だと“キャバレー”の時代なんですよ。まだ、リズムがあまり強くなくて、どちらかと言うと、メロディーとかコードが強かった時代の音楽です。つまり、フリーテンポ…とは言い過ぎだけれど、メロディーとかコードとかを味わうために、リズムキープがユルユルだった時代の音楽なのです。日本だと「ゴンドラの唄」とか「カチューシャの唄」の時代の音楽です。あの時代って、伴奏の楽隊にリズム隊が入っていないんですよね。

 そんなわけで、私はこの歌を、極端にリズムをユルユルにして歌うようにしています。まあ、Y先生曰く「セクシーに歌いましょう」の私なりの解釈です。あくまでも旋律の美しさ優先で、旋律を味わいながら歌う方向なのです。

 そんなわけで、きっちりカッチリ歌うのではないし、ガーっと歌うのも違います。なるべく、柔らかく、優しく、ほんわかと歌いたいと思ってます。

 高音(A4)がありますが、そこも力いっぱいの ff で歌うのではなく、軽く細く、声を音程に当てていく歌い方で行きたいと思ってます(私には難しい歌い方ですが…)。

 さて最後は二重唱です。プッチーニ作曲の「ラ・ボエーム」より「O soave fanciulla/ああ、うるわしの乙女よ」です。

 この曲は…リズムキープが肝心です。いい気持で歌っていると、リズムを見失ってしまうので、歌いながらも、心の片隅できちんとリズムキープをしながら歌います。つまりは、心の中に指揮者を飼いながら歌うのです。その上で、ピアノやソプラノがどこにいて、何をしているのかを見るわけです。

 音楽の優先順位としては、残念ながら、ソプラノ、ピアノ、テノールなわけで、この曲でのテノールの立ち位置は、残念ながら、ほぼ下僕状態です。彼女らの顔色をうかがいながら歌っていかないといけません。俺様根性では、音楽が破綻しちゃいます。

 二重唱って合わせモノなんです。だから合わせてナンボなんです。特にソプラノの歌には、しっかり付いていかないといけません。呼吸を合わせるのが大切なのは、もちろん、案外と大切なのは、休符の取り方です。音符を合わせるのは当然だけれど、休符も合わせていかないと、うまく合わないのです。そこが案外、盲点だったりします。

 また歌詞の切れ目が、ソプラノとテノールで違う箇所が何箇所かあります。テノールの歌詞の切れ目であっても、ソプラノはそうでなければ、そこはソプラノのタイミングに合わせて歌わないといけないし、逆の場合でも、あちらのタイミングに合わせないといけません。つまり、下僕状態ってのは、そういう事です。あくまでもソプラノの都合に合わせて、歌い合わせていくのです。常に謙虚であって、一歩も二歩も下がっていかないいけないのです。

 それを楽しんでできるのが、本物の漢なんでしょうが…ついつい自分を前に出してしまいガチなんだよね、私って人間は。ほんと、残念なヤツだな。

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